『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア①

カルト化していった
イタリアの便乗映画『スター・クラッシュ』

『スター・ウォーズ』が日本公開される前に、漁夫の利を狙って『惑星大戦争』(77/本当はこのタイトルが『スター・ウォーズ』の邦題になる予定でしたが、ルーカスが“STAR WARS”を世界共通のタイトルにするよう求めたことで、急きょ変更されたのです)、『宇宙からのメッセージ』(78)といったSF邦画が作られたことは以前にも記しましたが、イタリアでも『スター・クラッシュ』(78)なるSF映画が作られました。

こちらは日本でも大ヒットした難病ラブストーリー映画『ラスト・コンサート』(76)のルイジ・コッツィ監督がルイス・コーツ名義で監督したもので、『007私を愛したスパイ』(77)のボンドガール、キャロライン・マンロー扮する宇宙海賊ステラ・スターたちが銀河皇帝の命を受けてく悪の首領の陣地に乗り込むといったスペース・オペラで、ルーカスがこよなく愛する『アルゴ探検隊の大冒険』(63)宇宙版といった声もあります。

日本では劇場未公開のまま、79年に『銀河戦争・宇宙巨大戦艦スターシップSOS』の邦題でTBS系列『月曜ロードショー』にてTV放映され、『スター・ウォーズ』ブ-ムの熱狂冷めやらぬ頃だけに映画ファンは勇んでチャンネルを合わせました。
が、いかにもB級という表記がふさわしい特撮や演出に脱力しながらも、キャロライン・マンローのお色気コスプレ大会とでもいったテイストや(最近は彼女のフィギュアまで発売されています!)、ブルース・リー主演映画『死亡遊戯』(78)そっくりの音楽(どちらも作曲は巨匠ジョン・バリー⁉)が秀逸という、不可思議な映画として当時の映画ファンの心に刻み込まれてしまい、今ではカルト映画と化し、実はシリーズ化もされています。

その『スター・クラッシュ』が2016年陽春、まさかのブルーレイ化が決定!(詳細は以下まで)

http://www.allcinema.net/dvd/starcrash.html

人気ロボット
R2-D2のカメオ出演

シリーズの人気ロボットR2-D2の名前の由来は、ジョージ・ルーカスが『アメリカン・グラフィティ』撮影中、”Reel 2,Dialogue Track 2”という掛け声の短縮形”R2-D2”の響きを妙に気に入っていて、何気なく書き留めていたものを名前として用いたのだそうです。

ちなみにこのR2-D2、映画出演は『スター・ウォーズ』シリーズだけではなく、実は『未知との遭遇』(77)や『スター・トレック』(80)『レイダース 失われたアーク』(81)にもカメオ出演しています。探してみてください。

『スター・ウォーズ』シリーズのジョン・ウィリアムスの音楽は今や映画音楽のスタンダードですが、あのテーマ曲に日本語の歌詞をつけ、アニメソングの名手・子門真人が歌ったレコードが当時発売されています。

ただし、これはきちんと許諾を取っていなかったため、ルーカス・サイドからクレームがつき、レコードは回収されました。

これを幸運にも当時購入し、今も持っている方は、今後決して手放さないほうがいいでしょう⁉

『スター・ウォーズ』日本初公開時の翻訳は、今と少し違っていて、たとえばフォース=理力、レトセーバー=電光剣(もしくは光線剣)、ジェダイ=共和騎士といった感じです。

これはまだシリーズの世界観が見えづらかった時期に訳されたからであり、私などもずっと”May the force be with you”を「理力の守りあれ」と覚えていたくらいです。

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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