「アッパッパって何ですのん?」寅さんにみる当時の言葉の興味深い世界vol.4

寅さん 寅の巻

どうも。スズキです。

好評を頂いている、映画『寅さん』の時代背景がわかるデータベース『男はつらいよ 寅の巻』から、平成生まれの記者が興味深いものを紹介するシリーズ。今回は『食』を中心にまとめてみました。カップラーメンの箇所には特に注目ですよ。

70年代、人気に火がついたカップ麺!今ではバーニャカウダ味も

まずは、第23作(1979年)から。当時、流行り始めたカップラーメンが作品中に登場しています。

カップ麺
エリート人生を捨て、ひとみが住む柴又の近所の工場につとめることにした邦夫。馴れぬ一人暮らしの夕食はカップ麺。今や世界で親しまれているカップ麺は1971年に日本で初めて発売された。お湯を入れて3分で出来るスナック感覚で若者を中心に普及。

第17作『夕焼け小焼け』では、タコ社長がカップの天そばを食べるシーンがあるが、おいちゃんは「何だそれ?」と、その存在をまだ知らなかったようだ。
参照:第23作 男はつらいよ 翔んでる寅次郎|寅の巻全作品データベース

第17作は1976年に公開。当時はまだカップラーメンが今ほど日常的な食べ物ではなかったんですね。ですが、現在はすっかり定着して、バーニャカウダ味などいろんな種類のカップラーメンもありますね。今では海外でも販売されていて、日本の技術力が世界に貢献していると実感できます。

丹前は粋なファッションだ!

こちらは第24作(1979年)から。丹前と呼ばれるファッションが登場します。

丹前
マイケルが茶の間でくつろぐ時に着ているのが浴衣に丹前。丹前とは綿入れした広袖の上着のこと。布地は寅さんが、やはり茶の間で着ているような、派手な縞柄が多く、この模様を丹前縞という。そのルーツは吉原の遊女・勝山が、「丹前風呂」という湯屋につとめていたことから、勝山が着ている着物を丹前と呼び、江戸の遊び人である旗本奴や侠客が、風流を気取って着るようになった。まさしく、粋な寅さんにピッタリ。
参照:第24作 男はつらいよ 寅次郎春の夢|寅の巻全作品データベース

ちなみに、丹前とは以下の画像のようなファッションです。

テレビでも目にするものですね。こうした日本的なファッションも非常に粋だと思います。

「ちゃんぽん」と同義のゴーヤチャンプルー

第25作(1980年)では、意外にもゴーヤチャンプルーが登場しています。

ゴーヤチャンプルー
とらやの茶の間で、沖縄での日々を回想するリリーと寅さん。食卓に上ったリリーの手料理の一つがゴーヤチャンプルー。ゴーヤとは、ウリ科の植物で正式名を蔓茘枝(ツルレイシ)といい、ニガウリとも呼ばれる。チャンプルーとは、野菜や豆腐、卵をいためた沖縄の郷土料理。「混ぜる」という意味で、日本語の「ちゃんぽん」と同源語。
参照:第25作 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花|寅の巻全作品データベース

「チャンプルー」は「混ぜる」という意味だったんですね。しかも、「ちゃんぽん」と同じ意味だったとは。

ゴーヤチャンプルー自体も、朝ドラマ『ちゅらさん』以降、有名になった気がするので、1980年時点で登場していたのも驚きでした。こうした食に関する雑学を学べるのも『寅の巻』の面白いところですね。

アッパッパとは何だろな?

