栗山千明「この作品は自分で見ても入り込んでしまった」、『秘密 THE TOP SECRET』舞台挨拶レポート

秘密 0818official

8月18日より3日連続で開催される『秘密 THE TOP SECRET』の舞台挨拶。1日目は監察医として第九のメンバーを支える三好雪子を演じた栗山千明と大友啓史監督が登壇し、Twitterなどで寄せられた質問に答えました。

ー「雪子は薪さんのことをどう思っているのでしょうか?鈴木を失う原因となった薪室長を恨まなかったのは、仲間以上の想いがあったから?また、もし栗山さんが雪子の立場だったら、あの仕事を続けられますか?」という質問をTwitterへ頂きました。

栗山千明(以下、栗山):私だったら、逃げてしまいそうな気がします。仕事をやめるのか、他の場所に移るとか…。受け止められないというよりも、そこにいる限り思い出して辛くなってしまう気がいたしました。

でも、雪子の場合は見守りたいというか、見続けないといけないという使命感があったんじゃないかと思います。「第九」という組織についても、鈴木くんと共に「第九」を立ち上げた薪さんに対してもそう思っているのかなと思っています。

大友啓史監督(以下、大友)
栗山さんの撮影初日が、まさに薪が鈴木の記憶を見るというシーンでした。雪子にとっては、恋人である鈴木を自分から奪った薪に対する憎しみも最初はあったんだと思いますが、薪が鈴木のことをよく知り、様々なことを共有していたことも知ってたから、憎みきれなかったのだと思います。

 

ー栗山さん、かつての恋人の記憶を見るというのはいかがですか?

栗山:鈴木くんの脳の解剖をするシーンは、胸が苦しいというか複雑な心境でした。なのですごく丁寧に撮っていただいて嬉しかったです。

大友:グロいシーンですいません(笑)だけど、あの行為の中に、彼女が乗り越えなくてはいけないことがあるし、人間の生死を見つめて、実感して、そこで何かを感じていくんじゃないかと思います

 

ーそのシーンの質問もいただきました。「手術のシーンはとてもショッキングな映像でしたが、栗山さんが撮影で苦労された点はありましたか?」ということですが、いかがですか?

栗山:大変なのは解剖される方ですよね。あのシーンは、実際にご本人に特殊メイクをして撮影しているんです。ベットも固いものですし、大変そうでした。

大友:鈴木の死体から涙がこぼれるシーン。あのシーンこそが僕が撮りたかったものだし、この映画のロマンがあると思っています。鈴木役の桃李くんが「自分でやる!泣いてみせる!」っていうんですよ。死んでいるので、呼吸せずに涙を流さないといけない。カメラでずっと回したんですけど、なかなか出ない(笑)

 

ーそのシーンについても質問が来ていました。「鈴木捜査官の遺体の目じりから涙が一筋流れていました。その意図は?」ということですが、いかがですか?

大友:死者の中に残っていた感情なのか、ただの水滴だったのか、生きている人間と死んでいる人間が、ある共通の想いで通じ合ったときに何が起こるか、マグダラのマリアをモチーフにしてやりたいなと思ったんです。脚本にも書いてあるんですが、あれを成立させるには雪子が薪と鈴木の2人にどういう感情をもっているのかが大事で、栗山さんは、そこをしっかり演じてくれました。

 

ー次に大友さんへ質問です。「他の映画に比べて「静と動」の対比が強調されていたように感じましたが、意図して作られたのですか?そのおかげで、最初から最後まで映画の世界に入っていけました」ということですが…。

大友:原作の設定は2060年なんですが、世界観はある種、非常にアナログなんです。でも、その中で脳を取り出すという行為が日常の延長線上にある、そんな世界を描いている、なかなか手ごわい原作なんですよね。

2060年というのは、現代と違って、熱帯化が進んでいき、気候も変わり、人間のストレスというのもどんどん増えていく…というのを前提に映画の世界観を作っていきました。一歩間違うと気が触れてしまう人や、様々なストレスを抱えて生きている人たちの話なので、高めのテンションの芝居を心がけて頂きました。

ただ、命を扱う映画、死者の魂に触れる映画でもあるので、そこは死んだ人間の魂に触れる静粛な部分を大事にして、緩急は意識したところですね。

 

ー栗山さんは初めて本作をご覧になった時の感想はいかがでしたか?

栗山:今まで出演した映画は、自分の出演シーンや自分の演技を観てしまうことが多くて、作品として観れることがなかなかなかったんですが、この作品は入り込んでしまいました。なので、皆さんと同じように客観的にショックを受けたり、ストーリーに感動したり素直に受け止めることができました。自分の出演映画で泣いたのは、この作品が初めてです。

大友:お客さんを映画の物語の外に置いて、一歩引いた目で観て頂くというよりも、映画の中に巻き込んでしまいたい。自分の持っている主観と他者の感情や周りの世界で起きていることが混乱してくる。起承転結がはっきりしたストーリーよりも、その混沌の渦の中にお客さんを引き込めないかなと思って作りました。

 

その後、会場のお客様からの質問タイムも行われました。

 

ー青木が最初に脳内捜査を行うシーンについて。「客観的に、客観的に、客観的に」という薪のセリフは、脚本で最初から書かれていたのですか?

大友:脚本の段階から書いていました。映画で描いたMRIスキャナーのシステムは、原作とはちょっと違う、この映画独特のものを作り上げていて、原作では脳そのものを取り出してスキャニングする。

しかし、撮影するにあたっていろいろ調べていくと、脳というのは脊髄から取り出すと、ただの臓器になってしまうんですね。では、そこに残っている記憶をどうやって見るか。であれば、生きている人間の脳細胞の力を借りて補てんしていく、という考え方に行きついたわけです。ここを説明し始めると、あと5時間くらいかかります(会場笑)

生きている人間と、死んだ人間の脳をつなげる、ということは、他人の感情が自分の脳になだれ込んでくるということ。そうなると重要なのは個人の属性。他人の感情とつながることはとても怖いことです。そこで薪が唯一言えることは「客観的に見ること、あの世界に取り込まれるなよ」ということなんです。

 

こうして3日連続舞台挨拶の1日目は終了。衝撃の展開を伴ったミステリー・エンタテインメント超大作『秘密 THE TOP SECRET』は全国公開中です。

(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

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