壮絶!『ガルパン劇場版』4DX鑑賞記!

■「キネマニア共和国」

今さら説明する必要もないでしょうが、茶道、華道と並ぶ乙女のたしなみ戦車道(⁉)という奇抜な世界観の許、少女たちが戦争ではなく試合に臨む姿をリアルかつダイナミック、そして微笑ましく描き、2月半ばで興収11億円を突破するなど息の長いヒットとなった『ガールズ&パンツァー劇場版』。

この通称『ガルパン』、ついに待望の4DX上映が始まりました! が……

キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~vol.113

もうすさまじいことになっているのです⁉

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全国で白熱!
『ガルパン』4DXチケット争奪戦!

『ガルパン』4DXは2月20日より全国30館の4DX上映館で公開され、先日シネマズでもお伝えしたように、3月5日以降は33館すべての4DX上映可能館での上映が決定しています(MX4D上映館での上映は今のところ予定なし)。

この『ガルパン』4DX、チケットがネット予約開始されるや否や、申込者が殺到して全国の4DX上映館のサーバーが一気にダウンし、なかなかサイトに繫がりにくくなり、PCのF5連打の末にようやく中に入れて手続きを始めたら、肝心の座席がもうなくなっていて(サイトの調子もおかしくなってしまっていた⁉)、やむなく振出しに戻り、再びF5連打を繰り返す……といったことを幾度も幾度も繰り返すという、恐るべき事態に突入。

東京在住の私が鑑賞すべく試みた、としまえん&豊洲をはじめとする全国のユナイテッド・シネマ上映館では2月17日午前0時に予約受付を開始し、夜が明ける頃には1週間分のチケットが完売していました!

私は、というとPCの前で粘りに粘って3時間半、ようやく平日夜の回をゲット。一番前の中央に近い席だったのはラッキーでしたが、来場者先着順の特典ガルパン・キャラクターによるバレンタイン・カードGETなど夢のまた夢、こんなことなら通常上映館で土日予約しとけばよかったと悔やんだのも後の祭りではありました……。

“ダージリン様のポップコーンセット”は
上映前に食べ終えておいたほうがいい⁉

かくして2月22日夜、ユナイテッド・シネマとしまえんにチャリンコで到着!(4DXは通常の映画料金+1000円だから、少しでも節約!)

ロビーは既にガルパンおじさんとガルパンねえさんたちでごった返しており、またその多くがフィルム風しおり(AB二種類のどちらかを選択)付き“ダージリン様のポップコーンセット”を購入しています。

何せ上映中に座席が揺れまくる4DXですから、ポップコーンやドリンクなどは事前に食べておいたほうが得策ではありますが、劇場のほうでもポップコーンを入れた紙カップを大きなビニール袋で包み、こぼれづらくさせるといった配慮がなされています。

ちなみに、各キャラの画が入ったしおりAセットを購入した私は(後になって、ダージリン様単体しおりのBセットを買ったほうが良かったかなと、少し後悔)、帰宅してからの酒のつまみ用にポップコーンをビニール袋に入れたままカバンの中にしまい、ドリンク(ダージリンピーチソーダ、美味)だけ飲んで、いざ開場!

荷物があると上映中危険なので、場内通路に設置された100円ロッカーにカバンなどの荷物を預けるよう、係員に促されます(いちおう100円玉を用意しておいたほうがいいでしょう。お金は使用後ちゃんと返却されます)。

座席は割と大き目でゆったりしていますが、ビニールでツルツルしてちょっと滑りやすいかな? といった感触です。

全部で104席の場内は、当然ながら1席も空きがないまま、びっちり。嗚呼、これがガルパン・パワーというやつか……と、しばし感慨にふけります。
料金が割高の4DXで満席状態が続くなどとは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』以来ではないでしょうか。

場内が暗くなり、予告になってもまだ座席は動きませんが、その後4DXデモンストレーション映像が流れると、一気にグゥオン! と座席が動き、「嗚呼、これが4DXか」とばかりに、場内がどよめきます。

さあ、いよいよ映画の上映開始です!

振動と風、匂い……
上映中は上着を着たままで!

冒頭、主人公のみぽりんこと西住みほとその仲間たちによるTVシリーズのおさらいコーナーでは、当然ながら何も起きず、いつもながらの親切丁寧な解説に聞き入るのみですが、やがて配給会社SHOWGATEのマークが出て、いよいよ開幕。ダージリン様のお紅茶に茶柱が立ってしばらくしたら……ズッドーン! ものすごい揺れと、戦車から飛び出す砲弾をあらわす風が、鑑賞しているこちらの顔にシュポーンとふりかかります!

