映画コラム

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2016年08月16日

『殿、利息でござる!』をいまの日本人すべてに観て欲しい5つの理由 

『殿、利息でござる!』をいまの日本人すべてに観て欲しい5つの理由 

殿、利息でござる! DVDパッケージ


(C)「殿、利息でござる」製作委員会


『殿、利息でござる!』のブルーレイとDVDが、10月5日(水)より発売となります。ここでは本作の魅力と、全ての日本人に観てほしい理由を上げてみます!

1.実はヒューマニズムに溢れた感動作だった!


劇中では、“殿様に大金を貸し付け、利息を巻き上げる”という、一聞してムチャクチャな計画が持ち出されます。

この計画に様々な“正義”の思想が入り混んでいるというのが物語のミソ。

次々と登場人物の過去や心情が明らかになり、「この人物はこういうことを考えていたのか!」という驚きは、ミステリー映画のような面白さがあるだけでなく、“人を噂や見た目で判断してはならない”という大切なことを教えてくれます。

その問題解決までの過程は、多くの人の琴線に触れるでしょう。クスクス笑えるコメディシーンも多く、本質はヒューマニズムに溢れる人間ドラマという魅力的な作品なのです。

2.当時の事情がとってもわかりやすい!


本作では “江戸時代の庶民にまつわるうんちく”がたっぷり登場します。

例えば、当時は読み書きができる者が半分にも満たなかったため、“口頭での読み聞かせ”で法令を伝えることが重要になっているなど。こうした要素が映像で観られるというのも面白いのです。

嬉しいのは、濱田岳さんのナレーションにより、当時の用語がわかりやすく解説されていること。

しかも、当時の貨幣価値を現在のお金に概算してくれるので、この計画がいかに困難なものであったかを、より簡単に理解できるようになっています。

3.現代にも通じる問題が描かれている!


この映画で何よりも優れていることは、劇中で描かれた問題点が、今の時代にも当てはまるということです。

庶民には重税が課せられ、上の役職にいる者が甘い蜜を吸えるという社会的構図は、どの時代でも、どの場所でも起こりうる普遍的な問題です。人間ドラマを展開しつつ、確かな社会性もある物語なのです。

特に、“借金を背負う個人”ではなく“世の中のしくみの問題点”を指摘する過程、瑛太演じる知恵者が終盤に口にする“本当に偉い者は誰か”ということを聞いて、共感する人は多いでしょう。

また、お上にこの問題を訴えたのは、社会的な地位がある者ではなく、あくまで苦しんでいる仲間や家族を大切に思っている庶民でした。

この映画が訴えていることは、ここにあるのでしょう。世の中を変えることができるのは、政治家だけでなく、実際にその場所で生活をしている庶民その人たちであると—。

この映画を観れば、日本人の誰もが、現実にある社会的な問題を考えるきっかけになるはずです。

4.長く苦しい戦いであるからでこそ、意味がある!


本作で注意しておくことは、「一発大逆転!」な痛快な作品ではないということ。登場人物がやっているのは、“地べたを這いつくばってでも、殿様に大金を貸し付けるために銭を集める”という“我慢”がほとんどなのです。

この観る前のイメージとのギャップは、泥くさく地道に金にまつわる計画を立てていた『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を彷彿とさせました。

本作には“実際に政治を動かすためにはここまでの努力が必要である”という説得力があります。我慢に我慢を重ね、長い年月をかけないと、簡単には世の中の問題を解決できない。そのような“重み”を感じるのです。

5.豪華な俳優陣、とくに羽生結弦選手を見逃すな!


本作は豪華な出演者も魅力のひとつ。阿部サダヲ、瑛太、山崎努、妻夫木聡、松田龍平、千葉雄大など、ベテランから人気若手俳優までがたっぷり登場するので、多くの方に訴求できるでしょう。

個人的に特にハマっていたと感じたのは、軽薄すぎるキャラ遠藤寿内を演じた西村雅彦さん。このキャラクターは笑わずには、そして愛さずにはいられません。

そして、フィギュアスケーターの羽生結弦選手の俳優デビューという話題性もあります。実際、しかも、劇中での羽生選手の演技はとても匠で上手。特別な存在感を見せています。彼のファンは、これだけでも必見でしょう。

参考記事:羽生選手の登場シーンの俳優陣の驚きは素だった!?『殿、利息でござる!』ブルーレイ&DVDの特典映像はこれだ!!

まとめ.原作のあとがきも必読!


本作は“実話”ということも重要な意味を持つ作品です。そのことは、磯田道史さんによる原作『無私の日本人』のあとがきを読んでもわかります。

そこには、磯田さんがとある手紙をきっかけとして資料を集めたこと、日本という国の“これから”を危惧していること、尊い人物たちの生涯を今でこそ書かなくてはならないという心情、そして日本という国にある素晴らしい“哲学”などが書かれています。

このあとがきを読んで、自分は資本主義のこの国において、お金を稼ぐことや社会的地位がいかに重要視されても、本当の“大きな人間”は決してそういう人間ではない、ということを改めて思い知らされました。

『殿、利息でござる!』の劇中でも、その“大きな人間”がかつての日本にいて、いかに尊い存在であったかを、たっぷりと描いています。

このような人が多くなれば、この国はもっともっと豊かな国になり、多くの人が幸せになれる……そう思わせてくれるからこそ、この映画は今の日本人すべてに観て欲しいのです。

『殿、利息でござる!』のブルーレイとDVDは、10月5日(水)より発売。

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(文:ヒナタカ)

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