灼熱の夜を一気に氷点下へ――“夏ホラー”5選、恐怖の年代記!

金曜映画ナビ

汗がまとわりつく真夏の夜、背筋を凍らせるにはホラー映画がいちばん。
今回は2000年代半ばから最新作2024年まで“珠玉”の国産ホラーを5本ピックアップしました。――スクリーンの闇から伸びてくる冷たい手に、あなたは最後まで目をそらさずにいられるか?


1. 『オトシモノ』

(C)2006「オトシモノ」フィルムパートナーズ

拾ったら最後、“それ”は必ず取り返しに来る――。

地下鉄ホームにひっそり落ちていた定期券やブレスレット。
好奇心で手にした者から順番に“行方不明”になっていく連鎖を、沢尻エリカ×若槻千夏×小栗旬という当時の最旬キャストで疾走感たっぷりに描く J ホラー。

(C)2006「オトシモノ」フィルムパートナーズ

  • 恐怖ポイント
    連続失踪の真相を追う過程で映る「黒服の女」の不気味さ。発車ベルが鳴るたび、暗いトンネルの奥に何かが潜んでいる気配がじわじわ迫る。
  • 真夏向けの冷却度
    “日常アイテム=定期券”という身近さが、電車通学・通勤の帰り道を一気に心霊スポットへ変貌させる。観終わったあと改札を抜ける足取りが思わず早くなる一本。

(C)2006「オトシモノ」フィルムパートナーズ

2. 『怪談』

(C)2007 「怪談」製作委員会

愛が憎悪へ、そして呪縛へ――江戸怪談はこうして生まれ変わった。

円朝落語「真景累ヶ淵」を『リング』の中田秀夫監督が“官能×怨念”で再構築。
尾上菊之助演じる煙草売り・新吉と、黒木瞳の三味線師匠・豊志賀がたどる運命は、美と腐臭を同時にまき散らす血塗られたラブストーリー。

(C)2007 「怪談」製作委員会

  • 恐怖ポイント
    豊志賀の顔に広がる“あの傷”――夜ごと膿み、歪み、やがて呪いの視線となって新吉を追い詰める。ロウソクの揺れる赤い闇がじっとり肌に貼りつく。
  • 真夏向けの冷却度
    浴衣の襟を汗ばませるほど色っぽいのに、次の瞬間には総毛立つ恐怖へ急転。妖艶で背徳的な“湿気系ホラー”を楽しみたい夜に。

(C)2007 「怪談」製作委員会

3. 『シライサン』

(C)2020松竹株式会社

名前を知った瞬間、あなたは標的になる――。

乙一(安達寛高)監督×飯豊まりえ主演。
鈴の音とともに現れる“異様に大きな目”の怪異〈シライサン〉。視線をそらせば眼球破裂→即死!という絶望ルールのスラッシャー系呪いが、観客を壁際まで追い込みます。

(C)2020松竹株式会社

  • 恐怖ポイント
    怪異が見開く“ぱちん”という眼球音と、次のカットで転がる死体の対比。視界の端にチラつくだけで心臓が跳ねる、J ホラー久々の正統派アイコン誕生。
  • 真夏向けの冷却度
    「その名を口にするな」「視線を切るな」という二重の縛りが、肝試し感覚で友だちと鑑賞するのに最適。深夜の廊下ですれ違う人影さえ恐ろしくなるはず。

(C)2020松竹株式会社

4. 『編集霊 deleted』

©2022 ︎north cky

“事故映像”を消せ――さもなくば次の犠牲者は編集室にいる。

心霊カットを“デリート”した瞬間から始まる連続惨殺。
映画業界の裏側を舞台に、モニター越しの“白いモノ”がじわじわと現実を侵食するメタホラーです。正木郁&佐藤日向ら2.5 次元・声優陣のフレッシュさと、梅沢壮一の実写特殊メイクが奇跡的に融合。

©2022 ︎north cky

  • 恐怖ポイント
    編集ソフトのタイムラインに現れるノイズ → 実際のセットに血痕が“上書き保存”される映像トリック。スクリーンと客席の境界を曖昧にする演出が秀逸。
  • 真夏向けの冷却度
    PC モニターに映る自分の背後が気になり始めたらアウト。配信映像・リモート会議が当たり前になった現代こそ刺さる“画面越しパニック”。

©2022 ︎north cky

5. 『ドラレコ霊』

ドライブレコーダーは真実を映す――ゆえに恐ろしい。

伊達さゆり・吉武千颯・鹿目凛ら Z 世代キャスト×千葉誠治監督の最新オムニバス。
“車載カメラ映像”というリアルすぎる視点で、山奥の無人道路・相続した一軒家・曰く付きホテルが次々と心霊スポット化!

  • 恐怖ポイント
    ライトに浮かび上がる“何か”がレンズににじむ瞬間。ブレーキを踏む余裕もなく心拍数MAXに。短編3 本を一気見すると、タイヤの下にうごめく“それ”の残像が消えない。
  • 真夏向けの冷却度
    帰省ドライブや深夜のカーシェア前に観ることを推奨(※責任は負いかねます)。車窓の闇がこんなにも深かったのか、と震えながらハンドルを握るはず。

終わりに──恐怖はスクリーンの向こう側だけじゃない

今回紹介した5本は、落とし物・古典怪談・呪いの名前・編集データ・ドラレコ映像――いずれも“ごく普通のもの”が引き金となり、観る者の日常をじわじわ侵食してきます。

汗ばむ首筋をひんやり撫でる風を感じたら、それはクーラーの冷気か、
それとも今まさに背後に立った“何か”の吐息か。

この夏、ぜひ映画館や配信で体感し、日常に潜む小さな異変を見逃さないでください。
――あなたが目をそらした瞬間、恐怖は現実になるのだから。

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『オトシモノ』
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