『今夜、ロマンス劇場で』から、坂口健太郎の魅力を力説!

2018年2月10日に公開となった映画『今夜、ロマンス劇場で』。綾瀬はるかさん主演、坂口健太郎さん、本田翼さん、北村一輝さんらが出演しています。

今回の「シネマズ女子部」では、映画が大好きで助監督として熱心に働く牧野健司を演じた、坂口健太郎さんをフィーチャーします。

気弱な部分もあるけど愛されキャラ“牧野健司”




(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会


今作で坂口さんは、映画監督になって映画界を盛り上げたいと夢見る牧野健司を演じました。

映画が好きすぎることから助監督として制作会社で働き、息抜きすらも映画鑑賞。なじみのロマンス劇場では特別に古いモノクロ映画を見せてもらっているほどです。

そのモノクロ映画に登場するのが、お姫様・美雪(綾瀬はるか)です。健司が繰り返し見ていたところ、なんと、奇跡が起こって現実世界に美雪が現れました。

映画で見るよりも自由奔放だった美雪に“しもべ”と呼ばれ、こき使われることに時々イラっとしながらも、嫌な顔をせずに一緒に楽しむ姿も。

仕事では失敗も多く、うだつの上がらない助監督ですが、物腰は柔らかく、くしゃっと笑う笑顔が可愛らしく、いつも真っ直ぐな青年です。

健司のあふれる映画愛




(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会


健司が美雪に出会うことができたのは、時間が経つにつれて人々が忘れていった映画を愛したから。

「どんな作品にも良いところはある」とうれしそうに語る姿、フィルムを大切そうに扱う様子、言動のひとつひとつから“映画好き”が溢れています。

劇中には映画の要素がたくさんありますが、鑑賞の際には難しく考える必要はありません。現実世界にやってきた美雪が健司に惹かれるのは「好きを追求する純真さ」を持っていたからです。ひたむきな姿を素敵に感じてしまうことに共感してくれる人も、きっと多いはずです。

一方で、映画好きにはたまらない場所や場面があるのも魅力のひとつ。健司の映画に対する熱心な姿勢に、改めて気づかされることもあるのでは。さらには、綾瀬はるかさんが白黒映画で登場するのもハイセンスで、なによりロマンス劇場が内装、外装ともに素敵でした。

男気に溢れていたとある決断




(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会


おそらく、観客の予想の先を行く展開が待っています。後から考えてみて、たしかに伏線もあったのですが、作品に入り込んでいると「そうきたか」と思わされるストーリーです。

映画の登場人物が現実世界に飛び出してくるなんて、それこそ映画でしかありえないファンタジーなのですが、だからこそ健司の決断はリアルで切実に感じられます。

美雪に先行されがちだった健司が、自らの意思で選んだ人生が最後まで豊かであったことに、観ていて心があたたまりました。ただし、ここは重要な展開になりますので、ぜひ劇場でご覧ください。

これまでの坂口健太郎出演作と比較して




(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会


これまでにも映画『ヒロイン失格』(2015)、『俺物語!!』(2015)、『君と100回目の恋』(2017)、『ナラタージュ』(2017)や、ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(2016/フジ)、「東京タラレバ娘」(2017/日テレ)、「ごめん、愛してる」(2017/TBS)など、恋愛要素のある作品に多数出演されていますが、意外にも純粋なハッピーエンドを迎える役柄は少ない坂口さん。

そういう意味では、今回は100点満点のハッピーエンドと言っていいでしょう! 過去の作品を観て、「どうにか恋が実ってほしい、ハッピーエンドであれ」と願っていた人にもうれしい結末です。

それに加え、どちらかと言えば柔らかい雰囲気のキャラクターを演じることが多かった坂口さん。でも、キャラクターが似過ぎることなくそれぞれに確立されているのは、役柄の雰囲気をつくるのがうまい坂口さんのお芝居あってのことです。

今回演じた健司も、親しみのある人柄ながら、坂口さんのお芝居としては新しい面を見せています。過去の出演作を並べて振り返ってみても、役の大きさに関わらず、似ているようでもそれぞれの違いを覚えている貴重な役者さんです。

笑って泣ける、『今夜、ロマンス劇場で』




(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会


『今夜、ロマンス劇場で』は、ライアン・ゴズリンズ主演の『きみに読む物語』や、『この世界の片隅に』に似た要素を持っていながら、それらとは異なる設定、ストーリー展開で最後の最後、エンドロールまで堪能できる作品になっています。

映像の面ではとくに、色彩の豊かさと華やかさが印象的です。どのカットも絵画のような美しさと鮮やかな色味があり、それはつまり、私たちが生きる実世界への賛美でもあって、作品全体に多幸感が漂います。



(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会


そしてここでは紹介できませんでしたが(坂口くんについて語りすぎました)、北村一輝さんの輝きといったら! 派手ながら完璧に着こなしていた衣装はもちろん、劇中の音楽、ダンス、さらにはクスっと笑えて、「うんうん」とうなずきたくなる名言まで、あらゆる役割を担っていました。

前回、「シネマズ女子部」で紹介した、『羊の木』での北村さんとは似ても似つかぬお芝居で驚きます。そして影の立役者、ロマンス劇場の館主(柄本明)からも目が離せません。

さて、『今夜、ロマンス劇場で』の上映は始まったばかり。ぜひ劇場の大スクリーンで、音響で、映画館でこそ堪能できる時間を!

(文:kamito努)

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