海のバカンス計画を打ち砕く傑作パニック映画『ジョーズ』の魅力!

みなさん、こんにちは。

暑い日が続きますね。今年の梅雨はあまり雨を降らしてはくれず気温は日に日に上がる一方。夏休みも目前に控えこの暑さで、すでに海水浴に出掛ける予定を立てている方もいるのではないでしょうか。

良いですよね、夏の海。香る潮風。耳にささやくさざ波の音。そしてマリン・ブルー。波に身を任せて海に揺られるも良し、息を止め神秘の水底を冒険するも良し。そこには大小さまざまな魚や海洋生物が暮らしています。

そんな偉大なる海を舞台にしたオススメの映画があるんですよ。

『ジョーズ』っていうんですけどね。

ジョーズ (字幕版)

と、いうことで今回の「映画音楽の世界」では、海のバカンス計画を打ち砕く傑作パニック映画、『ジョーズ』を紹介したいと思います(意地悪)。

スピルバーグの名を世界に知らしめた、一匹のホホジロザメ

今の若い世代の映画ファンにとってサメ映画というと、例えば『シャークネード』シリーズや『メガシャーク』シリーズといった、テレ東で放送されているいわゆる午後ローでのお祭り放映を観て「それが僕の私のサメ映画だ」、という人も多いかもしれません。

しかし! ちょっと待てよ、と。確かに両シリーズともサメ映画としてだけでなくB級映画の概念を斜め上に飛び越えた作品ですよ。しかし本当のサメ映画といえば、‟これ“しかないでしょう、と。

1975年、初夏。一本の映画が、スティーブン・スピルバーグという当時弱冠28歳だった映画監督を、一夜にしてスター監督へと押し上げました。それが、『ジョーズ』です。ブロディ署長を演じたロイ・シャイダーに負けず劣らずの、もう一つの主演とも呼べるそのアクターは、「ブルース」と名付けられた一匹のホホジロザメ。

ポスターでは本作の象徴としてその姿を描かれながら映画ではなかなかその全貌を現さず、ビーチで海水浴を楽しむ客が一人、また一人とその犠牲となっていくサスペンスフルな展開と(喰いちぎられた脚が沈んでいくという衝撃的なカットも)、それが人喰いザメの犯行と分かるや否や、一気にパニックに陥る群衆の巧みな心理描写。

そして保安とサメの駆除を任されたブロディ署長らが人喰いザメを討つべく海原へと船を駆り出し、同時にその姿をついに現したホホジロザメとの命懸けの対決を見せる海洋アドベンチャーとしての後半戦。

もう、すべてがやたらと面白い! 映画の三幕構成をきっちりと性格分けして描き、細かなカットに至るまでが完璧に計算された演出で、映画としての完成度がずば抜けて高い本作。これを28歳という若さで監督してしまったスピルバーグ、今の人気と地位を獲得するのもおかしくはない話なのです。

また、『ジョーズ』はサスペンス、パニック、アドベンチャーという要素をしっかりと押さえていながらさらにアニマルパニック、巨大生物モノ、というカテゴリーにも属しているので、さまざまなジャンル的要素を混ぜながらも一級のエンターテインメント作品に仕上げているあたりに、スピルバーグ監督のビジョンが魅力的なキャラクター造形やブルースというホホジロザメに至るまで行き渡っていることが解ります。

トラウマの一因はこの人にもあり。『ジョーズ』の傑作音楽

『ジョーズ』の音楽を担当したのは言わずと知れた巨匠、ジョン・ウィリアムズ。スピルバーグ監督と映画界最強のコンビネーションを見せ、まさに本作がその第一歩。初顔合わせながらアカデミー作曲賞を受賞するという、一作目から抜群の相性を見せたことになります。

『ジョーズ』のテーマ曲は特に有名で、もはや映画音楽の枠を越えて多くの場面で流用される楽曲となりました。水底を不気味に這うホホジロザメを思わせる視点。水中という、観ているだけで息苦しくなりそうな状況下でゆっくりと迫って来る低音のリズムがじわりじわりと観客を恐怖と苦痛の世界へと導いていきます。逆に、このテーマ曲のフレーズを思い浮かべるだけで映画のシーンを思い出すことが出来るというのも、この楽曲の魅力だと思います。映画音楽としての役割と効果をスクリーン上で十分に発揮し、それが今現在も、誰もが口ずさむことが出来る名曲たる所以ではないでしょうか。

たとえば水底までくっきりと見えるような透明度をほこる綺麗な海であっても、家族連れや多くの海水浴客で賑わうビーチの浅瀬であっても、『ジョーズ』のテーマ曲を頭の中で再生してしまえば、たまらず陸に上がりたくなるはず!

『ジョーズ』の音楽はテーマ曲以外にも海洋アドベンチャーとしての魅力も満載で、公開から40年が経過した今もリマスターなどが行われサウンドトラック盤が廃盤になることはほとんどないように思えます。

まとめ

映像面においても音楽面においても完成度の高い映画、『ジョーズ』。サメ映画の代表作として今なお君臨する名作です。真っ赤に染まる海、犠牲者の苦悶の表情など若きスピルバーグ監督は一切の妥協を許さず描ききりました。それに呼応したジョン・ウィリアムズも最高の形で音楽をあて、以降のコラボレーションを生み出すきっかけとなった作品です。

『ブリッジ・オブ・スパイ』ではウィリアムズの健康面を理由にコラボ記録が途絶え心配もしましたが、続くスピルバーグ監督の最新作『BFG』では再びコンビ結成。さらにはスピルバーグが製作に意欲を見せる『インディ・ジョーンズ5』にも引き続き登板するとウィリアムズ本人がインタビューで口にしたのも嬉しい情報です。

二人のコンビ愛は永遠の様子。まずは暑い夏にぴったりの涼しい映画、どころか背筋も凍る『ジョーズ』を、夏休みの一本に選んでみてはいかがでしょうか(最後まで意地悪)。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

(文:葦見川和哉)

    ライタープロフィール

    葦見川和哉

    葦見川和哉

    葦見川和哉 映画が好き。旅が好き。小説が好き。 映画開眼と同時に映画音楽の魅力にも取りつかれたサウンドトラック収集家。

    ピックアップ

    関連記事

    新着記事

    言語を選択

    私と映画Vol.7 メニコン 田中英成社長
    金曜映画ナビ
    八雲ふみねの What a Fantastics!~映画にまつわるアレコレ~
    能條愛未の「乃木坂週刊映画」
    スペシャル 写真家『早田雄二』が撮影した銀幕の女神たち
    antenna

    人気記事ランキング

    シネマズ公式ライター

    • あかめ
    • なぎさ
    • カツセマサヒコ
    • 立岡未来
    • 大場ミミコ

    シネマズ公式チャンネル

    教えて goo

    情報提供元:教えて goo