2014年12月17日

やさしい涙がとまらなくなる、山田洋次監督“初”のファンタジー最新作『母と暮せば』製作発表記者会見♪

やさしい涙がとまらなくなる、山田洋次監督“初”のファンタジー最新作『母と暮せば』製作発表記者会見♪

母と暮せば


山田監督“初”のファンタジー作品となる映画『母と暮せば』は、終戦から3年後の長崎が舞台。原爆で亡くなった息子が、ある日母親のもとに現れる…そこから物語がはじまります。時々現れては消えていく息子と、楽しかった日々の思い出話や残していった恋人の話…などをして、幸せな日々を過ごす二人の姿を描く、優しくて悲しい物語です。

映画化が決定した本作の製作発表記者会見が行われ、山田洋次監督と母親役を演じる吉永小百合さん、その息子となる二宮和也さん。そして二宮さんの恋人役として黒木華さんの配役が揃ってご登壇♪映画に向けて、現在の思いと意気込みを語って頂きました。

◎ご登壇の皆さんからご挨拶


山田監督からご挨拶


母と暮せば


「監督の山田です。こんなに多くの方にいらして頂いてビックリしております。
僕は50年を超える年月でずいぶん沢山の映画作ってきましたけど、この歳になって、こういう企画に巡り合えるっていう事は本当に“不思議な縁”を感じます。幸運だったな、と運命のようなものすら僕は感じているんです。
企画と言いましても原作があるわけでもないし、ストーリーがあるわけでもないんです。井上ひさしさんには「命の三部作」と呼ばれている、広島を舞台にした「父と暮せば」沖縄が舞台の「木の上の軍隊」そして、もう一作品 長崎を舞台に描きたかった作品があるんです。
それを果たせずに井上さんは亡くなったんですが、そのタイトルが「母と暮せば」というところまでは決まっていた、という話を聞いた時に、僕は“それ、映画に出来ないかな”と思ったんです。
別に、その映画を作って欲しいと持ち込まれた訳ではないんですが“それだったら僕に出来るんじゃないのか”と思って(井上さんの娘さんの)井上麻矢さんとお話させていただくうちに、なんとなく全体のカタチが僕の中に浮かんできたんです。
「父と暮せば」の場合は、お父さんが亡くなって娘が父と語り合う物語でした。そのカタチを真似れば、今度はお母さんが生きていて息子が死んでいる…。
舞台は長崎ですから、直撃と言っていいほどの原爆の被害を受け、学生や教授、附属病院の関係者を含め800名以上の方が亡くなったた長崎医科大学の中に、学生だった息子がいたんだ…。息子がいれば、当然恋人がいて残されているんだろうな…そういう事なんじゃないかな、と色々考えているうちに、もう俳優さんのイメージまで浮かんできてしまったんです。

それが今ここにいらっしゃる小百合さんであり、二宮さんであり、黒木さんだったんです。そのカタチがこうして実現できる事になり、僕は本当に幸運だな、と思っています。」

「まだまだ準備の段階ですが“生涯で一番大事な作品を作ろう”そういう気持ちで今おります。クラインクインはまだ先ですが、スタッフはもう1年もかけてずっと準備を進めています。見事に仕上げなきゃいけない、仕上げなきゃ井上ひさしさんにも申し訳ないし、長崎の皆さんにも申し訳ない。
頑張ってやり遂げよう、今はそういう気持ちで一杯です。」

原爆で失った息子を想う母親 福原信子 役
吉永小百合さん


母と暮せば


「今日はよろしくお願いします。また山田組に…“山田学校”に帰ってくる事が出来て、今とてもとても嬉しく思っています♪
二宮さんと親子の役という事なんですけども、全国の二宮さんのファンから怒られそうな気もしているんですが(笑)素敵な親子になりたいと思います。
黒木さんの映画を拝見して、なんて新鮮で素晴らしい演技をする方なんだろう、と思っていました。やっぱり女同士いい関係の芝居をしたいと思っています。」

