歌姫が演じる!役者が叫ぶ!歌が主役の映画たち!!

(C)2017「キセキ あの日のソビト」製作委員会

いろいろな歌番組で菅田将暉率いるグリーンボーイズの歌声はお聞きになりましたか?
一切顔出しをしていない覆面バンド(兼現役歯科医師)GReeeeNの軌跡を描いた映画『キセキ-あの日のソビト-』から飛び出した4人組ボーカルユニットです。

ミュージカル映画とは違う意味でこんな『キセキ』の様に歌が物語を紡いでいく映画は結構あります。

歌姫が演じる!

タイヨウのうた
ミュージシャンが歌い手を演じる映画というと、最近の一歩目はYUI主演の『タイヨウのうた』でしょうか?劇中で披露した楽曲YUI=雨音薫名義のGood-bye daysは彼女自身のブレイク作にもなりました。テレビドラマ化もされこちらでも沢尻エリカがKaoruAmane名義でタイヨウのうたを発表し週間一位を記録しました。

同じように映画初でブレイクしたのが『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の大原櫻子でしょう?劇中バンドMUSH&Co名義で「明日も」で歌手デビューも果たし、その後のソロシンガーとしての活動につなげましたね。

ある程度、実績があるシンガーが歌い手として出演しているものの代表作といえば『NANA』二部作ですね。落ちぶれた音楽プロデューサーと奇跡の歌声を持つ少女の出会いのドラマ「傷だらけのラブソング」でヒロインとしてデビューした中島美嘉がトレードマークだったロングヘアーをバッサリと切ってNANAになりきって熱演、NANA starring MIKA NAKASHIMA名義の主題歌「GLAMOUROUS SKAY」。ヒロインのライバルバンドTRAPNESTの持ち歌として伊藤由奈がREIRA starring YUNA ITO名義で発表した劇中歌「ENDLESS STORY」はどちらも大ヒットして“映画の顔”になりました。続編『NANA2』でも各々が同じ名義で楽曲を担当しています。

岩井俊二監督作品『スワロウテイル』での主演のCHARAが率いるバンドYENTOWNBANDが劇中で披露した「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」が実際にCD化されて大ヒットしました。

最新でいえば『君と100回目の恋』。本作で不思議な時間の流れと恋の物語のヒロインをmiwaが演じています。一途な愛をささげ続ける幼馴染(坂口健太郎)と組んだバンドで劇中歌「アイオクリ」を披露しています。物語の中ではこの歌が愛のシンボルになっていて、miwaとともに坂口健太郎もギターをかき鳴らしています。

洋画の代表作といえばホイットニ・ヒューストンの『ボディガード』、ビヨンセの『ドリームガールズ』が日本でもおなじみの作品でしょう。ビョークの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラストシーンはトラウマです。

それと意外と多いのがHIPHOPミュージシャンの半自伝的映画。エミネムの『8マイル』、50セントの『ゲット・リッチ・オア。ダイ・トライン』、ドクター・ドレーやアイス・キューブが自身の若き日を過ごしたグループN.W.Aの栄枯盛衰描いた『ストレイト・アウタ・コンプトン』(アイス・キューブ役は実の息子)がありました。

ストレートな歌モノ映画ではありませんが、歌唱シーンを披露している人にデビット・ボウイ、ウーピー・ゴールドバーグ、フランク・シナトラ、Cocco、など。

役者が叫ぶ!

(C)2017「キセキ あの日のソビト」製作委員会

『キセキ-あの日のソビト-』での菅田将暉の歌声の良さには驚かされましたが、こういう風に役者が劇中で歌い手役として歌い叫ぶ映画も多くあります。

特に女優のチャレンジは多くて『ソラニン』では亡き恋人への思いを込めて宮﨑あおいが熱唱します。『リンダ・リンダ・リンダ』では香椎由宇がリーダとなるブルーハーツのコピーバンドが登場、ボーカルはなんと韓国女優ペ・ドゥナです。

『日々ロック』では野村周平とともに二階堂ふみがトップアイドルとして歌声を披露します。二階堂ふみといえば渋谷すばると共演した『味園ユバース』。どちらも歌うことで“生”を実感する男のそばで独特の存在感を発揮しています。少し先の映画ですが『覆面系ノイズ』では中条あやみが歌唱に奇跡の声の持ち主にチャレンジしています。

その歌唱シーンで賛否が起こった映画『BECK』では水嶋ヒロ、佐藤健、桐谷健太、中村蒼、向井理がバンドメンバーとして登場。『海の声』で紅白歌合戦出場まで果たした桐谷健太は『BECK』『ソラニン』と出演していて、音楽との親和性を感じさせます。

もともとはバンドマンだった陣内孝則が監督した自伝映画『ROCKERS』はそれまで音楽活動歴がほとんどない面々がロックバンドとして熱演しています。『キセキ』のグリーンボーイズ同様劇中バンドが音楽番組にも出演しました。

バンド物でいえば音楽プロデューサー小林武史がメガホンまで取った『BANDAGE』もあります。ここには『ソラニン』の高良健吾が顔を出しています。ほかにも『少年メリケンサック』『アイデン&ティティ』『フィッシュ・ストーリー』などなどバンドはいつの時代も青春の象徴なのかもしれませんね。『デトロイト・メタル・シティ』はカウントしていいのかちょっと悩みますが・・・・。

歌い手&役者のハイブリッド的な映画が沖縄を舞台にした名作『ナヴィの恋』なんていう映画もあります。
洋画でいえば『スクール・オブ・ロック』なんかはストレートにわかりやすい映画でしょう。最近のものでいえば『シング・ストリート』は素敵な映画でした。

プラスα・・・。

ラ・ラ・ランド

(C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

ミュージカルではなくてなどと言っておきながらですが、やっぱり今はこの映画のことはスルーできないでしょう。目下アカデミー賞の大本命作品『ラ・ラ・ランド』若い二人の夢と恋をハリウッドのスタジオミュージカルとロケミュージカル双方にリスペクトを込めながら現代的に仕立て上げました。

なんといっても驚きはこれが映画オリジナルミュージカルということで、映画の公表を経てブロードウェイで舞台化の話が出ているんですが、いつもなら順番逆ですよね。ちなみに監督は超スパルタバンドしごき映画『セッション』と同じ監督です。

(文:村松健太郎)


    ライタープロフィール

    村松健太郎

    村松健太郎

    村松健太郎 脳梗塞と付き合いも10年目に入った映画文筆家。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在NCW配給部にて同制作部作品の配給・宣伝、イベント運営に携わる一方で各種記事を執筆。

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