モントリオール映画祭が分断?幕末なのにプリクラ? 『合葬』小林達夫監督独占インタビュー

編集部公式ライターの大場ミミコです。

2015年9月25日より上映中の映画『合葬』。シネマズ by 松竹では、メガホンを取った小林達夫監督にインタビューさせていただきました。

映画『合葬』についての過去記事はこちら。

映画『合葬』ヒット祈願&供養イベント ほぼ再現レポ
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合葬サントラ

江戸末期、幕府の武力隊である『彰義隊』に身を投じ、新政府軍の銃弾に散った3人の青春群像劇を、新進気鋭の小林監督が見事映画化されました。原作は江戸風俗研究家で漫画家の杉浦日向子さんです。

その作風や世界観にファンも多い杉浦作品を引き継ぎ、独特の表現力と高いセンスで昇華させた小林監督が、ストーリー構築からキャスト選びまでガッツリと語って下さいました。

他では決して見られない、レアなインタビューをぜひお楽しみ下さい。

SF?あの世?…杉浦イズムが発酵・熟成された世界観

―― 映画『合葬』を拝見させていただきました。幕末の江戸を舞台にした時代劇でありながら、異次元の話というか、あの世の出来事というか、SFというか・・・既存の言葉では言い表せない、不思議な感覚に陥りました。

小林監督「マジックリアリズムみたいな感じですかね」

―― そうですね。カヒミ・カリィさんのナレーションだったり、音楽を担当したASA-CHAN&巡礼の独創的な世界観の影響もあると思うのですが、いわゆる普通の、テレビで観るような時代劇のテイストとは全く違うというのが第一印象でした。

小林監督「そうですね。まず原作の『合葬』では、実際に存在した『彰義隊』という集団が、上野戦争に至るまでの話が描かれています。それは事実に基づいた話なんですけど、原作の中にも、史実を超えたような、想像力を掻き立てられる描写がいくつか出てくるんです」

―― 原作は、江戸風俗研究家でもある杉浦日向子さんのマンガ『合葬(1983年《月刊漫画ガロ》連載)』ですね。
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小林監督「『合葬』は、杉浦日向子さんにとって最初の長編作品になるんですけど、そのあとの『百日紅』や『百物語』という作品の中では、江戸の文化について掘り下げつつ、さらに不思議なお話を書かれています」

―― 確かに。今回の作品でも、例えば蓮の花をシンボリックに描写したり、怪談話が登場したりと、現実と幻の区別があいまいな表現は、杉浦さんっぽい感じがしました。

小林監督「現在の、いわゆるドラマツルギーというか、起承転結みたいなところに全然はまらないのが面白いんです。『江戸の人たちはこういうのを面白がってたんだな〜』みたいな。異色な物語だと思うんですけど、『合葬』だけに留まらず、後期も含めた作品全般に影響を受けて、杉浦さんが描いた江戸に魅せられたんだと思いますね」

―― なるほど。そういった(杉浦さんの)世界観全般が、今回の映画に反映されていると。

小林監督「そういう要素も入れたいと思い、脚本家の渡辺あやさんと話し合って作りました。彰義隊の物語を壊さない形で複数の挿話を盛り込むという構想も、最初の段階からあったんです」
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    ライタープロフィール

    大場ミミコ

    大場ミミコ

    小学生の息子を持つ主婦ライター。美大卒業後、ストーリー漫画家を目指してシナリオ学校の門を叩く。その後10年ほど、映画・ドラマ・コミック原作などのプロットやコンペ原稿などの下積みを経験し、出産を機に引退。現役中は、お金を浮かせるために飯田橋ギンレイ、早稲田松竹などの名画座に通う傍ら、フリーペーパーなどのシネマコラムも執筆する。好きな映画は「真夜中のカーボーイ」「アメリカン・ビューティ」「チョコレート・ドーナツ」など、切ない&救いのない系の作品。一方、「ウェインズワールド」「プロデューサーズ」などのおバカコメディも大好物♡好きな俳優は佐藤健、好きな監督は中島哲也、内田けんじ。

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