映画コラム

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2017年05月23日

『破裏拳ポリマー』は柳ゆり菜の唇に胸の谷間と、燃える人間ドラマの大傑作!

『破裏拳ポリマー』は柳ゆり菜の唇に胸の谷間と、燃える人間ドラマの大傑作!



(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会


先日の公開記念上映イベントを取材させて頂いた映画『破裏拳ポリマー』が、いよいよ5月13日より全国ロードショー公開された。最高の監督&キャストによる今回の実写化だけに、アニメ版の放送をリアルタイムで見ていた世代にとっては、もはや期待するしか無い作品!

そこで今回は、公開二日目夕方の回でさっそく鑑賞して来た。

ポリマースーツが現実世界の中で浮いてはいないか?他のアニメ実写化作品の様に、役者の演技が妙にハイテンションで浮きまくってないか?正直様々な不安を抱えての鑑賞となった本作だが、果たしてその内容はどうだったのか?

予告編


ストーリー




激増・過激化する組織犯罪に対抗するため、警視庁と防衛省は極秘裏に提携し、重火器の無効化、組織に対する単体での攻撃力、機動力を兼ね備えた特殊装甲スーツを開発した。その名は「ポリマースーツ」。

しかし、軍隊をも破壊できる絶大な力を手にすることを危険視した当時の警視総監は、開発の中止を命令。すでに完成していたポリマースーツもその力を封印した。

数年後、新たに就任した警視総監(神保悟志)の指示によりポリマースーツの開発が再開されるが、テスト版ポリマースーツのうち3体が盗まれ、その強大な力を使った犯罪が頻発する。

盗まれ悪用されるポリマースーツを撃退し取り戻すためには、封印されたオリジナル版かつ完全版である紅きポリマースーツを使うしかない。特定の「声」によるダイアローグコードでその封印を解き、最強のポリマースーツを起動させられる世界でただ一人の人物は誰なのか……。

刑事部長の土岐田(長谷川初範)は、最強拳法・破裏拳の唯一の継承者でありながら元ストリートファイターで今は探偵の鎧武士(溝端淳平)に捜査への協力を求める。実は彼こそ、その「声」を持つ男だったのだ。

大の警察嫌いの武士だったが、ポリマースーツの研究者である稗田玲(原幹恵)の魅力に惹かれ、捜査に協力することになる。相棒は心優しき新米刑事の来間譲一(山田裕貴)、助手は事務所の大家であり“自称・探偵助手”の南波テル(柳ゆり菜)だ。

そんな中、再び事件が起こる。なぜ自分の声がダイアローグコードなのか分からないまま武士はポリマースーツを起動させ、その力を目の当たりにする。捜査が進むにつれ、明らかになる裏切りと過去の秘密。そして、世界をも転覆させる巨大な陰謀。紅きポリマースーツに隠された謎とは?(公式サイトより)





(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会





アニメ版の設定と超絶アクションに負けない、キャスト陣の演技に注目!


実は今回一番心配していたのが、ポリマースーツが登場するアクションシーンと、普通のドラマ部分が調和していないのでは?という点だった。

これは過去に製作されて来た同傾向の作品群が、揃って陥って来た共通の問題であり、いくら坂本浩一監督でも、このハードルを越えるのは難しいのでは?との想いで鑑賞に臨んだのだが……。

しかし、見に行って良かった!何故ならそこには、登場人物たちの未清算の過去への決着と、現在の成長がきちんと描かれていたからだ。

加えて、何故主人公がポリマースーツを起動させられるのか?何故、敵がポリマーを襲って来るのか?などの疑問に対する理由が、充分納得出来る物だった点は、やはり坂本浩一監督の演出力の冴えだと言えるだろう。

本作のアクションの凄さは、予告編やプロモ映像などで確認出来ていたのだが、やはり一番驚いたのは、ドラマパートでの出演キャスト陣の演技の素晴らしさ!

特に一番心配だった、主人公の相棒役の山田裕貴の予想を遥かに超える好演。

更に、主人公を演じる溝端淳平が、ダーティで軽いイメージをちゃんと演じていたこと、出番は少ないが強烈に印象に残る敵バレット・ウォン役の出合正幸の、セリフが殆ど無いにも関わらず観客の心を捉える素晴らしい演技。

そして何より、ラスボスを演じた神保悟志の、単純な悪役には終わらない、その狂気の裏に隠された娘への複雑な感情と愛情は、「仮面ライダーW」の悪役「園咲琉兵衛」に匹敵する名悪役だと言える。

もちろん今回も、坂本浩一作品ファンお待ちかねの「オイルに光る女性アクション&セクシー描写」が盛りだくさん!



(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会




柳ゆり菜のぷるぷる唇と胸の谷間に対する、坂本浩一監督のこだわりに感謝!全男子がそう思わずにいられない大サービス振りはもちろんだが、今回印象に残ったのが、坂本浩一監督作品におけるミューズである、原幹恵の女優としての成長振りだ。

当然、アクションシーンは抜群の安定感と露出度で魅せてくれるのだが、複雑な二面性を持つヒロイン役を見事に演じた、その演技力の高さには正直ちょっと驚いた。

特に後半で見せる彼女の狂気は、対する神保悟志の鬼気迫る演技との相乗効果により、この二人の異常だが深い愛情と関係性を表現していて、悲劇的な展開を更に盛り上げてくれるので、ここは是非お見逃し無く!



(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会



時として女性アクションの見せ場が多い?場合もある坂本浩一監督作品だが、今回は主人公二人の男の友情と、彼らの過去への決着と成長も充分に魅せる!

しかも、坂本浩一監督なら必ずやってくれるはず、そう思っていた「最高のタイミングで流れるオリジナル主題歌」が、ちゃんと今回も実現しているのは見事!

監督自身が乗りに乗って撮影しているのが、観客にも伝わってくるかの様なその出来に、個人的には「運命のガイアメモリ」と並ぶ坂本浩一監督の代表作誕生!との想いで、今回は劇場を後にすることが出来た。

もはや何の心配も無用、子供の頃アニメ版を観ていた大人にこそ是非見て頂きたい作品なので、全力でオススメします!



(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会



最後に


今回の実写化で賢明だったのは、アニメ版のもう一つの見せ場である人間から各マシーン形態への転身を、安易に映像化しなかった点だろう。せっかく108分とコンパクトにまとめた本作で、そこまで描くと確実に駆け足で紹介することになり、何よりせっかく取れている役者の演技とアクション・CG合成の調和が崩れてしまう。

その点今回の実写化では、あくまでも破裏拳ポリマーの誕生秘話と、生身の格闘アクションに重点を置いているので、これだけの内容を詰め込んでもスピーディに展開していて、観客を飽きさせないのは、さすが!

坂本浩一監督の言葉を借りれば、本作はまだプロローグであり、ここから続編へと繋がって行くとのこと。きっと続編では、各マシーン形態への転身も描かれるのだろう。実は、この点の続編への期待は本作の中でも描かれているので、是非劇場でご確認を!

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(文:滝口アキラ)

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