ピーター・パン誕生の謎を解き明かす 快作『PAN ネバーランド、夢のはじまり』

■「キネマニア共和国」

ピーターパンといえば、ネバーランドに住む永遠の少年として映画などでおなじみの存在ですが、では、彼はどのようにして誕生したのでしょう……。

《キネマニア共和国 レインボー通りの映画街 vol.47》

映画『PAN ネバーランド、夢の始まり』で、その謎が解き明かされます!
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これまでに登場した
ピーター・パンの映画化作品たち

もともとピーター・パンはイギリスの作家ジェームズ・マシュー・バリーの小説『小さな白い鳥』の中に登場したキャラクターで、1904年には彼を主人公にした戯曲『ピーター・パンあるいは大人になりたがらない少年』が公演され、06年には『ケンジントン公園のピーターパン』、11年に『ピーターパンとウェンディ』としてとしてそれぞれ小説化されています。

初めて映画化されたのは24年のサイレント映画『ピーター・パン』ですが、やはり何といっても有名なのは53年のディズニー・アニメーション映画『ピーター・パン』でしょう。後にディズニーは前作のヒロイン少女ウェンディーが大人になり、その子どもたちとピーター・パンが邂逅する続編『ピーターパン2 ネバーランドの秘密』(02)も制作しています。

スティーヴン・スピルバーグ監督は、大人になってしまったピーター・パンを描いた『フック』(91)を発表していますが、子どもの心を持った大人といえば聞こえは良いけど、要は大人になりきれていないだけではないかという“ピーター・パン・シンドローム”“ウェンディ・ジレンマ”といった言葉が、80年代から世を賑わせていたものでした。
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2003年には、最新技術を駆使して実写版『ピーター・パン』が制作、その翌年にはジョニー・デップが原作者バリーに扮し、ピーター・パンのモデルになった少年との交流を描く創作秘話『ネバーランド』(04)が作られています。

こうした流れの中、ではピーター・パンそのものはどのようにして誕生したのか、本作『PAN ネバーランド、夢のはじまり』では、原作に著述されている短いセンテンスなどから創作の翼を広げながら、自由な発想でピーター・パン誕生のエピソードを構築することに見事に成功しています。
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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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