高橋一生、菅田将暉…『おんな城主 直虎』を男たちから振り返る

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1年間にわたって放送される大河ドラマ。その幕が閉じる時期が近づいてきました。

2017年放映の『おんな城主 直虎』は、戦国時代、女だてらに国の城主となった井伊直虎(柴咲コウ)が国を守ろうとする生き様を描いた物語となりましたが、同時に直虎のそばで彼女を支えた男たちのドラマでもありました。

今週の「シネマズ女子部」では、『おんな城主 直虎』の“起承転結”を司った男たちの軌跡を振り返ってみたいと思います。

『おんな城主 直虎』“起”の男…井伊直親(三浦春馬)

Letters―三浦春馬写真集

直虎の幼なじみであり、許嫁でもあった直親。父が謀反の疑いで殺されたことで信州へと落ちのび、その身を隠します。その後、彼は成人して井伊谷に戻り、直虎と一緒になることを望みますが、直虎は出家した後であり、井伊家の今後のこと考えた彼女は直親との婚姻をあきらめます。

直親は、当主・直盛(杉本哲太)亡き後、井伊家の中心的人物となっていきますが、松平との内通を今川に疑われ、駿府を訪れる途中、殺されてしまいます。そして、愛する直親を失った直虎は彼の後を継いで井伊家の当主となるのです。

子供時代も大人になってからも直虎にとっての希望であった直親。演じたのは映画『君に届け』などでもさわやかな魅力を発揮していた三浦春馬さん。

12話でこの世を去り、序盤のみの登場でしたが、その明るさとりりしさで井伊家に光をもたらした彼の姿は、多くのファンの心に残ったことでしょう。

『おんな城主 直虎』“承”の男…小野但馬守政次(高橋一生)

NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」 緊急特盤 鶴のうた

直親の死後、家督を受け継ぎ井伊家の当主となった直虎のそばにいたのは、彼女のもう一人の幼なじみであった小野但馬守政次。

直虎に想いを寄せていた彼ですが、彼女が直親と心を通わせていたこと、父親が井伊家と敵対関係となっていたことから、一線を引いた形で直虎を守ろうとします。

彼がとった策は、自らが憎まれ役となること。井伊家と対立していると見せかけて今川家に近い立場をとり、直虎の盾になろうとするのです。

井伊家を守るために、まっすぐな直虎にはできなかった仕事を担った政次。直親の嫡男・虎松の替え玉とするため、別の子供の首を自ら斬るという非情なことすらやってのけました。そして、政次は直虎と井伊家を庇って徳川家に背いた罪を自らかぶり、彼の心中を察した直虎の槍で身体を貫かれるという壮絶な最期を遂げます。

敵役として冷たい態度をとりながらも、ふとした瞬間に愛おしいものを見るまなざしを直虎に向けることもあった政次。

高橋一生さんは、憂いのある表情から微細な心情が伝わってくる見事な演技力を発揮し、政次はまさにはまり役でした。物語の中盤のもう一人の主役といってよいほどの存在感を示していただけに、彼が去った後、“政次ロス”になった人も多かったのではないでしょうか?

今年は他に『カルテット』『わろてんか』などのドラマにも出演し、一躍人気者となった高橋さん。映画の分野でもさらなる活躍に期待がかかるところで、来春、斎藤工さんがメガホンを取った主演作『blank13』が劇場公開予定です。

『おんな城主 直虎』“転”の男…龍雲丸(柳楽優弥)

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直親も政次もこの世を去り、井伊家を取り潰されてしまった直虎を支えたのは、流れ者たちの盗賊団・龍雲党の頭(かしら)をつとめる青年・龍雲丸でした。

井伊谷で偶然直虎と巡りあい、彼女に惹かれて何かと協力するようになる龍雲丸。直虎が政次を失った少し前に彼もまた仲間たちを失い、大切なものをなくした二人はともに暮らし始めます。

井伊家の復興をあきらめ、帰農して暮らすことに安らぎを覚えていく直虎。龍雲丸のもとに堺へ行く話が来たとき、自分も彼と一緒に違う世界を見てみたいとともに行くことを承諾します。

