『あやしい彼女』水田伸生監督インタビュー、「全ての出演者が輝いている映画に仕上がった」

4月1日(金)より好評上映中の『あやしい彼女』。シネマズでは初日舞台挨拶の合間に水田伸生監督へインタビューを行いました。初日を迎えた思いや制作の舞台裏について伺わせて頂きました。

あやしい彼女 水田監督

水田伸生監督(以下 水田):(間接照明のインタビュールームに入るなり)何かあやしい雰囲気ですね(笑)

──公開初日を迎えて率直なお気持ちを伺わせてください。

水田:今まで作ってきた映画の中ではクランクアップ後から公開までの間が最も短かったです。なのでまだ撮影していた時の感覚が残っており、作品との距離が近い段階で公開を迎えました。だからか、珍しく舞台挨拶で緊張してしまいまして…(笑)

──試写の評判などで見ても、全世代で非常に評価が高くなっています。監督自身それをどう思われていますか。

水田:ありがたいことです。オールターゲットのつもりで制作したというか、ある年代層に見せる映画というつもりでは作りませんでした。カップルだったりとか、家族だったり、友達とだったりと、誰とでも観てもらえるようにバランスを取ったつもりでした。

どこで面白く思って頂くか、どこが記憶に残ったかはお客様に委ねるしか無いですが、バランスはうまく取れたのかなと。

テンポの調整だったり、こっちから仕掛ける笑いのツボだったりもありますが、老若男女関係なく楽しめるようにはなっていたら幸いです。

──韓国映画オリジナル版『怪しい彼女』はどの程度意識されましたか。もしくはされていないとか。

水田:私自身、映画館でオリジナルを観てリメイクしたいと強く思いました。なのでひょっとしたら僕自身が一番強く意識していたのかもしれません。

要潤さんから「オリジナルは見たほうが良いか。」と質問受けたのでそこは「見なくて良い」とは言いました。逆に多部未華子さんは3回見たと言っていました。その辺はバラバラで良いと思っています。
撮影に入る前、それこそ半年くらい前は、オリジナルの画作りだとかシナリオを意識していたところはありました。しかし準備が進むにつれて一緒に作っているスタッフやキャストを信じて、韓国版はあるけれど日本版の全く新しい「あやしい彼女」を作るという思いや姿勢に変わっていきました。

──多部未華子さんが主役になった経緯は?歌声も含めて教えてください。

水田:多部さんが歌われていた舞台を私は見に行ってましてね。それで迷いなく第一候補で多部さんをリクエストしました。

その後プロデューサーから電話かかってきましてね。そしたら「歌に自信が無いと言っています。」と(笑)

僕は生で聞いているので口説き落とせと命じました。絶対大丈夫だからって別の現場にいたのですが、電話で怒鳴りました(笑)

オリジナルの持ち味である、シリアスなお芝居と思い切りの良いコメディ。総合点で多部さんしかいないという信念でしたので妥協なく出来たと思っています。

──「悲しくてやりきれない」の撮影中に多部さんの歌声でスタッフが泣かれたとか?

水田:あれは、多部さんと洗いざらい仕上げの映像感の話を事前にしていました。それこそ「この歌詞の部分で涙がほしい」と。そこまで要求したんです。スタッフはそれを知らなかったんですよね。

ワンテイクで見事にそれができて、何も知らないで見ていたスタッフはもらい泣きですよね。真に迫る演技というか。歌ではなく芝居を見ているという感覚にスタッフの気持ちが切り替わったのだと思います。

歌ではなく女性の人生のワンシーンを見ているように思ったのでしょう。多部さんは本当に凄い人ですよ。一回でできたわけですから、あのシーンを。

──昭和の名曲が大きく3曲かかりますが、それぞれの狙いを教えて下さい。

水田:ダイヤの原石を見つけるシーンということで1曲目は「見上げてごらん夜の星を」を選びました。聴衆といいますか、商店街の人達の心を鷲掴みにする強さが楽曲に必要でした。歌っている節子の歌声の魅力、多部未華子さんの歌声の特性を活かせるかなど、総合的に考えました。

考え方のスタンスは2曲目以降も同じです。

2曲目「真っ赤な太陽」はバンドを組んでいくという過程なのでバンドアレンジができる曲です。

3曲目「悲しくてやりきれない」は人生を感じさせるものと。

楽曲使用の権利をクリアしないといけないので、多めにチョイスをして当たっていきました。1000曲以上聴いているんです実際は。どんどん絞っていきました。

最初は松任谷由実さんとか今でもご活躍されている方の楽曲も選択肢に入っていました。3ヶ月位かけてあの3曲に絞りました。

音楽プロデューサーの小林武史さんと協議をして、多部さんの細かな声質なども分析して、あらゆる要素を照らし合わせて決めていきました。あんがい緻密にやっているんですよ(笑)

──最後にこれから作品をご覧になる方へメッセージをお願いします。

水田:娯楽映画ですから、構えること無く笑ってもらっても構わないし、映画館で色々発見をしてくだされば…。

私にとってこの映画は多部未華子さんだけでなく、全ての出演者が輝いている映画になっていると思っています。それを是非スクリーンでご堪能頂けたら嬉しいです。

インタビュー後記

このインタビューは映画の公開日4月1日(金)の新宿ピカデリーで実施しました。1回目の上映終了後舞台挨拶と2回目の上映前舞台挨拶の間15分というタイトなスケジュールの中でしたが、気さくにお話して頂くことができました。

舞台挨拶の合間ということで監督自身のほっとした喜びの表情と、少し緊張している表情を見ることができたことも印象的でした。

試写でも大好評だった『あやしい彼女』は公開後も非常に評判が良く、各レビューサイトでも上々のスコアとなっています。

誰もが楽しめる素晴らしいエンターテイメント作品ですので、一人でも多くの方に鑑賞して頂きたいです。

『あやしい彼女』は4月1日(金)より全国公開中です。

(取材・文:柳下修平)

    ライタープロフィール

    柳下修平

    柳下修平

    シネマズby松竹編集長、1986年生まれ、今年で30歳。個人ブログ「Cinema A La Carte」も運営。映画イベント「映画の食事会」主催や幻冬舎「Ginger」及び「Spark Ginger」で映画コラム連載も。ブロガーメルマガEdge Rank執筆メンバー。映画以外ではカメラと旅行が趣味。

    ピックアップ

    関連記事

    新着記事

    言語を選択

    私と映画Vol.7 メニコン 田中英成社長
    金曜映画ナビ
    八雲ふみねの What a Fantastics!~映画にまつわるアレコレ~
    能條愛未の「乃木坂週刊映画」
    スペシャル 写真家『早田雄二』が撮影した銀幕の女神たち
    antenna

    人気記事ランキング

    シネマズ公式ライター

    • 宮本和彦
    • とみだ嬢
    • 夏目幸明
    • アスカ
    • 92aki
    • 猫ライター(コロン)

    シネマズ公式チャンネル

    教えて goo

    情報提供元:教えて goo