映画コラム

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2016年02月20日

美容整形したママへの不信感が最悪の悲劇を呼ぶ!映画『グッドナイト・マミー』

美容整形したママへの不信感が最悪の悲劇を呼ぶ!映画『グッドナイト・マミー』

「未体験ゾーンの映画たち2016」で上映中の映画『グッドナイト・マミー』。2014年シッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリを受賞した意欲作で、静かな雰囲気の中、深まる恐怖に目をそらす観客が続出したサイコスリラー。

グッドナイト・マミー


(C)WIEN 2014 ULRICH SEIDL FILM PRODUKTION


そんな“素晴らしい評価”を聞いたら観たくなるというのが人の性。オンライン視聴を利用して、『グッドナイト・マミー』を観ちゃいました!

可愛い双子の少年と、美容整形をしたママ


『グッドナイト・マミー』の主要登場人物は、双子の男の子のエアリスとルーカスと、彼らのママのみ。映画の雰囲気もとても静かで、基本的に3人は湖の畔にある洒落た家にいます。

美容整形をして帰宅したママを出迎えるエアリスとルーカス。ママと一緒に遊ぶのが大好きで、夜にリビングで遊ぶ様子はとても微笑ましく、「どのあたりで、恐怖映画になるのだろう」と疑ってしまうほどです。

様子が変わったママは本当のママなのか?


「まさか美容整形が原因でママが豹変し、双子を襲いだすとか?」と考えていると、ママが双子のひとりしか興味の無いような素振りを見せます。食事を双子のひとり分だけ準備したり、もうひとりに話しかけてはダメよ、など、ちょっとびっくりするシーンが。

存在を無視されているのはルーカスの方で、エアリスとルーカスは急に優しくなくなったママを「本当のママじゃないかもしれない」と疑いだします。

包帯を巻いた女性は実は知らない人で、ママになりすましているのかもしれない。
そこで、双子は目の前にいる女性が自分たちの本当のママなのか、様々な方法で確認していくのです。

衝撃の展開への恐怖と、しんみりする気持ちが入り乱れ


「本当のママはどこだ」と、ママに迫る双子。

息子の信頼を失ったママは、ベッドに拘束されながら「わたしは、本当のママよ」と訴えます。エアリスは、ママの携帯を手に取り、“ルーカスに話しかけない”と復唱させている動画をママに見せ、「ママだったらこんなに酷いことはしない」とポツリ。

なかなかママの所在を白状しないせいか、双子の確認は拷問へとエスカレート。

「本当のママだったら、僕たちの好きな歌を知っているよね」とママに答えさせますが、ママは自分たちの好きな歌を言い当てることができませんでした。

ママは隙をついて家から逃げようするも、双子の罠に嵌り再度拘束。暴走する双子に、ママはエアリスにどうしてルーカスに話しかけないように言ったのか明かしますが、その事実は双子にとって受け入れがたいものでした。そしてついに、双子の拷問は、恐ろしい悲劇を招きます。

家が燃え、脱出する双子


近くのトウモロコシ畑を抜けた先に、彼らのママがいました。やっと一緒になれたと言わんばかりに、観客に微笑みかける3人。

包帯を巻いていた女性は紛れもなく本当のママでしたが、エアリスとルーカスにとってはただの恐ろしい別人。美容整形の“整形前と整形後の矛盾”に迫り、双子という“魂の絆の深さ”が美しくも悲しい映画でした。

「ルーカスに話しかけるな」の真意を知りたい方は、ぜひ『グッドナイト・マミー』を観てくださいね!

以上

(文:Yamazaki)

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