『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は「大記録」に到達できない!?今週の全米興収レポート(4/1〜4/3付)

バットマン V スーパーマン

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

全米興収ランキング(4/1〜4/3付)

1『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(→)
2『ズートピア』(→)
3『My Big Fat Greek Wedding2』(→)
4『God’s Not Dead 2』(New)
5『天国からの奇跡』(↓)
6『The Divergent Series: Allegiant』(↓)
7『10クローバーフィールド・レーン』(↓)
8『Meet the Blacks』(New)
9『Eye in the Sky』(↑)
10『デッドプール』(↓)
(速報値/Box Office Mojo参照)

大方の予想通り、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の下降が著しい。超ロケットスタートを1週目でみせただけに、2週目で5000万ドルを超える数字を出しても、前週比3割ほどというのはかなり痛い。

比較するならば、5年前に同じくワーナーが手掛けた『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』だろうか。1週目のオープニング成績はほぼ横ばい。2週目の週末では、若干BvSのほうが上回っているが、10日間で2億7千万ドルのハリポタと、2億6000万ドルのBvS。やはりほとんど同じ推移を見せている。とはいえ、ハリポタのほうはサマーシーズンの恩恵を受けていただけに、この春シーズンで同等の伸びを見せられるかは微妙なところ。

少なくとも、前作『マン・オブ・スティール』の2億9000万ドルを超えることは間違いないが、3億5000万ドルあたりで落ち着くのではないだろうか。つまり、今週も10位にしぶとく残っている、『デッドプール』を超えるのは少々厳しいかもしれない。

一方で、今週も2位をキープした『ズートピア』の安定した興行には目を見張るものがある。先週比80%超の少ない下落を維持し、平日の興収も大きな落ちを見せない。今はまだ同じ子供向けの作品が少ないこともあり、15日から始まる『The Jungle Book』まではこの勢いを保ち続けることであろう。

初登場組では、『神は死んだのか』の続編『God’s Not Dead 2』が4位に登場。最終的に6000万ドルを超えるサプライズヒットとなった前作と比較すると、3倍近いスクリーン数でスタートしながら興収は下回るという、少々期待はずれの結果に。もっとも、8位に初登場した『Meet the Blacks』も同様に、ビッグバジェットの作品ではないだけに、大きな問題はないだろう。

限定公開が始まった、『6歳のボクが、大人になるまで』のリチャード・リンクレイター監督の最新作『Everybody Wants Some!!』は、19館で上映され、1館あたりが1万7千ドルほどのまずまずの出だし。とはいえ、批評家からは好意的な評価一色で、来週からの拡大公開に期待が高まる。もちろん再びオスカーレースで活躍を見せる可能性も十分だが、賞向けの作品ではないのが勿体無い。

同じく4館でスタートしたのはドン・チードルがマイルス・デイヴィスを演じる『Miles Ahead』。1館あたり3万ドルの良好なスタートを切り、批評面も決して悪くない。もっとも、作品に対する抜けた評が無いことから、ドン・チードルの主演男優賞に票が集中する可能性も。

他に気になるところでは、先週11位(速報値では10位)に入った『Eye in the Sky』がさらに館数を増やして9位に浮上していることや、『I Saw the Light』と『Midnight Special』も伸びてきており、今後ベストテンに食い込んでくる可能性を秘めている。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の「大記録」到達の可能性

ところで、日本では3月25日で一斉に上映が終了した『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、アメリカではまだ500館弱で上映が続いており、14位にランクイン。現在すでに世界興収20億ドルを突破し、全米興収でも歴代1位の9億3千万ドル。このあとソフト化がされても日本と違って、劇場で上映している限り安定した動員を記録し続けるに違いないが、「大記録」に到達するには少々厳しそうだ。

その「大記録」とは、インフレ換算をした歴代興行収入ランキングのベストテンに入ることである。入場料の価格が上がっている現代と、過去の大ヒット作を比較する上で、最も信頼出来るランキングであり、現在1位は1939年公開の『風と共に去りぬ』の17億ドル。『スター・ウォーズ』の1作目は15億ドルで2位に入っているが、現在5位の『タイタニック』を最後に上位に食い込んだ作品はなく、今世紀公開作ではまだ1本もベストテンに入っていないのである。
現在10位の『白雪姫』(1937年公開)まで、あと1400万ドル。もちろん、常に変動するランキングであるため、一度上回っても今後下がる可能性もあるのだけれど、一度でいいからベストテンに入る姿が見たいものだ。

さて、来週はメリッサ・マッカーシー製作・主演のコメディ『The Boss』が登場。プロデューサー陣にはウィル・フェレルと『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイがいるという超注目作。『BvS』と『ズートピア』の牙城を崩すことができるだろうか。
また、限定公開では『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ監督最新作で、ジェイク・ギレンホール主演の『Demolition』も公開される。

(文:久保田和馬)

    ライタープロフィール

    久保田和馬

    久保田和馬

    久保田 和馬 1989年生まれ。映画評論家/映画ライター/映像作家。フランス映画とアジア圏の映画をこよなく愛する。大学時代からの自主制作の延長で映像制作を行い、2013年から文筆業を開始。「図書新聞」へ映画評の寄稿、「リアルサウンド映画部」への寄稿など。

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