続編公開前に【要チェック】!『インデペンデンス・デイ』は熱い傑作だ!!

みなさん、こんにちは。

みなさんは7月4日が何の日か、ご存知ですか。日本では馴染みのない日かも知れませんが、この日は20年前の当時のアメリカ大統領トーマス・ホイットモアが観衆の前で演説を行い力強く宣誓した、アメリカだけでなく全人類にとって大きな意義を持つ「独立宣言を行った日」になります。

そう。それは宇宙人の侵略から、我々人類の対抗、独立を宣言した世界で最も意味を成す日。

今回の「映画音楽の世界」は、間もなく公開となる『インデペンデンス・デイ リサージェンス』での再びの宇宙人侵略に備え、復習を兼ねてシリーズ一作目の『インデペンデンス・デイ』を紹介したいと思います。
(注:実際の7月4日は1776年の独立宣言を祝うアメリカの祝日です)

インデペンデンス・デイ (字幕版)

破壊王ローランド・エメリッヒ、爆誕

ローランド・エメリッヒ監督の名を一躍有名にした『インデペンデンス・デイ』(ID4)が公開されたのは、今から20年前、1996年のこと。若い世代の映画ファンにとってはテレビで、あるいはソフトで鑑賞したという方が多いと思います。
実はこの作品、アメリカで公開された当時では珍しい3億ドルのヒットを記録しながら、日本では5ヶ月も遅れての公開となり、筆者自身鑑賞まで長い間待たされたものです。

本作をざっくり説明してしまえば、宇宙人が攻めて来て人類が対抗する、と単純明解な物語ですが、この作品の魅力はなんと言っても「とんでもなくスケールの大きい侵略」にあります。

まず、UFOといえば灰皿を二つ組み合わせたような円盤の形をイメージしますが、本作の宇宙船は円盤型ではあるものの、とにかくデカい! ポスタービジュアルでもマンハッタン島を覆い尽す宇宙船が描かれ、公開前からそのスケールに度肝を抜かされる訳です(宇宙で待機する母船は月の質量の三分の二サイズ)。
しかもこの宇宙船、そんなサイズでありながら一体だけでなく次々と母船から切り離され、大気圏突入の爆炎をまといながら白昼堂々と各国上空に出現するのだから監督大盤振る舞い。

そして映画はここからが本番だと言わんばかりの総攻撃に突入します。
それだけデカい宇宙船、発射されるビーム砲の威力はSF映画史上屈指のもので、ワシントンD.C.ではホワイトハウス、ニューヨークではエンパイアステートビルなど、御丁寧に各都市のランドマークを爆心地に、巨大な炎の壁が放射状に広がりながら街を壊滅させる描写が公開当時大きな話題となりました。ちなみにノベルス版だと日本も攻撃対象で皇居から横浜、大宮までが壊滅、宇宙船が出現したにもかかわらず普段と変わりなく行動した結果被害拡大という皮肉付き。
それはともかく、まさにここから、ローランド・エメリッヒ監督のディザスタームービー(災害映画)の帝王伝説が始まった訳です。

そしてただスケールがデカいだけでなく、そこからさらに敵は無数の攻撃機(アタッカー)を繰り出し空軍とのドッグファイトを展開するという畳みかける攻めのエメリッヒ監督。ウィル・スミス演じる米空軍パイロット、ヒラー大尉が善戦するもバリアーを擁する宇宙船とアタッカーに空軍チームは完敗を喫します。

核攻撃を行っても無傷の敵艦に、人類はいよいよ窮地に陥り……と、王道展開を見せつつも『インデペンデンス・デイ』はド迫力の映像で観客を魅了し、さらにはビル・プルマン演じるホイットモア大統領の演説、ジェフ・ゴールドブラム演じるエンジニアのデイヴィッドとおそらく宇宙人を素手で殴り倒して気絶させた初の人類と思われるヒラー大尉の命懸けの反撃、まさかの胸熱のラストなど、『インデペンデンス・デイ』は実は多くの熱い名場面を生み出し妙にやたらと記憶に残る傑作映画なのです!