「井上ひさしさんがまだ日本ペンクラブの会長をされていた時に「ぜひ原爆詩の朗読を」と依頼を頂いたことがあるんです。
その時ちょうど山田組で『母べえ』の撮影を行っていまして、両方はできないので…とお断りしたら「分かりました。山田監督ならきっと素晴らしい映画を作られるでしょうから期待しています」と、お手紙を頂いたんです。
一度もお会いする機会が無かったんですが、こういう形で井上ひさしさんの想いを映画にすることが出来るという事で、今日はとても心が踊っています♪しっかりと良い作品にするために山田組の中で頑張りたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。」

命を失った3年後、母親のもとに現れる息子 福原浩ニ 役
二宮和也さん


「すごく緊張しています!あの…すごく緊張しています(笑)!!
これまでずっと(画面の向こうに)観てきたお二人…いつも映画の中にいる方たちが目の前に飛び出てきたような感覚です。
すごく緊張してはいるんですけど、ここに呼ばれた意味、ここに座っている意味、それを自分なりに問い詰めながら、監督の指導のもと今から色んな物を吸収して、それを皆さんに観て頂ければなと思っています。」

「僕自身も(嵐というグループを離れて)一人で映画にでていくっていう事は普段とは一味違う経験になるのかな、という思いです。全国の吉永さんファンに怒られないように(笑)頑張ろうと思っています。よろしくお願いします!」

浩二の恋人で、彼が亡くなってからも母親の信子の面倒を見る佐多町子 役
黒木華さん


母と暮せば


「(緊張気味に)こんばん…は?佐多町子をやらせて頂く黒木華です。私こそ、二宮さんの恋人とか…本当に大丈夫なのかな、ってすごく不安なんですけど(笑)。
山田監督には勝手にお父さんのような…先輩のような気持ちを抱いているんです♪『小さいおうち』ではすごく素敵な経験を沢山させて頂いたので、また呼んで頂いてすごく光栄ですし、吉永さんや二宮さんのように素敵な役者さんと山田組で一緒にできるなんて、私は本当に幸せ者だな、と今は思っております♪」

松竹 迫本社長


「本日は皆さま、お集まり頂きまして本当にありがとうございます。
本作の公開日を来年2015年12月12日とさせて頂きましたが、これは来年 松竹が120周年という節目を迎える事にかけた訳ではありません。
12月12日は、小津監督の誕生日でもあり命日でもある、松竹にとって非常に重要な日であります。小津監督作品のように多くの皆さまに何十年、何百年と愛されるような作品になって欲しいという我々スタッフの願いを込めて公開日とさせて頂きました。
どうか皆さま、温かいご支援を頂きまして、この作品が永く愛されるようにご支援頂ければと思います。」

◎記者からの質疑応答


来年は終戦70年を迎えます。段々と戦争を知る人も少なくなる中で、崎を舞台にしたこの作品をどのような思いで撮られるのでしょうか?

山田監督


「僕が、この作品に巡りあって触発された事と戦後70年というのは直接関係ないんです。しかし、この映画が完成した頃にちょうど戦後70年を迎えるという事は、やはり不思議な巡り合わせを感じています。

僕の世代は少年時代に戦争を知っていますので、その時代を知っている僕達が語り残さなければいけない事がたくさんある。それを今のうちに語り残されなければいけないという思いがあります。

この作品は舞台が1948年になりますから、その時代を直接知っている人はもうとても少ないです。
終戦の3年後、4年後っていうのは、こんな暮らしをしていたんだという事を。原爆という大変な悲劇に見舞われた街の暮らしはこんな風だったんだという事を。その時代を観客にキチンと表現して伝えなければいけない。大変な仕事ですが、それをキチンとやりたいと思っています。」

吉永さん


「これは個人的な意見ですけども“戦後◯年”という言い方がずっと続いていって欲しいと思っているんです。ですから、戦後70年にこの作品に出演できるという事は、私にとってとても意義のある事だと感じています。」

二宮さん


「僕は今30代なんですけど、やはり教科書に書かれた文字や写真でしか戦争を知る事が出来ませんでした。
僕自身や僕の世代、またその下の世代の僕を日頃応援してくれているファンの皆さんが、この作品に触れる事によって戦争を知ってもらい“風化させない”という事が、僕の第一の使命かなと思っています。」

黒木さん


「私も戦争というものを“歴史”として勉強したことしか無いですし、映画などで観る事しか無いので…これからも体験しなくても良いように知るべき事が沢山あるな、と思います。
それを、この映画で自分も一緒に学ばせて頂きながら、皆さんに伝わればいいなと思いますし、伝えなければと思っています。」

