『帝一の國』菅田将暉はふんどし姿もすごいんです!

(C)2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 (C)古屋兎丸/集英社

現在公開中の『帝一の國』は菅田将暉をはじめとした豪華な若手キャストの共演で大きな話題を集めています。本編を観たところ、これはキャストのファンのみならず、すべての日本人に観てほしいと思える、素晴らしい“政治エンターテインメント”でした!その魅力を以下に紹介します。少しだけ原作との違いに触れていますが、大きなネタバレはありません!

1.政治って面白いぞ!選挙をとことんエンタメに仕上げた手腕に脱帽!

本作は古屋兎丸による同名マンガを原作としています。その魅力を端的に表すならば、“超濃いキャラたちによる熱血政治物語”という印象でした。

どいつもこいつも良い意味で極端な性格と見た目をしています。たとえば主人公は“夢は総理大臣”という考えうる限り日本で最も高い目標がブレない猪突猛進なキャラ、ライバルとなるのは陰険なメガネキャラ、主人公が忠犬のように従うのは独善的な金髪の美少年と……とてもわかりやすく、登場した瞬間にその特徴を覚えられるでしょう。

その濃〜いキャラたちが繰り広げるのは、“次期生徒会長の選挙活動”です。普通の高校生であれば「誰が生徒会長でも別にいいよ」と思いそうなところですが、主人公を含めたこのキャラたちが、文字通り“命がけ”でその選挙に挑むのです。「そこまでしなくてもいいじゃん!」といい意味でツッコミを入れたくなるくらいのアツさ、過剰さこそが、本作の一番の魅力といってもいいでしょう。

しかも、ただただ暑苦しいなだけではなく、二転三転するスリリングな展開や、選挙で有利になる明確なロジックが満載であることもポイントです。票を獲得するための人心掌握術や派閥争い、勝つためには汚い手段だって使う、その過程こそが“面白い”のです。

客観的に見れば、(大学進学や将来に直結するとはいえ)たかが高校の生徒会長の選挙に命をかけることなどバカバカしいことです。しかし、展開そのものは実にクレバーで洗練されているので、いつしか観客たちはマンガでしかあり得ないような濃いキャラたちに感情移入をし、最後まで選挙の行方にハラハラできるのです。「バカバカしいと思っていたはずなのに、いつしか本気で応援してしまう」って、エンタメとして素晴らしいではありませんか!

しかも、本作で提示された選挙の過程や、見識の相違による対立は決して絵空事ではなく、現実の政治にも当てはまります。「若者が政治に興味がない」と言われる昨今ですが、ただただ「選挙や政治が面白い!」と訴える本作は、現実の私たちが「政治にもうちょっと関心を持ってみようかな?」と思わせるきっかけにもなるでしょう。

繰り返しますが、とにかく本作は「政治って面白い!」ということが「これでもか!」と伝わりまくる最っ高のエンターテインメントなのです。政治に興味がない人にも(むしろそうした人にこそ)、この楽しさを味わってほしい!

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2.原作マンガからの再構成と細かい改変もすごい!新たな感動を見逃すな!

原作は全14巻にもおよぶ長編ということで、当然ながら今回の実写映画化に際してエピソードの取捨選択が行われています。2時間という尺でどのように“再構成”をするか、ということは映画化作品として最も大切なことですが……これもまたほぼ文句なしの出来栄えでした!

選挙の過程は原作を踏襲しながらもよりスピーディーになり、時にはエピソードの順番を入れ替えることで映画としてのダイナミズムも追求され、原作にあった重要なセリフ「井の中の蛙大海を知らず〜」や「行き過ぎた民主主義とは〜」なども“場面を変える”形でしっかり登場します。

何より、原作の主人公の“ある設定”をアレンジし、本作の白眉とも言える新たなサプライズが生まれているのに感動しました!詳しくはネタバレになるので書けないのですが、それは主人公に対して「バッカだな〜お前〜」と鼻で笑っていたはずなのに、「お前……本当にバカだな……バカすぎるよ……ウグッヒグッ(溢れる涙)」となってしまう、泣けて泣けて仕方がないものなのです。ここに至るまでの伏線の張り方も存外に上手く、“バカバカしいと思っていたのに、そのキャラの真剣さを応援してしまう”という『帝一の國』の物語の魅力が極に達する素晴らしいシーンに仕上がっていました。

さらに、ごく細かい部分にも配慮が行き届いています。例えば、主人公とヒロインは“糸電話”で秘密の話し合いをしているのですが、原作にない「なんで糸電話なの?」というツッコミをヒロインにさせていたりするのです。この絵面も実写で観るとかなりバカバカしいので、そこをスルーしないのは偉い!さらに、ヒロインには他にも原作にない“あること”をするのですが、それはこれから観る人のために秘密にしておきます。

他にも、主人公が“外部の入学試験問題”を手に入れるため教師に交渉を持ちかけるも、「競い合ってどうなるんだ?」と諫言をされてしまうのも原作にないシーンです。これに似たセリフは後にも登場し、主人公の成長において重要な意味を持つようになっています。

原作のエッセンスを十分に拾い、かつキャラクターへの深い理解があり、細かい描写を付け加えることで説得力が増し、映画だけの新たな感動も生まれている……マンガの実写映画化として、これは理想的なのではないでしょうか。最近は『ちはやふる』、『青空エール』、『PとJK』、『ReLIFE リライフ』など、原作マンガを本当に愛していることがわかる実写映画化作品が多くて嬉しい!

