音楽

REGULAR

2016年04月15日

あなたはCD派?ダウンロード派?ほかにも気を付けたい、損をしないサントラの選び方!

あなたはCD派?ダウンロード派?ほかにも気を付けたい、損をしないサントラの選び方!

■「映画音楽の世界」


みなさん、こんにちは。

このコラムにおいてサウンドトラック盤の紹介をたびたび行ってきましたが、実はこのサウンドトラック、通称サントラにもさまざまなタイプのものがあるということ、ご存知でしたか?

サントラの選び方次第では、あなたの求めたものとは違うタイプを選んでしまいかねない意外と複雑なサントラの仕組み。今回の『映画音楽の世界』では、そんなサントラ選びの“コツ”を紹介したいと思います。
みなさんが映画を鑑賞して、「サントラが欲しい」、そう思われたときのサントラ選びの参考にしていただけましたら幸いです。

まずはおさらい。コンピレーション盤、スコア盤の違い


以前の記事で、サントラにはまず二種類の型があることをご紹介しました。それが、劇中で使用された主題歌や挿入歌を収録したコンピレーション盤と、劇伴を収録したスコア盤です。

ここからは実際にタイトルを挙げつつそのパターンを把握してみましょう。

例えばあなたがリドリー・スコット監督の『オデッセイ』を鑑賞して、劇中で大きな役割を果たしていたディスコミュージックが気になったとします。この場合、まず探すのはコンピレーション盤のサントラになりますので、店頭で尋ねる場合あるいはネットで検索する際に、映画で使用された楽曲さえ覚えていればすぐに確認を取ることが出来ます。
逆に、『オデッセイ』の劇伴を気に入った場合はスコア盤を探すことになりますが、ここで調べてみると『オデッセイ』のスコア盤のみの発売はなく、コンピレーション盤との抱き合わせとなったデラックスエディションで入手が可能となっていました。

[amazonjs asin="B01604Z00O" locale="JP" tmpl="Small" title="The Martian: Song and Score"]

極端な例になってしまいますが、では「スコア盤だけで良い」。そういった場合に次なる手立てが「配信版」となります。

配信版の方がお得? ボーナストラックの存在!


配信版とはここ数年で主流となった音楽をデジタルダウンロードする方式で、CDという形に拘らないという方にはこの配信版をお勧めします。
先の『オデッセイ』は配信版でならスコアアルバム単体での購入が可能で、また、曲単位ごとに購入できるのも配信版の特徴でもあります。
https://itun.es/jp/oxen-

実は配信版にはもう一つ、CDとは違いアルバム収録容量を気にしなくて済むという利点があり、これを強みにCDには未収録の曲を配信版でのみ発売する場合があります。

近年の例でいうとジャンキーXL作曲の『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』がそのパターンで、CD版での収録曲数は全17曲。それに対し配信版では26曲とその差は歴然で、もちろん配信版の方が映画で流れた劇伴をより網羅していることになります。CDアルバムとして手元に置いておきたいといった欲求が特になければ、断然配信版を購入したほうが得になります。

[amazonjs asin="B00XIZ7SNQ" locale="JP" tmpl="Small" title="Mad Max: Fury Road - Original Motion Picture Soundtrack (Deluxe Version)"]

また、映画製作の予算を抑えるためにCDプレスを行わず配信版でのみ発売といったケースも増え、新作としてはマイケル・ベイ監督の『13Hours The Secret Soldiers Of Bengazi』が今のところCDでの発表はありません。

https://itun.es/jp/GSniab

「輸入盤」と「国内盤」の違い。選ぶなら?


話をCD版での形式に戻しまして、もう一つ、サントラを購入する際に意識したいのが輸入盤と国内盤の違いです。

輸入盤とはその名の通り海外で発売されたものを輸入、そのまま販売する盤のこと。一方の国内盤は簡単に言えば、輸入盤に日本語訳の歌詞や解説などのブックレット、日本語表記タイトルの帯といった付加価値を与えたものとなります。

音楽が聴ければ良い、という方には輸入盤の方が若干値段が安いのでそちらを(ただしレートの関係で輸入盤は価格が変動しやすいので注意)。歌詞の意味、作曲家や音楽の情報まで知りたいという方には国内盤のブックレットが非常に役立つと思います。

ただし、必ずしも国内盤サントラが発売されるということではなく、たとえ超大作、話題作であっても輸入盤のみの発売という形態がよく見られます。最近ではダニエル・ペンバートン作曲の『スティーヴ・ジョブズ』が素晴らしい出来でしたが、残念ながら国内盤の発売はありませんでした。

[amazonjs asin="B014NSVL52" locale="JP" tmpl="Small" title="Ost: Steve Jobs"]

また、同じシリーズものでも例えば『アベンジャーズ』では、
・1→コンピレーション盤は輸入盤、国内盤ともに発売あり、スコア盤は輸入盤のみ
・エイジ・オブ・ウルトロン→コンピレーション盤発売なし、スコア盤は輸入盤、国内盤ともにあり
といった変則的な形となっていました。つまり、一作目でサントラが発売されなくとも続編は発売されたり、その逆もまた然り、というなかなか映画音楽ファンにとってはスリリングな状況が展開されているのです。

さて、ここまでの情報はもっとも一般的なサントラの発売形態をピックアップしたもので、中にはコンピレーションとスコアが同一CDにまとめられていたり、映画では使われていない、映画の雰囲気に合う歌曲を集めたインスパイア盤というアルバムも存在していますので、もしもサウンドトラック盤を購入しようとお考えならばタイトルだけを見てすぐカゴには入れず、一度収録内容を確認するのが安心の方法だと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

■「映画音楽の世界」の連載をもっと読みたい方は、こちら

(文:葦見川和哉)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!