山田監督


「漢字で“長崎”と書く場合と、カタカナやローマ字で“ナガサキ”と書く場合で、全然意味合いが違う。つまり“ヒロシマ、ナガサキ”とカタカナ書きされる場合は、これは20世紀の人類の歴史として記憶に留めなければいけない非常に大きな名前になっていきます。東京や大阪をはるかに超えて、世界中の人が知らなければいけない地名だと僕は思っています。

その“ナガサキ”を舞台にした映画を今回は作るんだ、そういう気持ちでおります。」

母と暮せば


ずっと“家族”を描いてこられた山田監督。構想中にキャストが浮かんだという吉永さんと二宮さんでは、どのような母子像を描きたいのでしょうか?

山田監督


「この親子は、仲の良い親子だったと思いますね。お母さんにとっては本当に可愛い息子、冗談が好きでしょっちゅうふざけてお母さんを笑わせて、時には悪戯をして困らせている…そんな“甘えん坊”として育ったに違いない。ダジャレを飛ばしていつも皆を笑わせているような、愉快で快活な青年なんです。

そんな息子が可愛くて仕方がない母親が、突然 息子を失ってしまう。生きていく気力も失い何度も死のうと思った母親の前に、ある日息子が現れる…そんな形の親子なんですね。」

「ふしぎな岬の物語」ではプロデューサーも経験された吉永さん。また今回は女優に立ち返って山田組に臨まれますが、どんな心持ちでしょうか?

吉永さん


「とても嬉しいことですね♪『母べえ』でも『おとうと』でも子供は“女の子”だったんです。今度はじめて二宮さんという“男の子”の母親になるんですけど、それがこれまでとちょっと違うかもしれないですね。
そういう所をまた監督に指導して頂きながら、どんなお母さんを作り上げていくかワクワクドキドキ…二宮さんと一緒で緊張しています(笑)♪」

山田監督


「やっぱり息子にとって母親は、ちょっと“恋人”みたいなんですよね。」

母と暮せば


これまで長崎を舞台にした作品に関わられたり、またプライベートで行かれた際の印象やイメージは?

山田監督


「なんてスゴい“坂道ばかり”の街なんだろう、と。この街で年をとる人は大変だろうな、と思いましたね(笑)
僕自身、坂道を歩いていくとフゥフゥ言っちゃって…あの街はスゴい所ですよね!

これまでも何度も撮影で長崎に行ったことがあるんですが、原爆をテーマにして考えると、今回これまで見てきた長崎とは“違う”長崎を見た気がします。
あの複雑な地形…坂の多いかなり不思議な街ですよね。そこに原爆が落ちたとなると、被害のあり方も複雑であったに違いない。それが広島との違いなんだろうな、と街を歩きながら考えていました。

あらためて長崎に住む人と、あの坂道と、坂道の上から見下ろした美しい海。それは長崎ならではの独特な物なんだな、と感じています。」

吉永さん


「長崎には、浅丘ルリ子さんたちと一緒に美味しい皿うどんをいっぱい頂いた記憶もありますけど、『若い人』という映画で石原裕次郎さんと一緒にオランダ坂を登っていった思い出があります♪

日本だけど本当に“国際的な”街ですし、やはり長崎独特の文化があって行けばいく程それを感じるんです。今回も楽しみにしております♪」

二宮さん


「僕自身はじめて長崎に行く事になるんです!
今回のロケで行ったり、そこで観る景色というのが僕の中で長崎のイメージになっていくのかな、と思っています。

ハウステンボス!長崎ちゃんぽん!…今このくらいの“深さ”ですけど(笑)。撮影が終わることにはもう少し深いところにイケルと思います!」

黒木さん


「私も修学旅行で行った思い出しか無くて…(笑)。

私は山田監督が仰られているリアルには知らない世代なので、今回長崎に行って素敵な所だけではなく、その時代の事も知りたい。自分が演じる事で感じる事があると思うので、こういう機会が頂けた事を嬉しく思っています。楽しみです。」

母と暮せば


やさしい涙がとまらなくなる、山田洋次監督 初のファンタジー映画『母と暮せば』は2015年12月12日(土)全国ロードショー!

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