映画「ミュージアム」を「シン・ゴジラ」ファンが絶対観るべき理由とは?

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(C)巴亮介/講談社 (C)2016映画「ミュージアム」製作委員会

2013年よりヤングマガジンに連載された、巴亮介の人気漫画の待望の映画化、それが現在絶賛公開中の映画「ミュージアム」だ。

監督・脚本には「るろうに剣心」シリーズや、今年公開された「秘密」などの大友啓史監督を迎え、主演には若手人気俳優の小栗旬&妻夫木聡、共演に小野真千子と、正に万全の布陣で製作されただけに、原作ファン以外の間でも非常に話題となっていた作品だ。

今回鑑賞したのは、公開から1週間が経過したTOHOシネマズ新宿12時の回。客層も男女のカップルから女性一人での来場、年齢層も高校生からお年寄りまでと、幅広い観客層で場内は満員。確かに今後のヒットが実感出来る印象を受けたと言っておこう。

予告編を見ただけでは、猟奇殺人鬼VS小栗旬扮する刑事の対決!という印象だった本作。果たして、その出来はどうだったのか?

ストーリー

現場に謎めいたメモを残し、何故か雨の日にだけ残忍な猟奇殺人を繰り返す凶悪犯。その容疑者を追う刑事の沢村は、犯行現場に残された謎のメモや、まるでわざと見せ付ける様に置かれた死体から、カエルのマスクを被った犯人像にたどり着く。通称・カエル男と呼ばれるようになった犯人を追い詰めていく沢村だったが、過去のある事情から自分の妻子がカエル男に狙われることに。
更にはカエル男の仕組んだ残酷な罠により、妻や息子と共に沢村自身も絶望的な状況に追い込まれてしまう。果たして犯人の目的とは?

刑事ドラマと思わせて、実は非常に日本的な因縁や血縁関係が重要!

序盤から中盤にかけて、若干小栗旬の演技が単調過ぎるか?と思わせるのだが、犯人役の妻夫木聡の登場により、物語が別次元の方向に急展開すると、小栗旬の演技も俄然拍車がかかった様に輝きを増して行く。

彼の起用があればこそ、単なる熱血漢で仕事優先の刑事ではなく、後半のボロボロになった姿に観客が感情移入出来る様な、より人間的魅力のある主人公像となったに違いない。

その他にも、本作で犯人を演じた妻夫木聡の、もはや「やりきった!」ともいえる怪演振りは、今年出演した「怒り」での役柄に続き、彼の今までのイメージを覆す見事な演技だと言える。

単なる異常者や凶悪犯ではなく、実は自信も被害者である過去を持つ犯人の複雑な内面と特異な外見は、きっと彼の役者魂を燃え立たせるのに十分だったのではないか。

一見「セブン」のような欧米風刑事ドラマが展開すると思わせて、実は過去の親子関係や因縁・怨念が交差する、「イヤな後味のミステリー」な内容は、正に往年の角川映画の横溝正史原作物的世界だと言えるだろう。個人的にはラストの嫌な余韻も含めて、80年代角川映画のテイストを感じて、非常に懐かしい感じがしたと言っておく。

実はここでもう一人、主人公の父親を殺す通り魔役で一瞬だけ出演する、水沢慎吾にも是非注目して欲しい。今年公開された「怒り」でも、非常に重要な犯罪者役を演じた彼は、入江悠監督の「SR・サイタマノラッパー」で注目され、来年公開予定の「羊の木」では主要キャストの一人に選ばれるなど、単なる犯罪者役俳優を越えて、今後注目の役者と言えるからだ。顔が映るのは今回一瞬だが、そのリアルな演技と迫力は要チェック!

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(C)巴亮介/講談社 (C)2016映画「ミュージアム」製作委員会

「シン・ゴジラ」ファン必見!ばっちりメイクの市川実日子は、正に第三形態!

本作の隠れた見所、それは「シン・ゴジラ」でほぼノーメイクに見えた市川実日子の、メイク後の姿が見られる点だろう。「シン・ゴジラ」に例えるなら、正に「第三形態」に相当するその美しさは是非劇場で!

更には本作のラストで展開する、言わば「活動を止めたモンスターに自らの手で止めを差す市川実日子!」のその姿。それこそは、正に「シン・ゴジラ」で我々が見たかったシーンに他ならないので、ここも是非お見逃し無く!

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(C)巴亮介/講談社 (C)2016映画「ミュージアム」製作委員会

最後に

本作ラストの余韻を残す印象的なカット(ここも「シン・ゴジラ」と同様、良く見ないと気が付かなかったり見逃してしまうかも?)まで、実は「シン・ゴジラ」と合わせて、市川実日子目線で見ると面白さが倍増する本作。
お時間と余裕があれば、是非2本ペアでの鑑賞をオススメします。

(文:滝口アキラ)

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    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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