映画コラム

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2017年02月03日

これを観ておくと『ラ・ラ・ランド』がさらに楽しめる!10の映画

これを観ておくと『ラ・ラ・ランド』がさらに楽しめる!10の映画



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2月24日(金)公開の映画『ラ・ラ・ランド』は、『セッション』のデイミアン・チャゼル監督最新作。全米での興行収入は1億ドルを突破、IMDbで8.6点、Rotten Tomatoesで93%、アカデミー賞はなんと歴代最多タイの14ノミネートと、並々ならぬ特大ヒットと高評価を得ている作品です。

本作は往年の名作映画、特にミュージカル映画のオマージュが数多くあることも特徴の1つ。ここでは、「観ておけばさらに『ラ・ラ・ランド』を楽しめる!」な10の映画を紹介します。大きなネタバレはありません。

1:『雨に唄えば』(1952)


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ミュージカルの金字塔と呼ばれる傑作です。その特徴は、何よりも“楽しい!”ということ。体全体を使った軽快なダンスの数々には今でもまったく色褪せない魅力があります。キャラクターそれぞれがキュートで、“サイレント映画に無理やり声を入れようとしたけど、主演女優がひどい声だったので大変!”というストーリーもクスクス笑えて飽きさせません。主題歌をどこかで聞いたことのある人もきっと多いでしょう。

『ラ・ラ・ランド』の劇中では、ライアン・ゴズリングが『雨に唄えば』のとある有名なシーンを少しだけ再現してくれます。『雨に唄えば』が好きな人は「あっ!」と気付けるはずですよ。

2:『バンド・ワゴン』(1953)


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落ち目の俳優が新作の舞台に起用されるも、あまりに現代ばなれした内容が大不評だったので、今度は楽しいショーを実現させるぞ!と奮闘するという物語です。ミュージカルのエンターテインメント性そのものを賛美するストレートな作風なので、親しみやすいでしょう。

観て欲しい理由は、なんといっても中盤の公園でのダンスシーン!歩いているとクルッと回ってダンスに入る動作があまりにも“自然”で、カメラが近づいたり離れたりしながら“一緒に踊る”ような感覚も含めて、ずっと観ていていられるような魅力がありました。

そして、『ラ・ラ・ランド』の海外版ポスターでも使われている、中盤のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンのダンスは、この『バンド・ワゴン』のこのシーンにそっくりなのです!両者を見比べてみると、どれだけデイミアン監督がこの作品を愛しているかがわかるでしょう。

3:『ムーラン・ルージュ』(2001)


ムーラン・ルージュ (字幕版)



最近の映画(と言っても15年前ですが)ではこちらも外せません。特徴を端的に述べるなら“豪華絢爛!”と“超有名曲がたっぷり出てくる!”ということ。ゴージャスすぎる衣装やセットの数々は楽しくって仕方がなく、日本人でも“この曲もこの曲も聞いたことがある!”とうれしくなってしまうでしょう。勘違いから始まり、夢と恋愛のどちらを優先するべきかの選択を迫られるという物語も、時に悲劇的に、時にコミカルに映画を彩ってくれています。

『ラ・ラ・ランド』でどのようなオマージュされているかは秘密にしておきますが、こちらも『ムーラン・ルージュ』が好きな方なら「あっ!」と気付けるはずです。

4:『カサブランカ』(1982)


カサブランカ (字幕版)



ミュージカル映画ではないですが、こちらも『ラ・ラ・ランド』に強い影響を与えている作品です。“恋愛ドラマの中にシビアな現実が顔を出す”という作風や、ジャズが演奏されているカフェ(酒場)が何度も登場することが共通していますし、何より『ラ・ラ・ランド』の劇中ではちょっとだけ『カサブランカ』のワンシーンに触れる一幕もあるのですから。

『カサブランカ』は「君の瞳に乾杯」というセリフがとても有名ですが、“過程”を知っておくとよりそのシーンが感動的になるでしょう。かつて愛し合っていた(今はそうではなくなった)男女の関係がビターに描かれており、特に「お互いにいい話はないようだな」や「いい思い出だけにしておきましょう」というセリフは、なんとも切なくなってしまいました。意外な結末も含めて、ぜひ見届けてほしいです。

5:『マルホランド・ドライブ』(2001)


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こちらもミュージカル映画ではありませんが、観ておくと『ラ・ラ・ランド』の物語がさらに感慨深くなると断言できる1作です。

映画の特徴を端的に表現するのであれば「わけがわからない」ということ。大筋は“女優志望のブロンドの女性が、記憶喪失の美女を助けてあげる”とわかりやすいのですが、時折挟まれる意味深かつ理解不能なシーンの数々、今までの展開をすべて吹き飛ばすような終盤の展開は頭に「???」がいっぱいになるでしょう。

『ラ・ラ・ランド』と『マルホランド・ドライブ』の共通点は“主人公の女性がハリウッドで女優を目指す”のほかにもう1つあるのですが……それはネタバレになるので書けません。“わかりやすい予定調和な映画には飽きた”という方に、ぜひ観てほしいです。

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