『マンハント』池内博之インタビュー「頂点に上り詰めたい男の気持ちを演じた」

2月9日から公開の映画『マンハント』。かつて高倉健主演で映画化された西村寿行の小説『君よ憤怒の河を渉れ』をジョン・ウー監督が再び映画化した作品で、無実の罪を着せられた弁護士・ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)と孤高の刑事・矢村(福山雅治)が事件の裏に隠れた謎に立ち向かう、白熱のサスペンス・アクション作です。

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今回、シネマズby松竹では、ドゥ・チウが顧問弁護士を務める、天神製薬の社長の後継ぎ・宏を演じた池内博之さんにインタビューしました。

「もともとは、宏の役は存在しなかった」

──今回、演じられた製薬会社の次期社長・酒井宏という男は、野心家でありますが、一方で父・義廣(國村隼)に対する思いなど、内面が垣間見えるところもありましたが、宏の内面についてはどのように考えて演じられたのでしょう?

池内博之(以下、池内):宏は「父親を超えてやろう」「会社を大きくしたい」という、とにかく自分がトップに立ちたい気持ちが強い男ですよね。映画の中では多くは語られていませんが、父親との関わりとか、女性への心情など、いろいろと引きずっているものもある。ただ、彼の持っている頂点に上り詰めたいという気持ちを一番大切にしていたかなとは思います。

──宏は印象的な場面も多い役でしたが、台本を読んで最初にどんな印象をもたれましたか?

池内:実は、もともとは宏の役というのは存在しなかったんです。なので、自分も別の役のつもりで台本を読んでいたんですが、出演が決まった後に、「こういう役を作るので、こちらを演じてもらえないか」ということで酒井の息子の宏の役に決まりました。そもそも最初は存在しない役を演じることになったので、話にどういう関わりを持つかまったくわからないところから始まったんです。

──そうだったんですね。劇中では、宏の存在によって、天神製薬の親子二人の絆のドラマが加わり、作品の深みが増したように思います。

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池内:それは言われましたね。親子愛というものも描きたかったと。

──現場では、ジョン・ウー監督から指示されたことは?

池内:そのシーンごとに指示されたことはあり、動き方などはいろいろと演出していただきました。ただ、ジョン・ウー監督は、役柄の心情の部分は役者に任せるというところがあったので、僕もいろいろと考えながら演じていましたね。

──激しいアクションシーンもありましたが、いかがでしたか?

池内:まさかこんなにたくさんあるとは思っていなかったんです(笑)。心のバランスを崩しながらのアクションシーンでは、監督から「動物的な狂気を」「人が心がおかしくなってしまう感じをもっと出してほしい」といわれた記憶がありますね。

「撮影が終わると畑に行きたくなるんです」

──今回、親子役を演じた國村隼さんとの共演はいかがでしたか?

池内:國村さんとはこれまで何度かご一緒させていただいて、お久しぶりだったんですが、今回は共演シーンが多い役で、一緒に飲みに行く機会も何度かあり、楽しい時間を過ごさせていただきました。

──國村さんとは、お芝居の話などは?

池内:それはあまりなかったですね。それよりも「どこに食事に行こうか」みたいな話をよくしていました。今回、大阪でのロケの後、岡山でも撮影があったので、「終わったらどこに行こうか」「どこの店がおすすめかな」みたいな感じで、一緒に食事に行ったりしていました。福山雅治さんとも今回初めての共演だったんですが、食事の話ばかりしていた気がします(笑)。「大阪王将に行こうと思って」「俺も行きました」とか、大阪王将話で盛り上がっていました。

──ここ数年、海外作品へのご出演も増えて忙しくなっていらっしゃるかと思うのですが、息抜きに楽しんでいることなどはありますか?

池内:野菜作りです。やっている友達からすすめられて、畑を借りてはじめたんですが、撮影が終わると畑に行きたくなるんですね。「虫がついてないかな」とか「草むしりしなきゃ」とか気になってしょうがなくて。そういうことを考えて畑に行って土いじりをしているときは、仕事から離れてすべてを忘れることができて楽しんでいます。

──畑でどんな野菜を作っていらっしゃるんですか?

池内:今は聖護院大根やスナックエンドウ、いちご、にんにく、ラディッシュなどの野菜なんかを作っていますね。

──畑の野菜って、食べきれないほどできてしまうときがありますよね。

池内:できちゃいますね。だから、収穫した野菜はもちろん自分でも食べますが、食べきれないとき、知り合いのお店に「食べてください」と持っていくときもあります。

──2018年が始まったばかりで、本作でも野心家の役を演じていらっしゃるということで、池内さんの今年の野望を教えていただきたいです。

池内:海外作品、日本の作品ともにいい出会いがあればいいなと思います。あとは、僕はヒール役や悪い役、ギラついた役をやることが多いので、それとは真逆の普通の人の役も演じていきたいですね。

──最後に、『シネマズby松竹』読者に向けて、『マンハント』の見どころを教えてください。

池内:自分も見ていて「おおー!」となってしまったぐらい迫力のあるアクションシーンがたくさんあるので、ぜひ楽しんでほしいです。そして、事件の謎を追っていく中で、僕の演じる酒井宏がどう関わっているのか、明らかになっていくのをぜひ観ていただけたらと思います。

──ありがとうございました。

映画『マンハント』は2月9日(金)より、TOHOシネマズ新宿ほか日本公開。

http://gaga.ne.jp/manhunt/

(写真:生熊友博、スタイリスト:Tsuyoshi Kurata、ヘアメイク:UEJI ARiSA、取材・文:田下愛)

<衣装>ブルゾン(参考商品)、ティシャツ(¥12,000)/全てThe Letters(読者お問い合わせ先:The Letters/〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-12-10 1F/Tel 03-6427-0280)

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    ライタープロフィール

    田下愛

    田下愛

    フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなして活動中。ファンタジー映画が大好物で、『オズの魔法使い』『ナルニア国物語』『アリス・イン・ワンダーランド』など、魔法やおとぎの国を扱った作品にはすぐ飛びついてしまいますが、一方、『レインマン』のような人間をきっちり描いたドラマも好き。石ノ森章太郎先生をリスペクトする昭和特撮フリークでもあります。

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