「生かされてあればこそ」佐藤、父との思い出を『愛を積むひと』完成披露舞台挨拶

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2015年6月20日より公開となる映画『愛を積むひと』の完成披露試写会が、東京・有楽町の丸の内ピカデリーⅠでおこなれ、主要キャストならびに朝原雄三監督が舞台挨拶に登壇されました。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶

映画『愛を積むひと』は、2004年に出版され翻訳本としては異例のロングセラーを続けているエドワード・ムーニーJr.著の『石を積むひと』の舞台を日本に移し、『釣りバカ日誌』シリーズや『武士の献立』などの朝原雄三監督の手によって新たに生まれ変わった作品。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶

舞台挨拶冒頭、仕事一筋に生きてきた、実直で不器用な夫・小林篤史を演じた佐藤浩市さんは

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 佐藤浩市

「どれだけ自分が女房に依存していたのか、痛切に感じる作品です。この映画の中に出てくる、私と樋口可南子さんの夫婦は決して理想の夫婦でもなく、かくあるべきという夫婦の姿でもなく、本当にどこでもいる夫婦の形だと思います。ただ、これを見終わった時に、もう一度夫婦で観たくなるし、夫婦で見た人は1人で見て夫婦を感じたくなる、そんな作品だと思います」とコメント。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 樋口可南子

心臓の病を抱えながらも、陽気でしっかりものの妻・小林良子を演じた樋口可南子さんは「長く一緒に居られる夫婦っていいなと思ったし、夫婦の終わりを映画を通して考えなくちゃいけないなと思いました。この映画がきっかけとなって、自分が死ぬ時に何を大切にしたいだろうというのは、今思うのもいいなと思っています。きっと最後にそれぞれの方たちの大事な顔が浮かんでくるような映画だと思います」と感慨深く集まった観客へ挨拶されました。

–{愛とはなにかを…}–

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 北川景子

主人公夫婦の娘・小林聡子を演じた北川景子さんは「夫婦愛はもちろんのこと、親子愛、若い恋人たちの愛、そして自分たちの子供に受け継いでいく愛も、本当に色々種類の愛が幾重にも重なってできている作品です。 自分の大切な人に何を思い、何を残したいだろうかとこの撮影を通して、とても考えさせられました」と、作品を通じて愛とはなにかを考えさせられたと挨拶。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 野村周平

石塀つくりを手伝う杉本徹役・野村周平さんは「この映画は愛が溢れる映画になっているので、見た後は誰かに伝えたくなる映画になっていると思います」コメント。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 杉咲花

野村周平さん演じる杉本徹の恋人役・上田紗英を演じた杉咲花さんは「こんな素晴らしいキャストのみなさんとご一緒できてすごく嬉しく思っています。観てくださった方たちが、どこかでずっと大事にされる映画になっていると思っています」と挨拶。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 吉田羊

杉咲花さん演じる紗英の母・上田美智子を演じた吉田羊さんが「この映画の中で、みなさんいい人ばかりなのですが、私は唯一嫌な役を演じていて、それだけが心残りです」と会場の笑いを誘うと

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 柄本明

吉田羊さん演じる美智子の夫役・上田熊二を演じた柄本明さんは「松竹映画であります。これは松竹映画であります」と挨拶し、夫婦役揃って会場を大いに楽しませていました。

–{二代目・三國連太郎を…}–

二代目・三國連太郎を襲名してもいいんじゃないか…

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶 朝原雄三監督

メガホンをとった朝原雄三監督は、佐藤浩市さんの印象について「こんなにせっかちな俳優さんと思っていなくて(笑)常に助監督にスケジュールを確認して、スタッフの全員の名前と顔を覚え、心配りしてくださって、座長を担ってくださって本当にありがたかった。そこがお父さん(三國連太郎)と違って。お父さんは本当に自分の芝居のことしか考えない人だったので、佐藤さんは非常に助かった」と話し「 撮影していると、三國さんに似ている瞬間があって、後ろ姿を撮っていると「撮ったことあるな」って思ったりした。二代目・三國連太郎を襲名してもいいんじゃないかと思います」と言うと「勘弁して下さい」と佐藤浩市さんが思わずツッコミを入れる場面も。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶

本作のキーアイテムでもある”手紙”について、思い出に残る手紙にまつわる話しをきかれ佐藤浩市さんは「30代半ばの頃、三國から一筆「生かされてあればこそ」という書をいただいたことがあった。その時はよくわからなかったんですが、何年かしながらそれを思うと、その言葉の重みというのがじわじわ感じることができて…。その言葉の重みを感じながら今もこういう仕事を続けています」と父・三國連太郎さんとの思い出を話されました。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶

また、樋口可南子さんは故・五社英雄監督から頂いた手紙について「五社英雄監督が亡くなる前の最後の2作品やらせていただき、5通手紙をいただきました。その中で『おおきい女優になってください』『次回の作品は惚れ過ぎないように噛みつきたいと思います』というフレーズが女優に対する殺し文句だなと。私は女優なんだとこの歳になっても改めてあの時の自分を思い出させてくれる、まだまだ女優として押してくれる大切な手紙です」と語られました。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶

また北川景子さんは「上京して間もない10代の頃に母からの手紙で『若くして自分のやりたいこと、進むべき道を見つけて、それに向かって毎日1人で頑張っている、あなたのことを私は誇りに思います』という手紙をもらって、有り触れた親子の手紙だと思うんですが、うまくいかない時、辛い時は何度も読み返して、それは今でも大切にとってあります」とエピソードを披露。

–{地味な映画ですが…}–

最後に”手紙”のエピソードを聞かれた柄本明さんは「20年くらい前に、うちに帰ったらテーブルに妻から『別れてください』と。もうその手紙は大事にもしてませんし、それから謝って謝って、なんとか40年ばかり続いております」と驚きの経験を語り、会場が笑いにうずに包まれていました。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶

朝原雄三監督は最後に「この映画の話をもらって5年以上かかました。脚本ができたのも2年前。僕の中で2年間脚本を温めたの初めてです。それを素晴らしいキャストのみなさんが演じてくださった。観てくださるみなさんが、登場人物を愛してくださったら、やった甲斐があります。地味な映画ですが、足を運んでいただければ有難いです」と舞台挨拶を締めくくりました。

愛を積むひと 完成披露試写会 舞台挨拶

映画『愛を積むひと』は2015年6月20日より全国公開

第二の人生を踏み出した矢先に妻に先立たれ、彼女が残した手紙によって悲しみから新たな人生に向き合う夫の姿と、彼を取り巻く人々との人間ドラマを描く本作、ぜひ劇場でその紡がれる愛の世界を体感してください。

映画『愛を積むひと』は2015年6月20日より全国ロードショー。

『愛を積むひと』 予告篇
佐藤浩市 樋口可南子 北川景子 野村周平 杉咲花 吉田羊 柄本明原作:「石を積むひと」エドワード・ムーニー・Jr.(小学館文庫刊)監督:朝原雄三脚本:朝原雄三 福田卓郎音楽:岩代太郎劇中歌:「スマイル」ナット・キング・コール制作・配給:アス...

(取材・常時系)

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