「100日後に死ぬワニ」が「カメ止め」上田監督でアニメ映画化!制作を担当する新アニメスタジオTIAとは?
2020年、インターネット上で展開され社会現象を巻き起こした、きくちゆうきの四コマ漫画『100日後に死ぬワニ』を原作としたアニメーション映画『100日間生きたワニ』が5月28日に公開されることが発表されました。
監督は、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎と、その妻でありアニメーション作家のふくだみゆきの2人。声の出演には、主人公のワニ役に神木隆之介、ネズミ役を中村倫也、モグラ役に木村昴、ヒロインのセンパイ役を新木優子と豪華キャストが集結しています。
音楽担当は亀田誠治、主題歌を担当するのはいきものがかり。さらに、『宇宙戦艦ヤマト』など数々の名作アニメに携わってきた伝説のアニメーター、湖川友謙がコンテとアニメーションディレクトとして参加することが発表されています。
原作漫画にない、映画オリジナルの展開も用意されているとのこと。制作中に新型コロナウイルス流行に直面したことから、大幅に脚本を書き換えたそうです。
そして、アニメーション制作はTIAという東宝が出資した制作会社が担うことになります。
東宝の新アニメスタジオの第一弾作品
『100日に死ぬワニ』改め『100日間生きたワニ』がまさかの上田慎一郎&ふくだみゆき監督により映画化です。これはかなり意外性のある組み合わせだと思います。予想していた方はあまりいなかったのではないでしょうか。その人選もユニークですが、筆者はアニメーション制作のTIAという新会社に注目しています。
TIAの正式名称は、TOHO INTERACTIVE ANIMATION STUDIOSなのですが、東宝が出資して設立されたアニメーション制作会社です。前身の会社は、ゲーム開発会社の株式会社イルカとCGアニメ専門の株式会社アニマが2017年に設立したアイアンドエー株式会社で、昨年東宝が出資を発表して会社名がTIAとなりました。アニメの他にゲームを制作する能力も持った会社ということです。
TIAの公式サイトには、「CGをはじめとしたデジタル映像を新しい切り口で展開する映像プロダクション」とありますので、『100日間生きたワニ』もCG作品になるのではないかと思われます。
TIAの設立は、東宝は今後、他社が作ったアニメ作品へ出資・配給・公開するだけでなく、積極的に自社でも作っていくという姿勢を打ち出したということでしょう。ゆくゆくは東映アニメーションのような大きな会社にしたいのかもしれません。
その第一弾作品に『100日間生きたワニ』を選んだわけです。本作の成否は、東宝のこれからのアニメ展開を左右することになるかもしれません。このTIAで新規開発したコンテンツは、アニメに限らずゲームなどもリリースしてメディアミックス展開していくことを考えているのだと思います。
また、コンテとアニメーション・ディレクトを務める湖川友謙氏は、78年公開の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の総作画監督や、『伝説巨神イデオン』の作画監督など、名だたる名作を手掛けてきたレジェンド級の人物です。そんな人物が上田&ふくだ監督に新設のスタジオと組むことで、どんな化学反応が起きるのか注目です。
気になる内容ですが、上田監督は新型コロナの影響で脚本を書き換えたと語っています。原作のタイトル「100日後に死ぬ」と未来系の表現でしたが、映画は「100日間生きた」と過去形になっています。公開されたストーリーでも、原作の最後からその後が描かれることが示唆されています。
果たして、この意外な組み合わせからどんな作品が生まれるのでしょうか。続報を期待して待ちましょう。
(文:杉本穂高)
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