特撮ヒーローの影響大! 名作映画に驚愕【篠宮暁の特撮辞典・第60回】

第1話「東京地底の怪要塞」


■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典

世界的大ヒット作に影響を与えた、日本のヒーロー


昨今では長期休暇期間のたびに、仮面ライダーかスーパー戦隊の映画が必ず上映される時代になりました。そのなかにも傑作映画はたくさんあるのですが、それ以外から特撮の魅力を感じることができる作品を紹介したいと思います。

1982年にソリッドでスタイリッシュなヒーロー『宇宙刑事ギャバン』が日本で放映を開始しました。「ギャバン」の魅力は以前書いたコラムをみてもらうとして、今回何が言いたいのかというと、この「ギャバン」がある世界的大ヒット作品に影響を与えていたということです。

ロボコップ (字幕版)



その作品の名は『ロボコップ』。

銀色のメタリックなボディの発想は「ギャバン」からきているのです。

『ロボコップ』の監督、ポール・バーホーベンがギャバンのデザインをした村上克司さんにあらかじめ筋を通したというのは、ファンの間では有名な話です。公式では、デザインだけという感じになっていますが、実際に見てみるとギャバンのみならず、メタルヒーローシリーズのあの場面、この場面だというシーンが結構あります。

世界と日本が融合、斬新な特撮が続々!


パーフェクトジバンだ!



『ロボコップ』の機械的な動きを、さらに東映が逆輸入します。

そしてできたのが、1989年の『機動刑事ジバン』です。ボディから出てくる警察手帳、敵を倒す前にそれをかざし、対バイオロン法という法律を読み上げるジバンは、水戸黄門を感じさせつつも、とても斬新で強烈な印象を与えました。

第46話「映司グリードとWバースとアンクの欲望」



これで終わりかと思いきや、2014年にまた『ロボコップ』が作られたのですが、このデザインが『仮面ライダーオーズ/OOO』に出てきた仮面ライダーバースに似ているのです。実際にモチーフにしたという話は出ていませんが、なんにせよ日本の特撮が世界に影響を与えているというのはファンにとってもうれしいことです。

まだまだ日本の特撮は、ハリウッドに影響を与えています。

パシフィック・リム(吹替版)



2013年の『パシフィック・リム』は日本の特撮に影響を受けている証拠に、作中に出てくる巨大モンスターの名前がカイジューと言います。そうです、怪獣です。日本の特撮のいいところをうまく取り入れ、かつ日本の特撮には見られない設定や映像も作っていて思わず唸らせられました。

特撮俳優たちの原点回帰


イン・ザ・ヒーロー



そんなアメリカ映画もいいのですが、邦画で是非とも見て欲しいのは『イン・ザ・ヒーロー』。

唐沢寿明さんが主演で、特撮ヒーローの中に入ってアクションするスーツアクターがテーマの映画なのですが、最初この映画の話を聞いた特撮ファンはきっと感嘆の声をあげたはず。

なぜなら特撮ファンの間では、唐沢寿明さんがかつて実際にスーツアクターをやられていたことが、語り草になっているからです。『仮面ライダーZX』が、念願のテレビ放映されたスペシャル番組「10号誕生! 仮面ライダー全員集合!!」で、なんとライダーマンのスーツアクターをやられているのです。

その唐沢さんが大俳優になって原点のスーツアクターの映画をやるということで、ファンは口を揃えてこう言ったはず。「おかえりなさい」と。

内容を見ていくと「ここはあのことをモチーフにしているな」とか、「あの人がモデルなのかな」などと思わずニヤニヤしてしまいます。

友・情・表・裏



そして、『仮面ライダーフォーゼ』で主演を務めた福士蒼汰さんも出演。

フォーゼでの役とは違い、めちゃくちゃ嫌な野郎なのですが、唐沢寿明さん演じる渉の指導のおかげで性格も変わっていき、アクションも教わるにつれて上達していきます。そして後半で、福士蒼汰さんの殺陣のシーンがあるのですが、これが本当にかっこいいのです。

唐沢寿明さんと福士蒼汰さんのかっこよさを堪能できる『イン・ザ・ヒーロー』、是非エンドロールまでじっくり見てみてください。エンドロールにはスーツアクター界の有名人の名前がずらりと並び、「どんだけ豪華やねん」と驚愕すること間違いなしです。

(文:オジンオズボーン・篠宮暁)

※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです

以前の記事はこちらから

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!

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