『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』は、『バトルシップ』好きも必見!

© 2016 EUROPACORP – STUDIO BABELSBERG Credit : Reiner Bajo

正月第2弾として現在公開中の映画、『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』。
昨年末から劇場で良く予告編が流れていたので、ご存知の方も多いのでは?

ほぼ無名の俳優揃いの映画ながら、予告編で見せる派手な戦闘シーンで期待大の本作を、今回は公開三日目午前中の回で鑑賞して来た。そのタイトルからはド派手な戦争アクションを連想させる本作だが、果たしてその内容と出来はどうだったのか?

ストーリー

1995年、紛争末期のサラエボ。強引かつ大胆な戦略で敵の将軍を拉致、敵に囲まれたら戦車で大暴走とやりたい放題のマット率いる5人のネイビーシールズ。

そんなシールズの面々に上官のレヴィン少将も手を焼く毎日。そんな中、メンバーの一人が恋に落ちたウェイトレスのララから聞いた、湖に沈んだナチスの金塊・総額3億ドルの話。それさえあれば、戦争に苦しむ避難民を救うことが出来るとララに懇願され、5人はこの金塊奪取作戦に参加することに。

タイムリミットはわずか8時間。敵陣真っただ中にある湖の水深45mの湖底から、重さ27トンの金塊をどう運び出すのか? 彼らのとんでもない奇策とは!? (公式サイトより)

予告編

有名俳優不在の本作だが、実はこんなに面白い!

実は、公開初週の全国週末興行成績ランキング(2018年1月13日〜1月14日)で、『マジンガーZ』に続いて第7位と中々の健闘を見せている本作。

サブタイトル『ナチスの金塊を奪還せよ!』の語感と、歴史に埋もれた事件が時を越えて現代に蘇るという内容から、てっきりクライブ・カッスラーの人気小説を映画化した『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』の様な、冒険アクションと思って鑑賞に臨んだ本作だったが、実はこれが予想外にしっかりした内容!

いや、これはお世辞抜きで面白かった。確かにこの面白さと鑑賞後の爽快感なら、興行成績ランキング入りも納得出来るというもの。

予告編から受けた「アクションが凄そう」という印象は当たっていたが、実はそれだけが見せ場の映画では無かったのだ。

確かに、予告編でも見せたアクションの凄さは、観客の期待を裏切らない。中でも、CGに頼らず実物の戦車を走らせ実際に壊し爆破する、冒頭の戦車アクションの迫力は見事!

この冒頭部分の怒涛の展開で、てっきりミリタリー版『ワイルド・スピード』?あるいはあの名作『バトルシップ』的な、テンション上がりまくりの男祭的戦争アクション映画?と観客に思わせる本作。だが、その後は意外にもシールズのメンバーたちの正義と友情、そして深い人間ドラマが展開するのには驚いた。

原題の『Renegades(裏切り者)』が示す通り、軍の規律や法律に背いてナチスの金塊奪取作戦に挑む、頼れるリーダーのマット以下5人のネイビーシールズたち。

そもそもの発端は、酒場のウェイトレスのララから聞かされた、第二次大戦中にナチスが隠した3億ドルの金塊と彼女の祖父にまつわる過去の忌まわしい事件。戦場と化した祖国の復興のために、この金塊で基金を設立したいという彼女の夢を聞いたチームは、軍の規律と法に背いて金塊の奪取作戦を決行することに。

そう、本作が素晴らしいのは、主人公たちが金塊奪取作戦を実行する動機が、決して個人の損得や欲のためでは無い点!

もちろん3億ドルの金塊の分け前も魅力だが、彼らが軍の規律に背いてまで協力するのは、戦争の犠牲者となる一般市民のために自分達が何もしてやれない、という想いから。そして何より、戦場と化した祖国の未来と戦争犠牲者のための基金を設立しようとするララの尊い意思に心を動かされてのこと。

外見や普段の行動からは、酒と戦闘に明け暮れる粗野でマッチョな男たちの様に見える彼ら。

しかし、その内面には繊細さと優しさ、そして平和への想いと戦争の犠牲者を生み続ける敵への怒りが隠されている。この深いキャラ設定があればこそ、敵陣のド真ん中に眠る金塊奪取に立ち上がる彼らの姿に、観客が感情移入出来て燃えるのだ!

しかも彼らのこの動機により、ラストでJ・K・シモンズが演じる上官が取る粋な計らいが見事に決まる!という素晴らしさ。

© 2016 EUROPACORP – STUDIO BABELSBERG Credit : Reiner Bajo

ただその反面、冒頭の戦車アクションの様なバリバリのアクション映画を期待した方には、残念ながらいまいち評価が低い本作。確かに敵の描写が希薄でザコキャラにしか見えないとか、タイムリミットが迫る緊迫感が足りないなど、マイナス面も見受けられるのも事実。実際、良くある筋肉アクション物なら、派手な戦闘シーンと敵の残虐さを描き、ラストにボスキャラを倒して終わる「勧善懲悪」で押し通したり、サスペンスを盛り上げるために女性キャラや仲間が裏切ったりと、余計な要素が入ってくることが多い。

だが、本作が素晴らしいのは、70年代映画にあった様な「男はあくまでも優しく強く、仲間は絶対に裏切らない」、「上官は部下を信頼し庇う」という、単純かつ基本的なことが守られるている点!

確かに、戦争中に敵地に眠る金塊を盗みに行くという設定は、クリントイーストウッド主演の『戦略大作戦』だし、金塊をどう奪って運び出すか?の工夫とトラブル発生!は『大脱走』を思い出させるなど、往年のアクション映画を連想させる本作。

特に、終盤の水中戦シーンが完全に『007 サンダーボール作戦』へのオマージュだったのには、個人的に大満足だったと言っておこう。

派手なアクションや有名俳優の出演に頼らず、映画自体の面白さで勝負する本作。全力でオススメします!

© 2016 EUROPACORP – STUDIO BABELSBERG Credit : Reiner Bajo

最後に

CG技術の発達により、ド迫力の爆破や破壊、重力を無視したありえない動きがスクリーンに溢れている現在の映画界。

そんな中、時代に逆行するかの様な実物の車両や炎にこだわったアクションと、一見無骨な兵士たちの優しさと騎士道精神を盛り込んだ本作がヒットしているのは、実に興味深いことだ。

『ネイビーシールズ』というタイトルの戦争アクションだから、バリバリ撃ちまくるド派手なアクションの連続!

そんな観客の先入観を見事に覆す深いドラマ性とラストの爽快感こそ、本作が多くの観客を集めてヒットしている理由に他ならない。少なくとも今回自分が鑑賞した劇場では、年輩の男性客ばかりでは無く、カップルや幅広い年齢層の方々が来場されていたのが印象的だった本作。

もしかすると、これからのアクション映画の新たな市場や嗜好として、70年代作品への回帰はトレンドとなるのかも?

自分の様な年代にはどこか懐かしく、現代の若い観客層には逆に新鮮な展開を見せるこの『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』、女性やデートにもオススメの作品なので、是非劇場へ!

(文:滝口アキラ)

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