映画コラム

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2017年03月28日

『アンフェア the end』のクライマックスを整理してみる

『アンフェア the end』のクライマックスを整理してみる



(C)2015 関西テレビ放送/フジテレビジョン/ジャパン・ミュージックエンターテインメント/東宝/共同テレビジョン



27日夜にフジテレビ系で放送された篠原涼子主演の『アンフェア the end』。私はアンフェアが大好きなので、シネマズに入る前に個人ブログの方で本作の解説(推測含)を書いていました。継ぎ足し継ぎ足しの記事になっていたので、シネマズの方で今回改めて情報を整理してみたいと思います。

※本記事は『アンフェア the end』のクライマックスに言及しております。ご注意ください。

※本記事は筆者が映画公開時に個人ブログに投稿した複数の記事を1つにまとめ、情報を整理したものになります。

示されるべき“2つの結末”


長きに渡って続いてきたアンフェアシリーズにおいて、「これがわからないと終わりと言われても納得できねえよ」的な点が2つあります。

その1:雪平夏見の父親を殺したのは誰か?

その2:雪平夏見が持っている機密データを持って警察組織の不正を暴けるか?


です。

で、その答えは『アンフェア the end』を見ると以下と推測されます。



その1:雪平夏見の父親を殺したのは「実行犯=一条道孝」「指示=村上成明検事総長」
※一条=佐藤浩市、村上成明=オープニングで息子村上克明(山田孝之)と一緒に殺された人






その2:警察組織の不正を内部告発しても潰されるのは目に見えているため、雪平は亡命。ウィキリークスのような世界的に情報を告発する方法で不正の証拠を公にしました。
※映画はフィクションなので、これがウィキリークスかどうかは何とも言えません。




(C)2015 関西テレビ放送/フジテレビジョン/ジャパン・ミュージックエンターテインメント/東宝/共同テレビジョン



“黒幕”は誰か?


アンフェアにおける黒幕とは、“組織”のトップのことですが、これは正直もやもやが残る終わり方でした。一応情報を整理することで結論を導き出してみましょう。

前提条件として「組織のトップ=司法のトップ」になります。劇中では吉田鋼太郎演じる特捜部長がそれに当てはまります。

AKIRAが演じていた武部が黒幕のようにも見えますが、一検察官である武部は組織の一員であり、あくまでも一条や薫ちゃんの上司に過ぎなかったと推測されます。(山田孝之演じる村上の後任ですし)

となると、その上にいる人物=特捜部長(吉田鋼太郎が演じてた)が実際の黒幕と推測されます。

雪平の父を殺すように指示したのは誰か?


雪平の父親を殺したのは佐藤浩市演じる一条。これは映画の中でちゃんと描かれていました。

では、雪平の父を殺すように指示していたのは一体誰だったのでしょうか。

映画の中で雪平の父を殺すように一条へ電話で指示している人物は村上克明(山田孝之)の父である村上成明と考えられます。

正直な所これは“推測”になります。電話の声はどうも今の特捜部長(吉田鋼太郎)ではないと思いました。今の特捜部長より以前に司法のトップとして組織をまとめていたのは誰かと考えると元検事総長であった村上成明と思われます。

映画のシナリオの側面からも推測してみますと、『アンフェア the end』の冒頭で村上克明(山田孝之)と共に殺害されたエピソードが挿入されていることからも、何かしらで組織に関わっていたということを示唆しているのではと思いました。

殺害された理由は息子がヘマをして(『アンフェア the answer』の映画を内容)、その責任を負わされたのではないかと思います。

いったん整理してみる


ということで、諸々を整理していきますと、



・雪平の父親を殺害したのは一条(佐藤浩市)

・一条に雪平父の殺害を指示したのは当時の司法のトップである村上成明

・今の黒幕は特捜部長(吉田鋼太郎)




となります。

※あくまでも筆者の推測です。



薫ちゃん、山路、小久保、一条の最終的な立ち位置を整理する


雪平の周りにいた4人の人物の真実の立ち位置を整理してみましょう。

薫ちゃん
=前作『アンフェア the answer』において“組織側”の人間であることがわかり、薫ちゃんは裏切り者と思われていました。しかし実際は「雪平夏見を守るために組織の人間になっていた」というのが最終立ち位置。つまり、組織に忠誠を尽くすふりをしてギリギリのところで常に雪平夏見を守ろうとしてきたわけです。殺されてしまいましたが…。

山路
=元恋人の蓮見が半分裏切り行為には及んだものの、山路は完全に普通の警察官で白。『アンフェア the movie』では人質事件の現場に着くなり「パーティータイム」など怪しい発言もしていましたが、おそらく「よし、仕事するぞ」的な意味でしか無かったと推測されます。

小久保
=小久保も完全に普通の警察官。出世欲が半端無いため雪平夏見の天敵とも思われましたが、「組織」には一切関係ありませんでした。最後は「組織」の圧力にも屈せず山路と共に雪平を助けましたね。

一条
=一条はかなり複雑。まず「組織側」の人間であることは確定。上司の命令で雪平の父親を殺しました。その後は雪平夏見の監視をしていましたが、北海道で恋人関係になった辺りから薫ちゃんと同じで彼女に情が湧いたと推測されます。一条は雪平の大切な人間を3人も殺害しました。雪平の父親、元旦那の佐藤和夫、そして薫ちゃん。これは雪平を悲しませる行為ですが、雪平を助けるためには致し方なかったのでしょう。雪平の娘の美央ちゃんを殺さなかったのは雪平の最後の味方である彼女は殺せないと情が湧いたからと推測されます。最後は愛ゆえに命懸けで雪平を守って自分は死亡という何とも…。

『アンフェア the movie』の斎木と後藤についても整理してみる


アンフェアシリーズの映画化第1弾の『アンフェア the movie』。ここに登場した斎木(江口洋介)と後藤(椎名桔平)についても考察してみましょう。

ざっくり言えば「二人とも組織側ではなく雪平と同じ志で警察を根底から変えようとした人物」になります。「組織」の不正を暴くために立てこもり事件を引き起こし、機密データを盗み出したのです。

最終的に斎木だけ生き残ったのは後藤ら実行犯に全ての罪を擦り付けることで、自ら機密データを持って警察を変えようとしたためです。言うならば、斎木と雪平が最初から組めていればすんなりと「組織」の不正は明るみになっていたかもしれないという…。

ちなみにラストで斎木は射殺されましたが、この実行犯は派手なベストが一瞬見えたので薫ちゃんで確定。薫ちゃんが斎木を殺した理由は定かではありませんが、遠目から斎木と雪平を見ていたため雪平の命が危ないと推測(勘違い)して斎木を射殺したのかもしれません。

最初から雪平と薫ちゃんと斎木が組めてれば・・・とか思ったらキリがないのでやめておきます。

まとめ


という感じで、アンフェアシリーズ、映画の第1弾まで遡って情報を整理してみました。

こちらはあくまでも筆者の推測の域を抜けてはおりません。複雑に絡み合った人間関係のアンフェアシリーズを頭の中で綺麗に納得させてみたという感じです。

「いや、ここはこうだ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、様々な情報を整理したこの記事をベースに、そういった推測も楽しんで頂けたら嬉しいです。

※こちらの記事は筆者が映画公開時に個人ブログに投稿した複数の記事を1つにまとめ、情報を整理したものになります。

(文:柳下修平)

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