「ターミネーター2 3D」が、「ターミネーター2」よりも面白いと感じた理由。

■「役に立たない映画の話」

なぜ、突然のリバイバル公開なのか?

爺 「ターミネーター2」とは、また懐かしい。

先輩 日本公開から、もう27年も経っているんですね。時の経つのが、だんだん早く感じるようになりました。

爺 これからは、あっという間にジジイだぞ(笑)。

先輩 ジジイにそう言われると、説得力がありますね(笑)。

爺 しかし、なんで突然「ターミネーター2」がリバイバルされたんだろう?

先輩 さあ。まあデジタルリマスター化して4Kマスターを作るという、昨今の流れによるものだと解釈していますが、いいじゃないですか。キレイなバージョンが、しかも3Dで見られるのですから。

爺 そらそーだ。確かに今回上映するバージョンは、新作と同等の美しさだったわい。

先輩 3Dというのも昨今あまりアドバンテージがありませんが、この作品に関しては効果的だったと思います。特に液体金属生命体であるT-1000が、この3D化によって気色悪さがアップされた気がします。

爺 ぬるぬるした感じが、よく表現されておったな。

ビバSFX!! アナログ特撮だから、高画質化でリアリティが増す。

先輩 例えばサイバーダイン社でSWATとターミネーターたちが派手に激突するシーンだとか、疾走する自動車の上でのターミネーターとT-1000の格闘とか、今だったらCGで表現するのでしょうが、この時代はまだSFXなんですよね。VFXにもなっていない、いわばアナログ特撮。だからこそ、高画質化してもボロが出ない。ちゃんと物質を作っているからこそ、実在感がある。それをクリーンナップしたことによって、リアリティが増しているようにも感じます。だから僕は今度の「ターミネーター2 3D」は、今まで見た「ターミネーター2」よりも面白かったんですよ。

爺 ジェームズ・キャメロン監督によれば、「ターミネーター2」のCGカットは全部で42だったが、それに対して「アバター」のCGかっとは2800あったそうじゃな。

先輩 それだけ時代が進んだわけですが、さてCGをたくさん使って映画を作ることが良いことなのかどうか。それは今回の「ターミネーター2 3D」を見ると、ちょっと考えてしまいますよね。

爺 いずれはCGやVFXも、古い技術になってしまうのだろうな。テクノロジーは日進月歩だし。

先輩 テクノロジーの進化が早すぎると感じる昨今の危機感も、「ターミネーター2 3D」を今日見て感じたリアリティのひとつです。映画の中の審判の日は1997年8月ですからもう過ぎていますが、もしかしたらそれは避けることが出来たのではなく、別の次元でまだ有効なのかもしれないなあ、なんと考えて見たり。

爺 それだと「ターミネーター3」になっちまうぞ(笑)。

続篇を作られすぎたシリーズだが・・・。

先輩 まだ「ターミネーター3」あたりまでは、前作との整合性にこだわっていたと思いますが、これが「ターミネーター4」や「ターミネーター 新起動〈ジェネシス〉」になってくると、なんだかぐちゃぐちゃになってきて(笑)。1作1作は、それなりに工夫された痕跡があって面白いんですが。

爺 続篇を作られすぎたな。「ターミネーター」シリーズは。

先輩 少なくとも「ターミネーター2」の、あの感動的なラストで終わっていれば、とても余韻のあるシリーズになったんですが、権利が転売されたりで、キャメロン監督が直接関わらない続篇が、まさに続々と出てきた。

爺 でも、TVシリーズの「サラ・コナー・クロニクル」とかは面白かったぞ。

先輩 そうですね。あれは秀逸でした。TVシリーズでなくては、ああいう展開は出来ませんね。

爺 そうすると、「ターミネーター2 3D」の売りは、あの感動をもう一度ってことになるかな?

先輩 いやいや、初公開の時を知らない観客が見ても、驚くんじゃないでしょうか。これだけパワフルでいて、なのに感動させてくれるSFアクション映画はありませんよ。

爺 どっちがスキなんだい?「ターミネーター2 3D」と「ターミネーター2」とでは?

先輩 意地の悪い質問をしますねえ(笑)。そうですね。今、映画館で見るのならば、僕は「ターミネーター2 3D」を選びます。これほどまでに高画質化されたバージョンなのですから、この映画を完璧に堪能出来るのは、やはり映画館の大スクリーンですよ。

爺 8月11日公開だから、これも夏休み映画だしな。

先輩 しかも「ターミネーター」1から3までを上映した、有楽町マリオンの、TOHOシネマズ日劇での上映ですよ。

爺 何というか、こういうリバイバル上映の仕方は、分かっている人が内部にちゃんといる感じだな。

先輩 そう。それは言えますね。やっぱり単なる大ヒット作じゃないんですよ。「ターミネーター2」は。今回それを確信しました。偉大な映画です。

爺 聞けばジェームズ・キャメロン監督は、新たに自身の構想による「ターミネーター」を3部作として製作するそうだから、何年かしたら本家本元による、新しい「ターミネーター」が見られるかもな。

先輩 それは楽しみです。長生きしなくちゃ(笑)。

爺 お互いにな(笑)。

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(企画・文:斉藤守彦)

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    ライタープロフィール

    斉藤守彦

    斉藤守彦

    斉藤守彦(さいとうもりひこ) Morihiko Saitoh 静岡県浜松市出身。映画館、ビデオ会社でのアルバイトを経て、映画業界紙「東京通信」記者 (後に編集長)に。1996年からフリーの映画ジャーナリスト/アナリストとなり、以後多数の劇場用パンフレット、「キネマ旬報」「HiVi」「ザテレビジョン」「日経エンタテインメント!」「宇宙船」「スターログ日本版」「INVITATION」「東京カレンダー」「アニメ!アニメ!」「フィナンシャル・ジャパン」「Pen」などの雑誌・ウェブメディアに寄稿。2007年秋に「日本映画、崩壊 -邦画バブルはこうして終わる-」を、08 年「宮崎アニメは、なぜ当たる -スピルバーグを超えた理由-」、09 年「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」、 10 年に「『踊る大捜査線』は日本映画の何を変えたのか」(共著) を上梓。 他の著書に「図解でわかるコンテンツ・ビジネス」1〜4(共著)、「ソノラマ MOOK/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(構成・執筆) 、電子書籍「日本映画、飛躍と困惑の過去・現在・未来」等があり、ここ数年は「映画宣伝ミラクルワールド」「80年代映画館物語」と、独自の視点による書籍を執筆。2016年3月には新作「映画を知るための教科書 1912−1979」が世に出る。現在、水道橋博士編集長のメールマガジン「メルマ旬報」で「2016年映画館物語」を連載中。また「BOOKSTAND映画部!」で、「映画を待つ間に読んだ、映画の本」と「映画惹句は、言葉のサラダ」の2つの連載を行っている。

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