また、映画だけを観たという方は、ぜひ原作マンガも呼んでみることをオススメします。それぞれのキャラが映画では省かれたエピソードでさらに“深掘り”がされているので、さらに“愛すべき存在”になることでしょう。

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3.キャスト陣がマンガでしかあり得ないようなキャラを熱演!“男キャラ萌え”を堪能しよう!

本作で何よりも宣伝で推されているのは、豪華な若手キャストが一同に集結していること。前述した通り、原作マンガのキャラは良い意味で極端な見た目と性格なので、「実写で再現できるのか?」と不安だったのですが……いやいや、これはもう文句なし!誰もが完璧といえる再現度を見せつけていました。

・菅田将暉……主人公役。原作よりもさらに“頭がいいはずなのに猪突猛進なバカキャラ”っぷりがエスカレートし、登場するたびに笑える。

・志尊淳……主人公の親友役。現実には存在しなさそうな“男ぶりっ子”を見事に表現。あまりに可愛らしかったため、共演者の間宮祥太朗に「いつになったら抱かせてくれるのかと思ってた」と言わしめた。

・竹内涼真……明るく実直な役。作中で一番の“まとも”なキャラなのに、その存在感は他に全く負けていない。

・野村周平……性格がクズなメガネ役。もう立ちふるまいから言動や見た目まで全てがムカつく(褒めています)。

・千葉雄大……理性的で誠実な役。全身から“信頼できる”オーラが漂う上、仲間も大切にしている。

・間宮祥太朗……独裁者のような役。カリスマ性が抜群である一方で、実は弱さを併せ持つ様を熱演。

・永野芽郁……ヒロイン役。とにかく可愛い。それだけで100億点(異論は認めない)。

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何より素晴らしいのは、やはり主演の菅田将暉の体全体を使った“リアクション芸”ですね。

例えば、序盤の“外部の入学試験の結果”に一喜一憂するのは原作よりもさらにオーバーになり、もう言い方やら体のひねり方や落ち込み方やら、(主人公は頭がいいはずなのに)アホらしすぎてゲラゲラと笑えます。よくよく考えればこれは物語上まったく必要のないシーンなのですが、まあ長〜い尺を使って菅田将暉オン・ステージがぶっ続くこと!それでいて、前述したような「競い合ってどうなるんだ?」という諫言も手伝って、その不毛すぎる描写こそが主人公の成長のために実は必要だったのでは?と思えるのも上手いものです。

その他にも、吉田鋼太郎演じる厳格な父とのカラミも面白すぎるし、“顔芸”に至るまで菅田将暉は観客を笑い殺しにかかっています。もう彼のファンだったら是が非でも観なければならないでしょう。

そして、原作からあった“友情をちょっと超えてラブラブに見える男同士の愛情”という描写もしっかり存在し、作中ではいくつもの“カップリング”があることも見逃せません。特に菅田将暉と志尊淳のカップルには、ある意味で永野芽郁演じるヒロインへの想いを超えるほどの愛情が見えましたよ!

さらにさらに、劇中では“ふんどし+上半身裸”という姿で太鼓をぶっ叩くという最高のファンサービスもあります!

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菅田将暉と間宮祥太朗の肉体美が素晴らしいこと!しかも、その後に彼らは学園祭を練り歩くシーンで、ふんどしを締めた綺麗な尻を思いっきり見せつけてくれる(笑)!これもまた物語上は必要ないシーンなのですが、やってくれてよかった!

キャストのファンの女の子だけに、この“男キャラ萌え”を独占させておくのはもったいない!男性もぜひ観て、あわよくば新しい扉を開けてしまいましょう!

おまけ.『ライチ☆光クラブ』とのギャップを要チェックだ!

本作『帝一の國』を観た人に原作を読んでもらいたいのはもちろん、映画『ライチ☆光クラブ』もぜひオススメします。
ライチ☆光クラブ

(C)2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会

古屋兎丸によるマンガが原作であること、同性愛のシーンがあること、独裁者のような少年とそれに対抗する勢力がいること、野村周平と間宮祥太朗が出演していることなどが共通しているのです。

何がすごいって、野村周平と間宮祥太朗が、それぞれ『帝一の國』と『ライチ☆光クラブ』で、ほぼ正反対と言えるキャラクターを演じていること!詳しくは書きませんが、“これが本当に同じ人なのか!”とギャップに驚き、若手俳優の演技の幅の広さを思い知ることができるのは間違いないでしょう。

『ライチ☆光クラブ』はR15+指定でエログロが満載、少なからず観る人を選ぶ作品ですが、『帝一の國』と似た精神性と面白さを持つ作品です。ぜひ見比べてみてください!

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(文:ヒナタカ)

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    ヒナタカ

    ヒナタカ 「カゲヒナタの映画レビューブログ」運営中のフリーライター。All Aboutでも映画ガイドとして執筆中。なぜか中高生向けの恋愛映画もよく観ています。

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