しかし、直虎を想う龍雲丸にはわかっていました。直虎が井伊谷を離れることなどできないことを。だからこそ、彼は出発する寸前に彼女を置いて、一人旅立っていきます。

縛られることを嫌い、空を流れる雲のように自由に生きる龍雲丸を演じたのは、近年、『ディストラクション・ベイビーズ』や『銀魂』などで、ワイルドにクールに魅せる大人の俳優に成長した柳楽優弥さん。

盗賊らしい野性味と実は武家の子であるという品格を兼ね備えた若者を、しなやかで颯爽とした姿で演じてみせ、中盤から後半にかけて物語を盛り上げてくれました。

『おんな城主 直虎』“結”の男…井伊万千代(菅田将暉)

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物語の佳境、直虎をめぐる最後の男として登場したのは、直親の忘れ形見・虎松こと井伊万千代でした。

利発で生意気な少年に成長した万千代。井伊家の再興を夢見て、徳川家に士官する際、自ら井伊の性を名乗りますが、それゆえに小姓から草履番に格下げ。井伊を名乗らなければ、小姓として使えてもよいという家康に対し、万千代は「日本一の草履番を目指す」と宣言。

以降、井伊家にこだわる彼の出世物語が始まり、万千代はドラマの中心人物となっていきます。直虎は彼を案じ、陰ながら支える役回りに一歩交代。井伊家復興の希望は若き侍・万千代へと受け継がれていきました。

井伊家の未来を任された万千代を演じているのは菅田将暉さんは、やんちゃでひたむきな少年を非常にエネルギッシュかつ表情豊かに演じて、終盤のドラマで目が離せない存在に。たびたび見せる“変顔”もネットで話題を呼びました。

菅田さんは映画の分野でも『帝一の國』『火花』など主演映画が何本も公開され、大活躍の年になりました。

『おんな城主 直虎』に登場した魅力的な男性キャストたち

おんな城主 直虎 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

2016年大ヒットした『真田丸』の後を受けて始まった『おんな城主 直虎』。

『真田丸』と同じく戦国時代を舞台に国を守るために戦った武家の物語ですが、策略を用いて相手に一泡吹かせることを楽しんでいたような真田家とは対象的に描かれています。井伊家は、お家と民のために戦わぬ道を進もうと真剣であり、土地を守るために悩み続けた直虎とそれを支える者たちのドラマには、『真田丸』とはまた違う味わい深さと見応えがありました。

ここまで紹介してきた直虎をめぐる4人の男たちとは別に、ドラマの初回から直虎を支えてきた思慮深さとしたたかさをあわせもつ南渓和尚の存在もとても大きく、ベテラン・小林薫さんは、さすがのしなやかで深みのある演技で物語を支える柱となっていました。

さらに、直虎の親友・瀬名(菜々緒)の夫であり、いつしか直虎と戦いの世をなくす志を通わせていく徳川家康を演じた阿部サダヲさんの演技も忘れられません。戦を好まぬ“弱虫”、しかし、誰よりも思慮深く慎重にことをすすめていく従来とはまた一味ちがうイメージの家康を作り上げたといえるでしょう。

最後に『直虎』を盛り上げたといえば、この方も忘れてはなりません。ナレーションをつとめた中村梅雀さん。味わいのある語り口調とドラマの終わりの毎回雰囲気が異なる「つづく」の口上で、視聴者を楽しませてくれました。

『おんな城主直虎』は、2017年12月17日(日)に最終回を迎えます。直虎と彼女を支えた男たちが守ろうとしてきた井伊家の行く末はいかに? 最後までぜひ見守っていきましょう!

(文:田下愛)

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    ライタープロフィール

    田下愛

    田下愛

    フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなして活動中。ファンタジー映画が大好物で、『オズの魔法使い』『ナルニア国物語』『アリス・イン・ワンダーランド』など、魔法やおとぎの国を扱った作品にはすぐ飛びついてしまいますが、一方、『レインマン』のような人間をきっちり描いたドラマも好き。石ノ森章太郎先生をリスペクトする昭和特撮フリークでもあります。

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