トリビア的「ID4」アレやコレや

地球壊滅の危機を描きながら、映画的な魅力も多い本作。

まず、メインとして描かれるニューヨークのビーム砲による崩壊シーン。ビルが木っ端微塵に吹き飛び爆炎が市街を駆け抜ける圧倒的かつ圧巻の描写ですが、この場面はCGではなくマンハッタンの街並みを再現した模型爆破による、日本ではお馴染みの特撮。炎が上昇する特性を活かしてビル群の模型を平置きではなく縦向きに設置して真上から撮影、爆破して爆炎がストリートを駆け抜けていくように見せています。そして、有名なホワイトハウスの破壊も模型を盛大に爆破したもの。

ヒラー大尉、ホイットモア大統領が率いる米空軍の戦闘機の編隊。アメリカでは軍を「カッコよく」描くことで志願兵が増加するため(特にマイケル・ベイ作品など)もともと国自体が撮影の協力に積極的ですが、本作では国側から「エリア51(UFOが墜落、回収された場所といわれるアメリカ版都市伝説の土地)を描くなら協力しない」とお断りされてしまい、すべて模型とCGによる合成という手段を選択しています。

他にも映画そのものがオリジナル版『宇宙戦争』をベースにしていたり、当時同じ20世紀FOX配給ということで、ある場面に『スター・ウォーズ』のキャラクター名が隠されていたりと舞台裏を探ってみるのも楽しみの一つ。余談ですが、逆に本作に登場したエイリアンがエメリッヒ監督の『ゴジラ』にこっそり登場してもいます(両作ともデザインはパトリック・タトポロス)。

思いのほか燃える音楽

本作の音楽を担当したのはデヴィッド・アーノルド。本作は宇宙人の侵略から立ち上がる人類という内容だけあって、厚みのあるオーケストラと勇壮なメロディを駆使しした音楽になっていて、中には野太い男性コーラスまであてがい、「人類総決起」と言わんばかりの熱い曲もあり、この頃のテレビ番組でもたびたび流用されてもいました。

エメリッヒ監督×デヴィッド・アーノルドのコンビは前作の『スター・ゲート』に始まり本作、『ゴジラ』と続きますが残念ながら以降のコンビ作はなし。シリーズ作でありつつ『インデペンデンス・デイ リサージェンス』への登板も、残念ながら叶いませんでした。近年のエメリッヒ監督は製作、脚本、作曲までこなすハラルド・クローサーがお気に入りの様子。

ではアーノルド本人はエメリッヒ監督と袂を分かちどこに向かったかと思えば、ゴジラ前年に担当した007シリーズ『トゥモロー・ネバー・ダイ』以降、ダニエル・クレイグにバトンタッチした『慰めの報酬』まで担当し半専属作曲家のようなポジションに。そして007を離れてからは、みなさんご存じのドラマ『シャーロック』の音楽を担当するという、なかなか世渡り上手な一面を見せてもいます。

まとめ

20年も前の作品と聞くと時の流れの早さを感じつつ、この作品がまったく色褪せていないことにも驚かされます。新作ではVFXを駆使した敵艦の再襲来と破壊描写が見所となっていますが、特撮を駆使した本作のスケール、迫力が見劣りするようなことはないと断言してもいいでしょう。
映画同様、作り手たちの熱いエネルギーが画面の隅々まで行き届いた、SF映画のある種の傑作。『インデペンデンス・デイ リサージェンス』鑑賞の前に、ぜひ本作をチェックされることをオススメします。

ここまで読んでいただき、ありがとう ございました。

(文:葦見川和哉)

    ライタープロフィール

    葦見川和哉

    葦見川和哉

    葦見川和哉 映画が好き。旅が好き。小説が好き。 映画開眼と同時に映画音楽の魅力にも取りつかれたサウンドトラック収集家。

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