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2017年08月22日

『烈車戦隊トッキュウジャー』これぞ東映マジック!ダサい見た目の鉄道ヒーローに熱中【篠宮暁の特撮辞典・第15回】

『烈車戦隊トッキュウジャー』これぞ東映マジック!ダサい見た目の鉄道ヒーローに熱中【篠宮暁の特撮辞典・第15回】

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【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典】

最近まで登場しなかった電車モチーフ


昔はそうでもなかったんですが、90年代あたりから子どもの好きなものを取り入れ、それをモチーフにして制作されてきたスーパー戦隊。多いところでいうと恐竜、忍者、動物、車あたりでしょうか。

そうなんです。意外や意外、子どもが大好きな電車をモチーフにした戦隊はなかったんです。

電車型のロボットが登場したり、山手線の幻を見せて攻撃する技などはあったんですが、スーパー戦隊自体が列車をテーマにすることは、2014年までありませんでした。

満を持して登場した電車のスーパー戦隊、それが『烈車戦隊トッキュウジャー』でした。

正直ダサい…それが良質な作品のポイント


スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 vol.14 烈車戦隊トッキュウジャー (講談社シリーズMOOK)



ビジュアルのインパクトは強烈です。なんてったって、ゴーグル部分に線路がかかってます。

僕の第一印象は、正直言ってダサいと思いました。

しかし、それでより期待値があがりました。なぜかというと、初見のイメージがかっこ悪く見える作品ほど、良質な作品になるという特撮都市伝説があるからです。

そして、その経験を、実際に「トッキュウジャー」以前に何度も体験してました。なので、「トッキュウジャー」は絶対好きな作品になる予感がしました。

さらに、小林靖子さんが脚本を担当されることが判明し、予感は確信に変わりました。

こちらの記事で書いたんですが、僕は小林靖子さんが脚本書くということだけで、その作品の大ファンになってしまう傾向があるんです。

予感は的中。

『烈車戦隊トッキュウジャー』は第1話から、僕を虜にしました。最初はかっこ悪いと思ってたマスクも、回を追うごとにかっこよく見えて行きました。

これは、東映特撮あるあるでして、僕はこの現象のことを“東映マジック”と呼んでいます。

明るい作風なのに、深い悲しみを背負うヒーロー


行って帰ってきた烈車戦隊トッキュウジャー 夢の超トッキュウ7号



電車のヒーローといえば、『仮面ライダー電王』という作品があります。

しかも、「電王」の脚本も小林靖子さんということで、似た感じの作品になるのかな、なんて思ってたんですが、そこは流石の小林靖子さん。きっちり差別化されていて、「電王」とはまた違った良質の特撮作品となってます。

敵は人間の負の感情から作られた“シャドーライン”という、闇で世界を覆い尽くすのを目的とした組織で、トッキュウジャーは闇に覆われようとしてる駅や街を救って、また次の駅へ向かいます。

この、駅というのが「電王」にはなかった要素で、「トッキュウジャー」ならではの魅力につながり、ストーリーの重要な核を担いました。

「トッキュウジャー」は、コメディ作品になるかなと思ってたんですが、第1話のラストに「トッキュウジャー」は死んだも同然という、衝撃的な事実が判明して終わります。

烈車戦隊トッキュウジャー キャラクターソングス シャドーライン



実は「トッキュウジャー」の故郷、昴ヶ浜は“シャドーライン”によって闇に覆われてしまい、地図上から消えたも同然に。そして、トッキュウジャーは5人とも記憶喪失状態にあるんですが、物語が進むにつれて徐々に記憶を取り戻し、なんとか故郷に帰ろうと奮闘します。

作風は明るいのに悲しみを背負ってるあたりが、「トッキュウジャー」の見どころと言えるでしょう。

『烈車戦隊トッキュウジャー』を見てもらえれば、特撮をあまり知らない方でもトキュ別な作品になること間違いなし!

ちなみに、エンディングで日本各地の電車紹介があるんですが、知ってる電車が紹介されるとだいぶテンションあがります。僕は、阪急電車と京阪電車でテンションあがりました。

(文:オジンオズボーン・篠宮暁)

※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです

以前の記事はこちらから

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!

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