『ゾンビランド:ダブルタップ』の見どころは、10年経って進化した新型ゾンビ!

ゾンビが大量発生した世界を、独自のルールで生き延びる人々の姿が新鮮だった、2009年のコメディホラー『ゾンビランド』。

その10年ぶりの続編となる『ゾンビランド:ダブルタップ』が、11月22日から日本でも劇場公開された。

主演の4人が前作から続投するだけに、個人的にも大いに期待して鑑賞に臨んだ本作。

果たして、その内容と出来はどんなものだったのか?

ストーリー

2009年、地球は爆発的なウィルス感染により人類はゾンビと化し、数少ない生き残りのひとりであるコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、「生き残るための32のルール」を作り、仲間のタラハシー(ウディ・ハレルソン)、ウィチタ(エマ・ストーン)、リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)と共に、明るくゾンビ社会を生き抜いていた。
あれから10年。2019年の地球は更に激しくゾンビ化が進み、ヤツらも更なる進化を遂げていた。
新たな仲間も加わり、予想もつかない展開がこのゾンビランドに訪れる!

予告編

10年経って、ゾンビランドはどう変わった?

前作から実に10年ぶりの続編だけに、主人公たちがどうやって生き延びているのか、或いはその後の世界がどうなっているか? など、非常に前作ファンからの期待も大きかった、この『ゾンビランド:ダブルタップ』。

もちろんタイトル部分の派手なゾンビ戦や、ウィチタとリトルロックが車を奪って理想郷を目指す展開など、細かい部分で前作を踏襲してくれているので、前作ファンの方はご安心を!

今回注目なのは、前作で登場した「生き残るための32のルール」が、主人公たちの旅の途中に用意された”ある出会い”によって、更に補完・充実するという展開だろう。この展開によって、実は主人公たち以外にも多くの人々が、独自のルールによって未だに世界中で生き延びていることが観客に提示されることで、後半に登場するバビロンという巨大な理想郷の存在が、観客に受け入れられ易くなるという効果を生むからだ。

更に、銃でゾンビを撃ち殺すという単調な展開を避け、より大規模でビジュアル的にもハデな趣向が用意されている点は、正に前作を愛するファンに向けてのサービス精神に他ならない。

中でも本編中に挿入される、今年のゾンビ殺しオブ・ザ・イヤーで見せる各国の特色を生かした奇抜なゾンビ殺し方法は必見!

もちろんこれ以外にも、気になるコロンバスとウィチタの関係性の変化や、10年経って大人になったリトルロックの恋愛、更にはタラハシーの父性の目覚めやロマンスなど、登場人物が10年経ってどう成長・変化したかの部分もきちんと描かれているので、是非その辺りにもご注目頂ければと思う。

10年経って、ゾンビたちにも変化が?

冒頭のコロンビア映画のタイトル部分の見事なパロディや、前作を踏襲したOPタイトル部分から既にゾンビの脅威が描かれるという、文字通り観客へのサービス精神に溢れた本作。

それは、10年が経過して登場人物たちが成長したように、ゾンビ側にも新型が登場するという展開にも表れているのだ。

例えば、思考型で知能の高い”ホーキング”や、音もなく突然襲って来る”ニンジャ”、そして太りすぎで愚鈍な”ホーマー”など、今回新たに登場する4つの新型ゾンビは、どれもゾンビ映画の定石を取り入れて実によく考えられている。

中でも、突然変異によって不死身のターミネータと化した新種のゾンビ”T-800″が登場することで、ゾンビを避けて安全なコミュニティで暮らしていたバビロンのヒッピーたちにも、”非暴力”からの意識変化が必要とされる展開には、10年ぶりに続編が製作された意味を強く感じたと言っておこう。

最後に

思い返せば、ゾンビが繁殖する以前から孤独に生きてきた主人公たちが、世界が激変する中で他人を信頼することを覚え、擬似家族的コミュニティを形成するという前作の内容は、多くの観客が共感・感情移入できるものだった。

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その点で、10年経った主人公たちの更なる成長や意識の変化を描くこの続編は、「仲間がいなきゃ、ゾンビと変わらない」という、前作のコロンバスのセリフを受け継いだ内容に仕上がっていると言える。

ただその反面、家出したリトルロックを捜して3人が旅をする中で新キャラクターに出会うという展開のため、どうしても車での移動や会話のシーンが多くなってしまい、かなり間延びした印象が強いのも事実。

加えて、せっかく新キャラクターが登場しても、観客への目配せ程度で退場してしまうなど、全員を生かしきれていないのは非常に残念だった。

個人的に気になったのは、酒を飲まずに捨てる行動やマウンテンデューなど、コロンバスの細かい設定は続編でも引き継がれていたのに、何故かタラハシーのトゥインキー問題が完全に忘れられていたことだった。

前作ではあれほどこだわっていた、タラハシーにとってゾンビが繁殖する以前の幸せな記憶の象徴である、大好物のお菓子トゥインキー。賞味期限のあるトゥインキーを、10年が経過してどうやって確保しているのか? せめて何らかの説明は欲しかった、そう思わずにはいられなかった。

これ以外にも、タラハシーのミニバン嫌いや、”マーレイ”の意味など、前作を未見だと楽しみが半減する部分も多いので、出来れば前作を復習してから鑑賞に行かれることをオススメします!

(文:滝口アキラ)

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