「リーガルV」いよいよ最終回! 最後だけでも観てほしいその理由

(c)テレビ朝日

米倉涼子が型破りな元弁護士を演じるテレビ朝日系のドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』。これまで放送された8週すべてで平均視聴率2ケタ超えを記録している人気ドラマも、いよいよ12月13日の放送で最終回を迎える。『ドクターX ~外科医・大門未知子~』でヒットを飛ばした米倉が、自ら「新しい挑戦」を制作側に求めて実現したという今回の“次世代リーガルドラマ”。今回は最終回を楽しむために、復習も兼ねてドラマが持つ魅力を徹底的に紹介していきたい。

ドラマの全体像を再チェック!

まずタイトルにも名前が含まれている主人公・小鳥遊翔子は、初登場の段階から肩書が“元”弁護士だった。彼女はある理由から弁護士資格を剥奪されていて、その陰には何やら黒い噂も持つなど、最初から“グレーなヒロイン”という立ち位置にいたのが特徴だ。そんな彼女が第1話の冒頭で接触を図ったのが林遣都演じる若手弁護士・青島で、自ら抱えていた案件で思い悩んでいた青島を翔子は言葉巧みに勧誘して仲間に引き入れる。実は彼女は、大学教授でペーパー弁護士の京極(高橋英樹)もデタラメな言葉で誘い、京極を代表とした「京極法律事務所」を勝手に立ち上げてしまうので、“ヒロイン”よりも“グレー”な面が強調されることになった。

第1話序盤から破天荒なキャラを発揮する翔子だが、彼女が集めたパラリーガル(弁護士の補助員)もまた色濃い経歴の持ち主ばかり。事務所の金庫番を務める理恵(安達祐実)は、かつて1億円を横領して実刑判決を受けた元銀行員。事務員の馬場(荒川良々)は元ストーカーで、翔子とノリの合う茅野(三浦翔平)は現役のホストという、とてもではないがマトモな法律事務所とは思えないメンバーによって形成されているのだ。ところがいざ訴訟依頼が舞い込むと翔子の采配が功を奏して、意外なチームワークを発揮。依頼者の立場に寄り添った裁判を展開して白黒はっきりさせていくことになり、途中から京極の後輩で元検事の弁護士・大鷹(勝村政信)も仲間に加わりつつ、その凸凹感がドラマの魅力にもなっている。

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そんな京極法律事務所の宿敵となるのが、弁護士会会長の天馬(小日向文世)が代表を務める「Felix & Temma法律事務所」だ。同事務所に属する弁護士・海崎(向井理)と白鳥(菜々緒)とは法廷で直接対決する様子も描かれていて、ドラマにありがちな“勝利”だけではない、敗北や時として和解といった展開も描かれてきた。さらに物語を追うごとに翔子がかつてFelix & Temma法律事務所に所属していた過去や、海崎との関係などが徐々に提示されていき、かつて翔子が弁護した受刑者・守屋(寛一郎)による殺人事件が資格剥奪に関係していることも明らかに。ドラマのエピソードは各話独立しつつも、翔子の過去が要所要所で判明していく作りというわけだ。前回の放送(第8話)では守屋の起こした殺人事件が再び掘り下げられる形となり、そのなかで1年前に翔子が情報収集を焦るあまり反社会勢力に金銭を渡して資格剥奪の処分を受けていたことが判明した。

テンポよくライトなノリでも人間味ある物語

ドラマは裁判をメインに扱う内容とあって、翔子たちのもとにはパワハラや遺産相続、傷害・殺人事件といった様々な案件が飛び込んでくる。確かに内容によってはシビアな語り口調となる場面も多いが、全体を俯瞰して見ると翔子の(時として強引な)ポジティブ思考が暗く沈みがちな弁護士物語に軽妙さを与えている部分が大半だ。そんな翔子を演じる米倉の表現力はもちろんのこと、橋本裕志の脚本や菅野祐悟のアップテンポな音楽といった要素が絶妙に絡み合って、決して重苦しくはならない絶妙なバランスを取ってドラマを盛り上げている。「だって私、弁護士資格ないんだもん」がキメ台詞の翔子は裁判には参加できないが、常にアドバイザーという体で情報集めに奔走して解決への糸口を掴んでくる。丁寧に情報を収集し解析することで勝利を呼び込む、活劇にも似た雰囲気を持つドラマとなったのだ。

また、勝利を収める爽快感だけがドラマの見せ場になっているわけではない。軽妙な語り口とはいえドラマもしっかり描き込まれていて、例えば島崎遥香が若き未亡人役でゲスト出演した第4話でも意外な結末が訪れることになった。島崎演じる玲奈は婚姻時間わずか4時間ながら、大企業の会長で夫が残した遺産を相続する権利が発生。そのため会長の息子から婚姻は無効だと訴えられてしまう。高級クラブで働く玲奈はいかにも“遺産目当て”の雰囲気を漂わせ、実際に過去の出来事から会長に対して復讐心を持ち、その計画の中で遺産を狙う目的があった。

ところが裁判で、玲奈が会長の死亡時刻を改竄していた事実が判明。死にゆく会長の手を離すことができず、その結果、婚姻届けを出すタイミングが遅れたために死亡時刻を改竄することになった。会長のそばを離れられなかった彼女の心情から、復讐心を持つ一方で会長を本当に愛していた節も見られ、その気持ちの表れか彼女は裁判後に逮捕されることを見越し翔子に会長の墓参りを依頼している。遺産は相続されなかったものの、会長は玲奈の計画に勘づいていた上で、彼女の望み通りの方法で遺産を託す意思を遺言で表明。会長の思いを知って涙する玲奈の姿に、心を動かされる視聴者も多かった。

