『ブリッジ・オブ・スパイ』、主人公が妻についた優しい“嘘”

シネマズ編集長の柳下修平です。新しく編集長に就任してまだ9日ですが、少しずつ良い意味で色を出していければと思います。

その一つとして、“編集長の新作映画レビュー”を開始して、ライティングも少ししていければと考えております。

“編集長の新作映画レビュー”の内容は大きく2つ。“新作映画の感想”と“最も印象に残ったシーン”をピンポイントで語っていければと思っています。論評ではなく感想として、ネタバレは避けながらわかりやすくお伝えしていくつもりです。

記念すべき第1弾は1月8日より公開されているスティーブン・スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』です。

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今回の題材は東西冷戦下のスパイ交換!

スティーブン・スピルバーグ監督×トム・ハンクス主演の新作は史実もの。描かれる人物はアメリカ人の弁護士ジェームズ・ドノバン。

彼が務めた2つの出来事、「ソ連スパイの弁護」と「米ソそれぞれが拘束したスパイの交換」が描かれていきます。

物語は緊張感を途切らせることなくも淡々と進んでいきます。それには賛否が出ると思いますが、淡々と出来事を描いていくことで主人公を中心とした人物たちが「その時、どこで、何をして、何を思ったか」が浮かび上がってきます。

クライマックスの見せ場、スパイ交換の場面は緊張感も極限に。しかしなぜか悲しさがそこに…。なぜか。なぜそんな場面で私は悲しくなったのか。それは是非映画館で、あなたの目で確かめてください。

主人公が妻についた優しい嘘に痺れる

本作で私が最も印象に残ったシーンは主人公ジェームズ・ドノバンが妻についた嘘、そしてそれが嘘だと知ったシーン。

映画の後半、ベルリンへスパイ交換任務に赴くジェームズ・ドノバン。それは極秘作戦のため、家族と言えども簡単に口に出せることではありませんでした。嘘をつくしかありませんでした。

そこでドノバンがついた嘘は「釣りへ出掛ける」というもの。その時の妻の表情からは嘘を見破っているかどうかはわかりませんでした。

しかし、クライマックスを見る限りでは嘘だと見破っていなかったのではと思いました。嘘の見破り方と言いますか、釣りは嘘だったとわかる瞬間、その演出は本当に見事。スピルバーグの愛と優しさも感じる静かなる名シーン。

真実を知った妻、その後旦那ジェームズ・ドノバンを見る表情には愛情、そして誇らしげな笑顔がありました。

その瞬間が私にとってのこの映画のベストシーンです。

『ブリッジ・オブ・スパイ』はとても静かな映画です。だからこそ、その静けさの中で魅力や感動を見つけ出してみてくださいね。本作のレビューは編集長個人ブログCinema A La carteにも別切り口で掲載中です。合わせてお楽しみください。

『ブリッジ・オブ・スパイ』は1月8日より全国公開中です。

(文:柳下修平)

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