第29回東京国際映画祭を振り返り:アニメーション特集「映画監督 細田守の世界」

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チケット発売と同時に即日完売した「作家性の萌芽 1999-2003 (細田守監督短編集)」。
この日上映されたのは、初監督作品「デジモンアドベンチャー」(1999)をはじめ、長編アニメ「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」(2000)、テレビアニメ 「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」の第40話「どれみと魔女をやめた魔女」(02)、「明日のナージャ」オープニング&エンディング映像(03)、短編ア ニメ「村上隆作品 The Creatures From Planet 66 Roppongi Hills Story」「村上隆作品 SUPERFLAT MONOGRAM」(03)の6作品。
本企画のプログラムアドバイザーであり、アニメ・特撮研究家の氷川竜介さんと共にトークを展開するうち、「ちょっと聞いてみたいんですけれども…」と、おもむろに客席に語りかけた細田監督。
「1999年にスクリーンでデジモンを見たことがある人はこの中に、どれくらいいる?」という質問に、会場から複数挙手が。
さらに、「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」についても同じくリアルタイムで観ていた人を尋ねると、やはり多くのファンから手が挙がりました。
その光景に驚愕した細田監督。
「ありがとう!昔会ったちっちゃな子に再会したようで、おじさん嬉しいよ」と、満面の笑顔。

 

 

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実は、このトークショーの本番直前、「17年前の作品をリアルタイムで観てくれた人って、この会場にいるのかなぁ〜」と、密かに話題にしていたんですよ。
「『おジャ魔女どれみ』を見たとき小学2年生で、それからずっと疑問に思っていることがあって…」と質問する女性や「デジモンの最初の作品を見た当時10歳でした」「小学校中学年の時に『ウォーゲーム』を観て以来、ずっとファンです」と話す男性。
アツい想いをダイレクトにぶつけるファンの皆さんに、細田監督も「まるで同窓会みたい」と、喜びを噛み締めてらっしゃいました。
こういった映画制作者と観客の交流は、映画祭ならではの光景。
細田監督とファンの皆さんのキラキラとした笑顔に、私も幸せな気持ちになりました。

 

 

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もうひとつ、同窓会的な雰囲気になったのが『時をかける少女』上映後のトークイベント。
劇場公開から10年、いまも多くのファンの心を掴んではなさない名作です。
「2006年公開当時、映画館でご覧になった人は?」と細田監督が客席に向かって質問すると、観客席のあちらこちらで勢いよく手が挙がります。
「当初はほんの数館で始まった興行。それが大ヒットへとつながったのは、最初に映画館で観てくれた『時かけ』ファンの応援があったからこそ」と、しみじみと語る細田監督でした。

 

 

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また『サマーウォーズ』のトークイベントでは、氷川さんがIT技術と細田作品の関連性について言及したのが面白かったです。
『サマーウォーズ』ではiPhoneを劇中に登場させ、当時最先端だったSNSも取り入れているんですよ。
「恐らく、日本映画でいち早く登場させたのが、『サマーウォーズ』はないか…」というのが、氷川さんの見解。
これについて細田監督は「映画って後に残るものだから、あえて時代を感じさせるものを出さない方法もあると思います。でも映画は現代のものをやっても時代劇をやっても、結局描いているのは“現在”。その時代の気分が反映する。それならば、時代がわかるものを刻印した方が潔いんじゃないかっていう考えもあると思うんです」と、解説。
しかしご本人はアナログな一面もあり…。
「僕はむしろ(SNSなどは)使いこなせていない方。ラインアカウントもないんです」とは、意外!!!

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