ぶっ飛びまくるも愛しいキャラクターたち

登場キャラクターが多いとはいえ、生粋の鉄道オタクである翔子を筆頭にした京極法律事務所の面々に、しっかり個性と見せ場が多い点にも注目したい。翔子から“ポチ”と呼ばれている純粋で真っ直ぐな性格の持ち主である青島は、第1話の段階で抱えていた案件を第5話で無事解決へと導くことができた。そこに至るまでに翔子の“しごき”によって着実な成長を見せ、第5話では翔子をも惑わせる行動を見せることになった。

青島の場合は経歴に犯罪という意味での傷はないが、理恵や馬場は話が違う。理恵はかつて恋人のために横領事件を起こし、結果金を持ち逃げされ自身は服役する身となった。しかし翔子は彼女のずば抜けた経理能力をかって仲間に引き入れ、さらに第7話では婚活詐欺における集団訴訟の原告の1人として理恵が証言台に立つことに。相手側の弁護士・海崎は理恵の犯罪経歴を暴露してまで証言の信憑性を突いてきたが、服役によって過去を清算した理恵は、涙ながらにかつて罪を犯した立場から原告として証言台に立った思いを訴える。理恵の思いは二の足を踏んでいた婚活詐欺被害者たちを動かし、集団訴訟への弾みとなったのだ。

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茅野と組むことが多い馬場だが、彼の持ち味は粘着的なストーカー気質を発揮した調査力にあり、たびたび重要な場面に出くわすこともあった。それでもほかのパラリーガルに比べ成果を上げられずやる気が空回りするときもあったが、第7話の婚活詐欺事件でようやく(偶然が重なったのもあるが)大逆転となる証拠を確保することに成功している。そんな馬場とは対照的に、大きな犯罪歴はなくホストとしての行動力・情報力を持つ茅野は様々な場面で小回りの利いた活躍を見せている。天真爛漫というか天然に近い性格の持ち主だが、情報収集という面では翔子から厚い信頼を得ている部分が大きい。

このように京極法律事務所のメンバーそれぞれの個性が各エピソードに反映され、決して主人公の翔子によるワンマンドラマではないという特徴が浮かび上がってくる。それだけではなく、ライバルであるはずの海崎と白鳥にも見せ場を与えているのだから懐が広い。冷徹な眼差しと論理で相手を封じ込めていく海崎というキャラクターは、近年“悪役”に目覚めた向井理の魅力がしっかりと活かされている。海崎の同僚・白鳥もまた菜々緒の“クールビューティー”がピタリとハマったキャラだが、第7話のラストでは意外な行動を見せることに。実は彼女自身も婚活詐欺の被害者であり、最後は原告団側の気持ちに立った上で主犯格を一喝。原告団に土下座して謝罪するよう語気を強め、その剣幕に翔子はおろか横にいた海崎が目を丸くして口元を隠すという(キャラ崩壊に近い)リアクションを見せるほどだった。

最終話はどうなる!?

第8話から引き続き、最終話で描かれるのは守屋が起こしたNPO法人職員刺殺事件。かつての裁判で守屋が殺害を認めたため実刑判決が下ったが、第8話で守屋を脅して殺害を実行させた首謀者が発覚。守屋が殺人を犯した罪は変えられないまでも、翔子は減刑と真実の解明を求めて行動を起こす。実刑判決を受け訴えを起こすことのできない守屋に代わって原告を務めるのは、なんと翔子本人。事件の首謀者と何らかの関わりを持つ可能性が高い天馬代表を相手に、弁護士資格を剥奪したことに対して“1円”の損害賠償を求めて民事訴訟を起こし、その法廷の場で真実を明るみにしようという作戦だ。

しかし弁護士界の“ドン”である天馬を相手にした裁判は当然一筋縄ではいかない。京極と理恵が逮捕され、馬場と茅野が病院送りにされるという不測の事態に陥り、翔子は青島・大鷹とともに窮地を迎えてしまう。最終話とあってこれまでにない怒涛の展開となる気配がありありとしているが、気になるのは海崎の動向だ。海崎は何らかの思惑(ドラマでは“野望”と表現されている)を有しているようで、事件の首謀者と天馬の関係を掴んだ海崎は第8話のラストで、翔子に訴えられた天馬に対して被告代理人を買って出ている。口ぶりでは“代表を思ってこそ”といったものだが、天馬を見下ろすその眼差しは実に冷たいものだった。

海崎はなにを企んでいるのか。そのままの展開で行けば法廷で翔子VS海崎が繰り広げられることになる(弁護士資格のない翔子は弁護人として裁判には立てず、これまで証言台に立つこともなかった)が、これがただの“対決”として終わるとは考えにくい。例えば海崎が“下剋上”を狙っているのならば、天馬の信用を失墜させFelix & Temma法律事務所を乗っ取る線が妥当だろう。もしくは──これは海崎に人を救うために弁護士を志した良心があるならという仮定の上でだが、天馬の強引な手法に嫌気がさし弁護士界のトップそのものから退かせようという目論見もあるのではないか。確かにこれまで海崎は裁判に勝つことを目的として京極法律事務所の前に立ちはだかってきたが、それが貪欲なまでの向上心とまでははっきり言えない。もちろん事件の真相が明らかとなり今後の翔子の“元”弁護士という肩書の行く末も気になるところだが、海崎の行動如何によっては、終盤にさらなるドラマが生まれる可能性が高い。

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高視聴率を記録するドラマながら全9話というのももったいないところではあるものの、泣いても笑ってもラスト1話。飛ぶ鳥跡を濁さずですっぱりと『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』という物語は完結するのか、それともこの先も京極法律事務所の物語が続く可能性を残すことになるのか。いまや真っ当なヒロインとなった翔子が迎える結末に注目したい。

(文:葦見川和哉)

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