「あなたがしてくれなくても」最終話:不倫ドラマに期待しすぎた視聴者たちの末路

奈緒が主演する木曜劇場「あなたがしてくれなくても」が、2023年4月13日にスタート。

ハルノ晴による同名コミック(双葉社刊)を原作とする本作は、セックスレスをテーマにした大人の恋愛ドラマ。奈緒と永山瑛太、岩田剛典と田中みな実が演じる2組の夫婦の関係が複雑にもつれていく様を描く。

本記事では、最終話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「あなたがしてくれなくても」最終話レビュー

「あなたがしてくれなくても」最終回、衝撃的展開すぎて、著者は今、心を落ち着かせながらこの記事を書いている。

みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、(岩田剛典)と(田中みな実)、それぞれが別々の人生を歩みはじめた。

みちと誠は相変わらず、”戦友”として定期的に会っている模様。
あれから1年、別れたキッカケになった人となんの進展もないまま生活を送るだなんて、私にはできない。

そんな誠に対して解き放った楓の台詞、ど正論すぎた。

「なにと戦ってんの?いつまで心のセックスしてるつもり?寒気する!」

まるでスカッとジャパン。最高です、ありがとうございます。

「逃げるな、泥棒猫」
「あなたの顔見てると殴りたくなる」
「誠はむっつりなの。……今のは笑うとこ」
「大好きな相手でも、一緒に生活してたら億劫にもなるし、レスにもなる」
「結婚っていう鎧を着て、強くなったつもりでいたのかな」

楓から飛び出す台詞すべて、快感なうえに納得感がある。
彼女に関しては、離婚後の方が圧倒的にらしさが出ていて、最良の選択だったのではないかと思える。まさに開拓者だ。
GINGERの編集長としての姿を目に焼き付けたかったが、どんな場所にいても楓なら間違いなく輝けることだろう。

ただ残念なことに、『「ひとりで生きられそう」ってそれってねえ、褒めているの?』という幻想が、事実として浮き彫りになった感はある。

結局男は、みちのようなどこか危うげな女性から目を離すことはできないのだ。

とは言いつつも、みちと陽一のいつぶりかの戯れには見惚れてしまったのだが。

「離婚したのにキスしたダメな元夫婦の影」

まるで坂元裕二みたいな台詞を吐くのね、陽ちゃん。

あれだけ恋愛にアグレッシブだった(武田玲奈)も早々に子供を授かり、まるでリリー・フランキーな高坂(宇野祥平)もセックスレスの妻と生涯を遂げる覚悟を決め、つまるところ、みんな落ち着く場所に落ち着くのだ。

仕事を相棒に生きていく楓。
みちに想いを寄せながらも彼女の幸せを願い生きていく誠。
そして、まるで誠とのことがなかったかのような元サヤ加減のみちと陽一。

ただこれは、離婚という過程を経たからこそ築き上げることができた”愛の形”なのではないかと思う。
離れてみて初めてわかることって、きっとある。

「あなたがしてくれなくても」に続く言葉は、「他に満たしてくれる人がいるから」ではなく、「それでもあなたと一緒にいたい」だったのだ。

……というように、自身を納得させることもできるのだが、著者はまぎれもなく”ドロドロ不倫劇”を期待していた側だった。
本ドラマは「昼顔」スタッフ再集結ということもあり、視聴者の大半がこちら側だったのではないかと推測する。

ただ、「昼顔」の放送から約10年、たとえいちコンテンツであっても世間からの目がどんどん厳しくなっている今、不倫を肯定する・養護するような内容にはできないという倫理観が生まれているのかもしれない。

それでも、ドラマだからこそ、人が取り乱す姿や道理から外れてしまう一瞬を垣間見たいと思うのが、視聴者の真の心情なのではないだろうか。

「綺麗事並べて自分たちに酔ってるみたいだから」

楓の台詞がフラッシュバックする。登場人物全員に対して、そうとしか思えない。

と、まぁ好き勝手言っておいてなんだが、結末としてはハッピーエンド。
もうひとつの衝撃ポイントとして、次週、特別編の放送があるそうだが、そこで空白の期間がどのように描かれるのか、気になるところである。

……最後に、まったくふさわしくないかもしれないが、これだけは言わせてほしい。
突然の野間口徹の贅沢遣い、ありがとうございました。

(文:桐本 絵梨花)

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