『ハイロー2』の波は乗るっきゃない!これは間違いなく現代の邦画最高水準だ!!

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HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY

(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会

2016年。特に「EXILEが好きだ」とか「がんちゃんのファンだ」という理由もなく、しかも前章たるドラマ版を観ていたわけではなく、何気なく鑑賞した『HiGH&LOW THE MOVIE』に度肝を抜かれた。これが驚くほど面白く、ラストバトルに至っては「邦画でこのレベルのものを観られるとは」と食い気味に興奮したものだ。そして再び、“SWORD”の面々が帰ってきた。今回ばかりは「何気なく」ではなく、「観たい、早くハイローのアクションが観たい!」という、もはや禁断症状にも似た欲求を胸に秘めて、『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』を初日に駆け込んだのである。

初めに断っておくと、「ドラマとか映画1作目を知らないとついていけないのでは」という声をちらほら目にしたがその点は安心してほしい。

これは筆者も1作目で同じ心境だったが、1&2どちらもオープニングでストーリーのダイジェストやSWORD地区の成り立ち、キャラクター紹介をある程度見せてくれる安心設計になっている。もちろんシリーズをチェックしておくに越したことはないが、本作から飛び込んでも追いかけていけるはず。そもそもキャラクターが多いだけでストーリーは至ってシンプルなので、鑑賞中に脳内補正が効いて物語を理解していけるはずだ。

ターミネーター源治、登場。

さて、結論から言うと『HiGH&LOW THE MOVIE2/END OF SKY』では邦画アクションとして最高水準のものを堪能することが出来た。

(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会

1つ前のスピンオフ作品『HiGH&LOW THE RED RAIN』がガンアクションであったのに対し、本作は1作目同様「拳で白黒着けようや」スタイルを踏襲しているのだが、面白いのは前半でRED RAINのアクションを回収して見せていることだ。

シリーズのリーダー的存在である琥珀さん(AKIRA)と九十九(青柳翔)、それにアニキ的存在の雨宮兄弟(TAKAHIRO&登坂広臣)が機密情報の入ったUSBを巡るアクションを担っているが、ここに絡んでくる新たな敵キャラが小林直己演じる源治だ。

(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会

この源治、本シリーズの黒幕・九龍グループがUSB奪還のために差し向けた刺客なのだが、その存在はもはや化け物である。

例えるなら『ターミネーター』のシュワちゃんだ。特殊な日本刀を持った、シュワちゃん。あるいは『ロボコップ3』に登場したムキムキニンジャロボ・オートモか。いずれにせよ本当にロボットにでもなりきったような無表情で迫りくる源治は抜群の存在感を放つ。琥珀さんが繰り出す拳をものともせず、高所から落ちても無傷のボディー。その割に空中蹴りや走行中の車から車へと飛び移る身のこなし。ただひたすらに琥珀さんたちを追い続ける源治の姿はもはや悪夢的。泣く子も黙る源治さん、無敵である。

(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会

そんな前半戦のアクションは怒涛の如きカーチェイスが1番の見せ場であり、見応えがある。構図やカメラアングル、クラッシュシーンなどはマイケル・ベイのカーチェイスや近年のアメコミ映画に見られるようなアクロバティックアクションへのリスペクトを感じさせつつ、それが白々しく見えることはない。しっかり“ハイローアクション”として昇華させて、その勢いを見せてくれる。前半のこの山場だけでもハリウッドアクション映画を1本鑑賞したような気分になれるので、「邦画アクションのレベルなんてしれてるでしょ?」なんて思っている映画ファンこそ観てほしい。トライしてみる価値は十分ある筈だ。

拳で語り合うのがSWORDだぜ

前半でいきなりぶっ飛んだアクションを見せてくれる本作だが、それで息切れしてしまうようなタマではない。前半のアクションを琥珀さんたちが担ったのならば、後半戦は当然SWORD地区の面々が雄叫びを上げる番だ。

(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会

そもそも“SWORD”とは、とある街の一角で縄張りを張る山王連合会・White Rascals・鬼邪高校・RUDE BOYS・達磨一家の頭文字を取ったもので、言わばライバル関係に当たる。しかしながら、簡単に纏めるとさまざまな「すったもんだ」を経て(この辺りがドラマ版で描かれている)、共存意識も芽生えた各地区が揃って共闘も見せる(この辺りが映画1作目で描かれている)ところに「少年ジャンプ」的な熱さを感じさせ、全体的なアクションが常に進化しているところにシリーズの魅力がある。決して「前作と同じクオリティ」になることを許さないその気迫と熱量が、キャストだけでなく製作陣からもひしひしと伝わってくる。

例えばパルクールアクションを得意とするRUDE BOYSの戦法は、より空間を活かして華麗さを増しており、それを実現させたのもPOV視点を取り入れるなどパルクールを収めるための計算づくのカメラワークあってのこと。

ラストバトルでは、美術部門のビジュアルが冴える廃止駅構内での“拳がモノを言う”正統的な喧嘩勝負になるが、今回SWORDチームと敵対する“DOUBT・プリズンギャング連合軍”に加えて“MIGHTY WARRIORS”までも参戦してくるため、1作目以上の大人数喧嘩バトルが繰り広げられることに。構内を目一杯に使った壮絶な喧嘩バトルの全体像をロングショットで見せつつ、山王リーダー・コブラ(岩田剛典)vs監獄の王者ジェシー(NAOTO)、White Rascalsリーダー・ロッキーvs狂犬・蘭丸といったようにピンポイントバトルもきっちりと映し出していく。

(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会

その戦闘スタイルはチームそれぞれだが、空中膝蹴りなど肘系・膝系の肉弾戦は「マッハ!」シリーズや『ドラゴン×マッハ!!』でお馴染みトニー・ジャーのムエタイアクションを彷彿とさせる。また、徒手拳や足技の数々はデタラメに繰り出されるのではなくしっかりとアクションコーディネートされたものなので、ドニー・イェンが見せるような総合格闘技系のスタイルや香港カンフー、『キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー』でキャップが見せるようなマーシャルアーツが好きな人は必ずや満足できる筈。

そんなラストバトルが延々と続くのだ。くどいようだが「でもやっぱり邦画のアクションレベルは知れているでしょ」なんて思っている映画ファンは、本当に、本当にその腰を上げて欲しい。邦画の最高水準ということは、邦画の領域を突破している証明に他ならないのだから。

まとめ

未来ある若者たちが殴り合い血を流す姿は何とも痛々しいが、このシリーズはその先にある人間性や反目しあいながらも“助け合う”ことの尊さをしっかりと描いているところにドラマがある。

「今日の敵と書いて明日の友と読む」なんてクサい言葉に通じる部分もあるかもしれないが、本作を機にさかのぼる形でSWORDの成り立ちを理解しても遅くはないはずだ。映画はいよいよ最終章となる『HiGH&LOW THE MOVIE3/THE FINAL MISSION』へと引き継がれていく。もともとはシリーズ2作目、3作目は一つの作品だったっが、そのボリュームから2部作公開という形を取った経緯がある。

HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION 第1弾ポスタービジュアル

(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会

3作目である『HiGH&LOW THE MOVIE3/THE FINAL MISSION』の公開は11月11日。それまでに、ぜひとも本作「END OF SKY」を劇場でチェックしてから挑んでほしい。

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(文:葦見川和哉)

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