乃木坂46 能條愛未 映画『アメリカン・ビューティー』の人物たちを語る1
乃木坂週刊映画、今回は前回に引き続き能條愛未さんにアカデミー賞受賞作品『アメリカン・ビューティー』について語って頂きました。今回は登場人物たちにフォーカスして語って頂きました。
前回までの記事
・乃木坂46 能條愛未『アメリカン・ビューティー』を語る
・乃木坂46 能條愛未 16thシングルへの”思い”、「サヨナラの意味」発売記念特別編
・乃木坂46 能條愛未が語る『桐島、部活やめるってよ』の魅力 後編
・乃木坂46 能條愛未が語る『桐島、部活やめるってよ』の魅力 前編
・乃木坂46 能條愛未、出演舞台『墓場、女子高生』を語る
→それ以前の記事はこちら
人物その1:主人公でダメ親父のレスター
この映画の主人公であるレスター。日本でもどこにでもいそうな中年のダメ親父を醸し出している人物です。
仕事のモチベーションはとても低く、嫌々仕事をする毎日。昔は愛情を持って接してくれた妻の態度も変わってしまった。娘も反抗期で口を聞いてくれない。家庭でも安らげない毎日を送っています。
そんなレスターがどこか可哀想と私は思いました。
高校生の頃の私なら、娘で高校生のジェーンに共感していたと思います。「お父さんに話すことなんてないよ」みたいなジェーンの態度はわからなくもないのです。
しかし、今の私はレスターに同情してしまいます。
そんなレスターがジェーンの同級生アンジェラに一目惚れ。そしてジェーンとアンジェラの会話を盗み聞きしたことでレスターは一変します。
会話の内容は「お父さん、筋肉付けたらもっとカッコ良くなるんじゃない」というようなものでした。一目惚れしてもどかしい気持ちを抱いていたレスターは純粋な少年のようにその一言で一念発起。筋トレなどトレーニングを始めてイケてる親父になっていくのです。
それを見て「何て純粋なんだろう」と思いました。もちろん既婚ですし、娘の友だち相手に恋をしているので、倫理的な問題はたくさんあるのですが、前回書いたように「恋の力って凄いな」と思い知らされたエピソードでした。
また、このことがきっかけで内向的な性格にも変化が訪れます。今まで黙っていた娘の行儀の悪さを注意したり、仕事で意見を言ったりと、まるで人が変わったようになりました。
それでいながらも本当に純粋なんだなってクライマックスのシーンを見て思いました。
レスターは最低のダメ親父とも捉えられますが、どこまでも純粋で一生懸命な人でもあるなと私は思いました。
人物その2:夫に愛想尽かし不倫に走る妻
レスターの妻キャロラインですが、しっかり者で綺麗に歳を重ねていったイメージです。
ただ、あのような母親はなかなか好きになれないな…と思いました。もちろん夫婦関係が冷めきっていて、それで不倫に走った部分はあるのかもしれませんが…わからなくはないけどわからない、好きか嫌いか…なら嫌いなタイプです。
映画の冒頭の方ではレスターに対して常に主導権を握っている印象で、夫はあんなんだから自分は何をしても許されるというスタンスでいたように思いました。
それだからどうも好きになれなかったのかもしれません。「いつかバレるよ、そんなんだと」と思っていたら、映画ではあのような展開になり、「だよね」と思いました。
人物その3:悩み多きティーンエージャーのジェーン
その二人の娘であるジェーン。最初は反抗的で共感しにくい子だなと思いました。タバコを吸っていたり、どこか遊んでる感じが漂うアンジェラと仲良くしていたりと。
しかし、映画が進む中で早く大人になりたいもどかしさと戦っているんだなと思いました。彼女なりに悩んで、もがいて、必死に、純粋に生きているんだなと思いました。
私自身がもしあの両親の元に生まれたら、あんな父親も母親も嫌だなと思うはずです。もっと自分に興味を持ってほしいと思うし、悩みや学校のことを聞いてほしいなという気持ちになっていたと思います。
次回は映画のキーパーソンであるアンジェラら、家族以外の人物についての考えを話して頂きます。
来週の土曜日もどうぞお楽しみに!
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(取材・構成:シネマズ編集部/撮影:HIRO SATO)
能條愛未 プロフィール(Ami Noujo Profile)
能條愛未
1994年10月18日 神奈川県生まれ 血液型 A型
乃木坂46 一期生メンバー
月に10本は必ず見るというほどの映画好き。
映画、舞台と女優としての活動の場をひろげるほか、バラエティーでも持ち前のセンスで活躍中。
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