映画コラム

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2015年05月09日

当時のファッション覚えてる?寅さんにみる当時の言葉の興味深い世界vol.7

当時のファッション覚えてる?寅さんにみる当時の言葉の興味深い世界vol.7

寅の巻



どうも。スズキです。

好評を頂いていた、映画『寅さん』の時代背景がわかるデータベース『男はつらいよ 寅の巻』から平成生まれの記者が興味深いものを紹介するシリーズ。

作品紹介が一周したので、今回はこれまで取り上げた中で、特に興味深かったネタを『当時のファッション』に絞って紹介します。

トレンチコートは昔の流行と知ってた?


1970年の作品で登場したトレンチコートvol.1の記事で紹介したのを覚えているでしょうか。

トレンチコート


騒動の翌朝、寅さんはトレンチコートの襟を立てて、博とさくらに見送られながら旅立つ。寅さんがコートを羽織る珍しい場面。
参照:第3作 男はつらいよ フーテンの寅|寅の巻全作品データベース


今や冬の定番アイテムとして定着したトレンチコート。45年前にも流行っていたんですね。記者も今年の冬は挑戦しようと思っているところです。

ハワイが話題になった当時のトレンド『洋行スタイル』



vol.1では、『洋行スタイル』も紹介しました。



洋行スタイル



ハワイ旅行に旅立つ朝、寅さんは胸に日の丸をあしらった白いジャケットに雪駄。おばちゃんは最新流行のワンピースに帽子、おいちゃんも晴れがましいよそ行きを着て、ウキウキしている。
参照:第4作 新男はつらいよ|寅の巻全作品データベース


ちなみに、“洋行”とは欧米などへ旅行・留学すること。1970年は、ジャンボジェットの登場によって海外旅行が手の届くものになったんです。その影響で海外に出かけるスタイルが出始めたんだとか。 こうした、当時の人々の初々しいスタイルも学べるんですね。

アンノン族?って今で言うアレ



vol.2では『アンノン族』という言葉も紹介しました。



アンノン族



1970年代、ディスカバージャパン・ブームに乗って、若者たちが「日本再発見」を目的に、さかんにグループ旅行を楽しんだ。OLや女子大生の間では、雑誌「アンアン」「ノンノ」を片手に、一人旅や少人数旅行が流行、“アンノン族”と呼ばれた。歌子たちもまさに“アンノン族”。
参照:第9作 男はつらいよ 柴又慕情|寅の巻全作品データベース


雑誌『an・an』や『non-no』に影響された女子を『アンノン族』と呼んでいたようです。これまで、何かに影響された方々を『アムラー』などと呼んできましたが、今だと『雌ガール』いう言葉もあるようです。 また『おフェロ』というファッション用語もあるようで、言葉を生み出す才能には脱帽してしまいます。





これからもこうした言葉を楽しみにしたいですね。

タイガーマスクのパンタロンはここから?


またvol.2では1973年に流行したパンツも取り上げています。

パンタロン


りつ子を迎えての楽しい昼餉のあと、寅さんとさくらが土手までりつ子を見送るシーン。それまでさくらは、スカートをはいていたにも関わらず、パンタロンに履き替えている。晩秋の江戸川土手は冷え込むので、寒さ対策のためなのか、それとも…
参照:第12作 男はつらいよ 私の寅さん|寅の巻全作品データベース

パンタロンといえば、タイガーマスクのコスチュームを思い浮かべる人もいるかと思いますが、当時は立派なファッションだったのです。

いつの時代も何が流行るか分からないのが、ファッション。非常に興味深いです。

いつの時代も愛される『だて眼鏡』



vol.3では、1975年の作品に登場した『だて眼鏡』に着目しました。



眼鏡



学問を志した寅さんが、まずは“気分から”と柴又商店街の時計宝石店でだて眼鏡を購入。寅さんは大真面目だが、周りのリアクションは手厳しい。おばちゃんは「色眼鏡はおしゃれな人がかけたりするけど」と、寅さんの眼鏡にはあきれ顔。眼鏡が登場したのは13世紀頃のイタリア。日本に伝えたのは宣教師のフランシスコ・ザビエルとされている。
参照:第16作 男はつらいよ 葛飾立志篇 |寅の巻全作品データベース


今でも、おしゃれアイテムとして重宝される眼鏡。



かけるだけで、オシャレに見える万能アイテムですね。

山高帽でダンディーな男性に


vol.3では、1977年に登場していた山高帽も紹介しています。

山高帽


殿様がとらやを訪ねて来た時のスタイルは、蝶ネクタイに山高帽。ダンディに決めているのに、おばちゃんは「手品師」のよう、と手厳しい。山高帽はイギリス発祥の帽子で、素材は固く加工したフェルトで、半球型の山の部分と、巻き上がったつばが特徴。1850年に、トーマス・コーク氏のためにイギリスで作られたのが最初。日本に輸入されたのは慶応年間。普及したのは、文明開化の明治に入ってからのこと。喜劇王チャーリー・チャップリンのトレードマークともなり、おばちゃんのイメージする「手品師」のイメージの源泉は、戦前の芸人によってつけられたものと思われる。
参照:第19作 男はつらいよ 寅次郎と殿様|寅の巻全作品データベース

最近は『マグリット展』でも話題になっている山高帽。こちらも時代を超えて愛されるおしゃれアイテムですね。





これが似合うような人間になりたいところ。

「歩くと裾がパッと広がる」からアッパッパ!


vol.4では『アッパッパ』という不思議な名前のファッションも紹介しました。1981年に流行していたものです。

アッパッパ


今回、寅さんが広島県大崎下島豊町で啖呵売をしている”アッパッパ”は、夏に女性が着るワンピースのこと。気軽に着脱できる簡易服として、大正から昭和初期にかけて庶民の間に普及。歩くと裾がパッと広がることから付けられた関西地方の俗語が、全国的に定着。
参照:第27作 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎|寅の巻全作品データベース

今も女性の人気アイテムであるワンピースを当時は『アッパッパ』と呼んでいたのですね。「歩くと裾がパッと広がること」からできた言葉というのが面白い所。



『フィッシャーマンズ』はファッションに影響を与えている!



vol.5では、1986年に着用されていた『フィッシャーマンズ・セーター』を紹介しました。



フィッシャーマンズ・セーター



寅さんが飯塚の炭住(炭坑に従事する人々の住宅)を訪ねたとき、美保が部屋で着ていたのが白いフィッシャーマンズ・セーター。もとは、アイルランド、スコットランドの漁師たちが着る、防水性の強い仕事着だった。日本では1960年代、若者のファッションとして流行し、定着した。
参照:第37作 男はつらいよ 幸福の青い鳥|寅の巻全作品データベース


名前を聞いたときは、ピンとこなかったのですが、見てみると理解できますね。



検索してみて、気づいたのですが"フィッシャーマンズ"と名前のつくアイテムって結構あるんですね。こんな素敵なものも。

他に、こういったアイテムも。





実は、ファッションに取り入れられている"フィッシャーマン"(漁師)。こういった雑学も知ることができました。

平成生まれでも楽しめる『寅の巻』


振り返ってきたように『寅の巻』は各時代の情報を知ることのできる貴重な参照サイトです。記者のような、平成生まれの人間が読んでも楽しめますので、ぜひともこの機会に楽しんでみてください。

たくさんの雑学を知ることができますので。

ではまた!

(文・タクスズキ)

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