おお、4DXが始まった!

最初は大洗エキシビジョン・マッチ、およそ30分。戦車による振動を持続させながら、時折、座席の首の後ろから風が吹きつけられたり、硝煙を代弁する木々のような匂いがしたり(この匂い、割と好きでした)、戦車が稼働不能となると、画面左右下部からスモークが焚かれたり、被弾したりすると背中からマッサージ・チェアのようなボコボコ攻撃がなされたり、などなど映画の臨場感を各アイテムできちんと増幅させています。

椅子の振動も、戦車によって振動の度合いが違うようですが、さすがに1回の体感ではどれがどうとまでの判別はできず、ただただ翻弄されるのみ。

また場内は風もよく吹き、それは心地よくもあるのですが、さすがに立春を超えてまもない今の時期は少し寒くも感じますので、上着は着ておいたほうがいいでしょう。

エキシビジョン・マッチが終わり、およそ30分ほど4DX小休止となりますが、お風呂のシーンでは思わず場内がざわめく仕掛けが!

そしてサンダース学園の輸送機の登場など、時折はっとさせられるシーンを交えつつ、またボコのテーマパーク内でボコがボコボコにされる寸劇シーンは、見ているこちらまでボコボコにされたかのような体感を味わえます⁉

みほとまほの姉妹回想シーンは、それまでガタガタゴトゴタ4DXしまくっていた後だけに、逆にほとんど何も施されないことで情感が高まっていきます。

上映中、ふっと何もしないでおくというのも、ひとつの4DX演出なのでしょう。

これぞ4DXの誉れたる後半戦!
意外と濡れるからメガネ拭き持参で

そしていよいよお待ちかね、後半の大学選抜チームとの殲滅戦、およそ60分はもう留まるところを知らぬ4DX効果のつるべうち!

ここから先は、これから鑑賞体感する人のためにあまり具体的な記述は避けておきたいところですが、カール自走臼砲の襲来および継続高校らによる撃滅作戦はもとより、ミフネ作戦や西部の町での決闘、迷路の攻防戦、そして最終決戦などなど、もうこちらが期待しているシーンが、期待している通りに4DXしてくれています。

ジェットコースター・パニックのくだりでは、思わず泣きそうになるくらい感動してしまった!

また前半に比べて後半のほうが、揺れや振動なども強めているようで、それもまたクライマックスの最終決戦のカタルシスに大いに貢献しているように思えました。

やはりガルパンは、実に4DX向きの映画であったことを納得させてくれるものが大いにあります。

ひとつだけ、後半は雨のシーンなど意外に水が吹きかかるところが多いので、先にも述べた上着着用と、眼鏡をかけている人は眼鏡ふきを用意していたほうがいいでしょう。

え、こんなところで水が? と一瞬思いますが、よくよく考えると画面に沿った効果にもなっていますし、とにもかくにも4DXスタッフがいかに本作を研究し、どこでどのような仕掛けを施すかを熟考しながら、さまざまな効果をもたらしていることにも感動。

エンドタイトルもちょっとした心憎い仕掛けで、気持ちがフワ~となります。

上映がすべて終わり、場内が明るくなると一斉にガルパンおじさんたちの感想が飛び交います。

「すっげー!」「メチャクチャおもしれーじゃん!」といった興奮気味の賛辞から、「何だよこれ」「くだらねえ」といった冷ややかな声もちらほら、また「気持ち悪くなっちゃった……」と揺れに弱い人の本音まで、4DXはやはり通常の映画鑑賞とは異なり、遊園地のアトラクションといった心持ちで接したほうがいいのかもしれません。

私自身、今回の『ガルパン』もいきなり4DXで接するのではなく、先に通常のものを見てから4DXを体感鑑賞したほうがいいような気がしました。

もっともこの『ガルパン』、やはり4DXをフルに楽しむにはベストの作品のように思えましたし、この後すぐ、ユナイテッドシネマの次週分の予約をしようとサイトを見ると……。

今週もサーバーダウンして、入れねーじゃねーか!

とはいえ、先週より1時間早い2時間半のF5連打でチケットGET(ただし、またも平日。一体どうすれば土日のチケットが取れるんだ! PCの性能の差?)

今後、徐々にチケットも取りやすくなっていくかと思われます。

この機会にぜひ『ガルパン』4DXを体感してみてください。

P.S.
4DX上映中は揺れが激しい分、トイレを我慢するのが結構つらくなりがちですので、事前にすませておいたほうが安心ですよ。

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(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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