全米興収レポート(3/11〜3/13付)、ディズニー新作『ズートピア』が2週連続の1位を獲得!

ズートピア ジュディ・ホップス ニック


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全米興収ランキング(3/11〜3/13付)


1『ズートピア』(→)
2『10クローバーフィールド・レーン』(New)
3『デッドプール』(↓)
4『エンド・オブ・キングダム』(↓)
5『Whiskey Tango Foxtrot』(↓)
6『The Perfect Match』(New)
7『The Young Mesiah』(New)
8『The Brothers Grimsby』(New)
9『ゴッド・オブ・エジプト』(↓)
10『Risen』(↓)
(速報値/Box Office Mojo参照)

今週からこちらで全米興行収入のレポートをさせていただきます。ほとんどの映画が当たり前のように日本よりも早く公開されるので、いち早く流行の映画をチェックしたり、来年のアカデミー賞をはじめとした賞レースへの予備知識を入れていければと思っております。

そんな第1回目の1位に輝いたのは、先週から引き続いてのディズニー映画『ズートピア』。先週のオープニング興収で、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの新記録を樹立した本作は、2週目でも安定の興行収入を見せてV2達成。
オープニングが7500万ドル、2週目で5000万ドルというと、04年に公開されたピクサーの『Mr.インクレディブル』とほぼ同じ推移。最終的に2億6千万ドルまで伸ばした『Mr.インクレディブル』に迫る興収成績をあげられるかのに注目したいが、イースターシーズンに入り大作の公開が控えるこの先2週間が試金石。少なくとも2億ドル突破は射程圏内に収めており、『ベイマックス』の2億2千万ドルを超えることが最初の課題となる。

一方で、初登場2位にランクインしたのは大ヒット映画『クローバー・フィールド HAKAISHA』の続編としていわれている『10クローバーフィールド・レーン』。プロデューサーJ.J.エイブラムスの十八番である徹底した秘密主義により、詳細が明かされないままベールを脱いだ本作は、前作と比較するとやや物足りないスタート。IMAX上映での上乗せを考えると微妙な数字ではあるが、その分前作を上回る高評価を獲得しており、今後の伸びに期待が持てる。

ベストテンには他に3本の新作がランクインするも、どれも今ひとつ伸びを欠いている。中でも、ルイ・レテリエ監督の最新作『The Brothers Grimsby』は、サシャ・バロン・コーエン、マーク・ストロング、ペネロペ・クルスの共演のスパイコメディとして話題にはなったものの、2000館以上で封切られた作品のワーストオープニングで36位(速報値の数字で)に入るショッキングなスタート。

新作の大作が相次いで公開されることで、軒並みスクリーン数を減らし、興収がダウンする作品が増える中で、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたコロンビア映画『Embrace of the Serpent』は上映館を3倍に増やし、先週比260%超の上々な興行を見せている。

また、先週4館で限定公開されたテレンス・マリック監督の『Knight of Cups』も館数を36館に増やし、わずかではあるが週末興収を伸ばしている。ただ、近作と比べるとまずまずといったところか。クリスチャン・ベールをはじめとした豪華キャスト共演の作品といえども、マリック作品へのアレルギー反応が目立つ。日本公開はいつになるのだろうか。

他に気になるところといえば、アカデミー賞で歌曲賞に輝いた『007/スペクター』が上映館を減らしながらも先週比150%という伸びをここに来て見せる。もうまもなく米国内で2億ドルに到達するだけに、もうひと踏ん張り見せたいところだろう。

来週は人気YAシリーズの3作目『The Divergent Series : Allegiant』が公開。前作『ダイバージェントNEO』は、1作目の『ダイバージェント』とほぼ横ばいのオープニング興収、最終興収だっただけに、本作も1億ドル超が見込まれるであろう。限定公開ではあるが、『MUDマッド』のジェフ・ニコルズ監督の新作『Midnight Special』や、『わたしたちの宣戦布告』のヴァレリー・ドンゼッリ監督の新作で昨年のカンヌでコンペティション部門に出品された『Marguerite and Julien』も封切られる。

(文:久保田和馬)

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