柳家喬太郎と石井杏奈が“父娘”になるまで…『スプリング、ハズ、カム』

10月26日(月)、第28回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で公式上映された『スプリング、ハズ、カム』。上映後の質疑応答に吉野竜平監督、出演者である落語家の柳家喬太郎さん、石井杏奈さん、朴璐美さん、柳川慶子さん、梅舟惟永さん、内村遥さんらが出席しました。

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「映画、出てぇーっ!」柳家喬太郎さん

『スプリング、ハズ、カム』は、男手ひとつで子供を育ててきた父親(柳家喬太郎)と娘(石井杏奈)の物語。大学入学を機に上京する娘の部屋探しをしながら、親子が一緒に過ごすひとときを描いたハートウォーミングな作品です。

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落語に対する知識は皆無だったという吉野監督。しかし、ふとしたきっかけで聴いた柳家さんのラジオがとても面白く毎週聞くようになり、「この方で何か映画をやったら面白いだろうな」という思いをあたためて、今回の起用にいたりました。

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主役のシングル・ファザーを演じた柳家さん。出演の話を受けた際、「今後、あるかどうかわからないし、経験としてもぜひやらせていただきたいと。もう単純に『映画、出てぇ-っ!』という、それだけです」と、オファーを喜んだことを語りました。

キャッチボールをしながら石井杏奈を口説く?

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父娘役を演じるにあたって、撮影が始まる前から何度もリハーサルを行った柳家さんと石井さん。吉野監督から「親子になれるように、キャッチボールをしよう」という提案があり、一回一回投げるごとに柳家さんをほめる、あるいはけなすというルールが石井さんに課せられたそうです。とても難しかったけれど、それがあったからこそ、石井さんは柳家さんを「お父さんだな」と思えるようになったとのこと。

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リハーサルの終盤、監督から柳家さんに「二人が大学生くらいの年代だってことにして、投げながら石井さんを口説いてください」という難しい指示もありました。これについては、吉野監督いわく「喬太郎さん、もう本当にダメでした(笑)」そうですが、とはいえ、この日「面白かったね」「楽しかったですね」と話す柳家さんと石井さんの二人の姿からは、映画作りにあたって着実に“父娘”になっていったことがうかがえました。

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この作品が初の本格的な映画出演となった柳家さんですが、映画を作る作業で同じシーンを何度も角度を変えて撮影していくのにとても驚いたとのこと。今回、石井さんをおんぶするシーンがあり、「何度もおんぶはつらかったね」と振り返りました。

「映画全体がみんな家族の映画だと思っている」

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落語好きなお客さんから、柳家さんが「キョンキョン師匠」と呼ばれるひとこまもあった質疑応答。最後は、吉野竜平監督と柳家喬太郎さんからのメッセージとともに、締めくくられました。

「親子の部屋探しの一日という本当に地味な映画ですけれど、普遍的なものはあると思っている」(吉野監督)

「思い入れがあるこのチーム、この家族の仲間でいられたことがとにかくうれしく、監督のおかげ。映画全体がみんな家族の映画だと思っています」(柳家さん)

映画『スプリング、ハズ、カム』は2016年に公開予定です。

(取材・文/田下愛)

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