第27作(1981年)では、アッパッパと呼ばれる謎の服装が流行していたことも。

アッパッパ
今回、寅さんが広島県大崎下島豊町で啖呵売をしている”アッパッパ”は、夏に女性が着るワンピースのこと。気軽に着脱できる簡易服として、大正から昭和初期にかけて庶民の間に普及。歩くと裾がパッと広がることから付けられた関西地方の俗語が、全国的に定着。
参照:第27作 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎|寅の巻全作品データベース

アッパッパは、ワンピースのことだったんですね。その由来は非常に直感的で面白いです。確かに、アッパッパの方が呼びやすいかもしれませんね。笑

作務衣は1980年代に定着

第29作(1982年)では、ファッションに関するこんな雑学も。

作務衣
作次郎の弟子、近藤(柄本明)のことを、寅さんは気安く「コンちゃん」と呼び、酒に誘ったりする。近藤が着ている作務衣(さむえ)は、もともと禅宗の僧侶が、作務=労働をするときに着る作業着だった。現在定着している作務衣のスタイルは、1960年代に永平寺で用いられたものがベースとなり、80年代に庶民にも普及した。
参照:第29作 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋|寅の巻全作品データベース

意外にも、作務衣が一般的に普及したのは80年代なんですね。家での作業が多い記者としては、リラックスできる作務衣はぜひとも試してみたいところ。

ヘッドホンステレオがあったからこそ

第31作(1983年)では、今の技術革新に影響を与えている製品が登場します。

ヘッドホンステレオ
「佐渡の休日」から帰って来た寅さんが、はるみの歌のカセットを、柴又電機で購入、店で視聴用に借りた、ヘッドホンステレオ“東芝ウォーキー”を手にしたまま、聞き惚れながら柴又を歩く。1979年に発売されたSONYの“ウォークマン”は、音楽を携帯する、という新しい概念を生み出し、若者文化を一変させた。

80年代、家電メーカーは競って、ヘッドホンステレオを開発、現在のデジタルオーディオ・プレイヤー文化に繋がることとになる。
参照:第31作 男はつらいよ 旅と女と寅次郎|寅の巻全作品データベース

当時の製品開発研究のおかげで、オーディオプレイヤーによってどこでも音楽が聞けるようになったのですね。音楽好きの記者としてはありがたい限りです。

ビフテキ?ビステキ?テキって何?

第33作(1984年)では、ステーキが登場していて『寅の巻』ではその別名の由来が説明されています。

ステーキ
いつも財布が旅先のはずの寅さんが、釧路で風子に奢ったのはステーキ。その後の展開はいつもと同じだが、寅さんのカロリー源は肉料理ならとんかつが多い。ステーキが日本に伝わったのは明治時代になってから。ビフテキも呼ばれるがこの語源はフランス語のbifteck。牛肉はビフテキ、豚肉なトンテキと呼ばれ、テキという言葉が”焼く”という意味で使われている。
参照:第33作 男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎|寅の巻全作品データベース

ビフテキ、トンテキにはこんな意味があったんですね。「テキ=焼く」は明日からドヤ顔で使えそうな雑学ですね。

ちなみに、日本ではビーフステーキを古い略語として『ビステキ』と呼ぶこともあったようです。こちらも覚えておきましょう。
<h2>今も進化し続ける製品を生み出した70~80年代
見てきたように、上記の年代に生まれた製品のベースは形を変えて、今もなお残っています。そして、ベースを元に進化を続けています。例えば、カップラーメンのバーニャカウダ味、オーディオのデジタルプレイヤーのように。

このようにして、偉大な発明品を世に送り出した時代の素晴らしさを感じながら、今回はお別れしたいと思います。

ではまた!

(文・タクスズキ)

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    タクスズキ

    タクスズキ

    これから映画をどんどん見ていきたいと思っている平成生まれ。「木更津キャッツアイ」「なくもんか」などの笑えるクドカン作品が好き。コメディーということで「THE 有頂天ホテル」「ザ・マジックアワー」などの三谷幸喜作品も。他には、青春ものが好きなので「日々ロック」はぜひとも見たいと思っている所。ホラー恐怖症を克服すれば、次のステップに進めるはずと、ここ10年考えている次第。何かオススメの映画があれば、教えて下さい。映画通の方の作品紹介をお待ちしております。

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