『がっこうぐらし!』ラストアイドル vs ゾンビ軍団の闘いが最高過ぎる!

Ⓒ2019映画『がっこうぐらし!』製作委員会

2015年に全12話のテレビアニメ版が放送され、現在も「まんがタイムきららフォワード」誌に連載中の人気コミック『がっこうぐらし!』。そして今回、テレビ番組の企画から誕生した人気アイドルグループ「ラストアイドル」のメンバーを主演に迎えた、ファン待望の実写映画版が1月25日から全国公開された。

現在11巻まで刊行中のコミックスにおいて、ついに次巻をもっての完結が発表されたタイミングでの公開だけに、期待を胸に鑑賞に臨んだ本作。

果たして、その内容と出来はどの様なものだったのか?

Ⓒ2019映画『がっこうぐらし!』製作委員会

ストーリー

シャベルを愛する胡桃(阿部菜々実)、ムードメーカーの由紀(長月翠)、みんなのリーダー的存在の悠里(間島和奏)、そしてしっかり者の後輩・美紀(清原梨央)。個性豊かな4人の女の子たちは、時には笑ったり、時にはケンカをしたりしながらも、みんなで元気いっぱいのスクールライフを満喫中! のはずだったけど…。この学校は何かがおかしい…?
公式サイトより)

予告編

高校生活からの卒業をテーマに、原作から改変された映画版とは?

実は今回の映画版では、原作コミックからの様々な改変が施されている。

例えば原作コミックでは、次の目的地が大学という展開にも非常に重大な秘密と理由があるのだが、映画版では、あくまでも高校生活に焦点を絞って脚本化されているので、後に仲間となる直樹美紀が外部のショッピングセンターではなく、同じ高校の校舎内で生存しているなど、主に現実的な問題や事件の原因に繋がる部分が、大幅に削除・変更されているのだ。

がっこうぐらし! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

そのためか、高校の貯蔵庫に全校生徒分の大量の食糧物資が備蓄されている理由など、若干観客に分かりにくい部分が発生してしまっているのも事実。

原作にあった外部との接触を排除した理由は、ラストで高校が炎に包まれる原因が原作通りだと、かなりの予算と手間がかかるためと思われるが、その反面、高校生活にいきなり外部世界の異質な物が登場するという違和感が避けられ、学園ドラマとしての統一感が生まれているので、この選択は正に大正解だったと言えるだろう。

Ⓒ2019映画『がっこうぐらし!』製作委員会

実は、映画の終盤で胡桃の最大のピンチが描かれるにあたって、このまま原作通りの展開になるのか? そう思いながら鑑賞していたのだが、何と映画版では、先輩(原作では名前は不明だったが、映画版では葛城紡とされている)との淡い思い出が、彼女に力を与える! という、アイドル映画ならではの見事な展開が用意されていたとは!

加えて、下手に原作の「大学編」に繋がる展開にせず、あくまでも一本の映画としてまとめてみせた監督・脚本の柴田一成の仕事は、絶対に評価すべき!

変に過去のゾンビ映画にオマージュを捧げたり、名場面のトレースをすることなく、様々な制約の中でアイドル映画とゾンビ映画の両立を見事に実現させた柴田一成監督の力量に、今後は是非注目して頂ければと思う。

Ⓒ2019映画『がっこうぐらし!』製作委員会

実際に熾烈な戦いを勝ち抜いたアイドルが、今度はゾンビと闘う!

何といっても本作の見どころは、実際にラストアイドルのセンターを巡って熱い戦いを繰り広げた二人、阿部菜々実と間島和奏の共演にある。

過去に直接対決で明暗を分けたこの二人が、本作では仲間として共闘するだけでなく、更に一度挑戦者に敗れながら、敗者復活戦で再びメンバーに返り咲いた長月翠も加わって、ゾンビの群れと戦いを繰り広げるとなれば、これはもはや観に行くのが当然!

Ⓒ2019映画『がっこうぐらし!』製作委員会

確かに、序盤は彼女たちの演技や明るさと、予想外に本格的なゾンビの登場とのギャップに戸惑うかもしれないが、中盤からの怒涛の展開と疾走感を味わえば、あとはラストまで安心して、この作品世界に入り込むことが出来るはずだ。

加えて、いつもの“ほのぼの”キャラのように思えた、おのののかの好演といい、実は演技的にも注目すべき点が多い本作。

アイドルの座を目指す者同士の、熾烈なサバイバル競争を実際に勝ち抜いてきた彼女たちが見せる、生死を賭けた真剣な表情は必見です!

Ⓒ2019映画『がっこうぐらし!』製作委員会

最後に

全部“ひらがな”のタイトルに、人気アイドルの主演ということで、どうしても苦手意識や偏見を持たれる方が多いと思うが、実は本作は絶対に観て損の無い作品となっている。

「ラストアイドル」というプロジェクトの勝者として、実際に挑戦者と闘い勝ち残ってきた少女たちが、サバイバルのためにゾンビと闘い続ける日々を描くだけに、文字通りのメタ構造としても楽しむことが出来る内容だったからだ。

特に、エンドクレジットに流れるラストアイドルの「愛しか武器がない」の歌の世界が、実に作品の内容に当てはまっていたのは、意外な収穫だったと言っておこう。

Ⓒ2019映画『がっこうぐらし!』製作委員会

実は本作には隠れたお楽しみとして、「え、今のゾンビは、ひょっとしてあの人では?」と誰もが思う意外な人物たちが、ゾンビとして特別出演するシーンが含まれている。

セリフのないゾンビ役で出演している意外な人物とは、いったい誰なのか?

その答えは、是非劇場でご確認を!

(文:滝口アキラ)

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    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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