松永監督“杉咲花の一番いい瞬間を撮れた”『トイレのピエタ』公開前夜祭トークショー

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編集部公式ライターのアスカでございます。

2015年6月6日(土)に公開の映画『トイレのピエタ』。前日の5日には公開前夜祭としてトークショーが行われ、松永大司監督とヒロインの真衣を演じた杉咲花さんが登壇しました。

杉咲花さんは会場に集まった客さんの多さに驚いている様子でしたが、実は監督と二人でのトークショーに出演するのはこれが初めてとのこと。

監督「(杉咲花さんに)二人きりだと嫌だ、と言われるのが怖かったです。」
杉咲「言わないですよ〜。そういうの本当にやめてほしいなって思います。」
監督「監督に泣かされた、って取材でたくさん書かれてるけど、虚像ですよ虚像。」

と、序盤からお二人の仲の良さがにじみ出てくるやりとりに会場は大盛り上がり。終始和やかな雰囲気でトークショーは進んでいきました。

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杉咲花さんと松永大司監督のお互いの印象は?


監督は主役の宏役にRADWIMPSのボーカルである野田洋次郎さんの採用を決めた後に、今度は真衣役の女優を決めるオーディションを1年かけて実施。パワフルな真衣を演じる役者さんには内面にパワーを持ってる人を望んでいたんだとか。

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初めて杉咲花さんに会ったときには「はじめまして」と言った声が本当に小さく、この子はきっとないだろうなぁ〜と思ったそうです。しかし、

「オーディションやって芝居してもらったら、もうすごいんですよ。本当にパワーがすごくて。そのギャップに驚きまして、最終的には主演の野田洋次郎との相性をみて、どの役者さんと演じると化学反応が起きるかなと思ったときに杉咲花と野田洋次郎の組み合わせがとにかくすごく良くて、この二人でやろうと決めました。」

と、杉咲花さんの内に秘めた実力に驚かされたことを暴露。
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一方、監督についての印象を尋ねられた杉咲花さんは

「泣かされたことをよく覚えています。あと、監督の第一印象はすごく背が高くて、前髪が斜めで。」

と言った瞬間に会場が大爆笑。拍手まで起き、場の雰囲気がますます明るく。監督は、

「泣かされたって言いますけど、泣くシーンの芝居なので泣いて当たり前なんです。それでーー」

と、ここで言いかけた監督に再び杉咲花さんが割って入り、

「でも、台本には泣くって書いてなかった!監督の中で台本が完成しているからですよ。(台本には)感情が溢れ出す、ってありましたもん。」

「そうそうそう!それが泣くってことだったの!あぁ〜、そっかじゃあ俺が悪かった。」

と、若きパワーのツッコミにたじたじになる監督がとてもおちゃめに感じました(笑)

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家でもずっと“真衣”のまま


さて、撮影では苦労した点もあったようです。真衣を演じたことについて聞かれた杉咲花さんは、1年がかりでオーディションしてきた中で、自分ではすっかり役ができあがっていたと思っていたのに、監督からは全然違うと指摘されたんだそうです。

「そこから新しく役作りをしていったんですが、リハーサルは2日間とか短くて、かなり追い込まれて泣かされたりしました。でも、そこで監督が全部引き出してくれたし、洋次郎さんがずっと宏でいてくれて自分が真衣になれる環境を作ってくださったので、そのときに自分の中で役作りができた。現場に入ってみるとスタッフの皆さんが稽古の世界を作ってくれて、撮影期間中に真衣でいない時間はなかったです。」

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これを受けて監督は

「撮影期間中はずっとその役を背負っててほしいなと思っていました。そのぶん役者には負担がかかってしまうんですけど、二人はかなりそうなってましたね。すごい大変だったと思います。」

「現場では大変じゃなかったですけど、家に帰ると母に迷惑をかけました。けっこうイライラしてたし、急に泣き出したりとかして、(母は)現場で何が起きてるかわからないから、やめてほしいって言われました。でも、(家でも)そうしていないと真衣でいられなくなっちゃうから、私は最後までそうしていました。」

ハチャメチャな性格な真衣を自宅でも演じ続けていた杉咲花さん。これについては監督も「ありがとうございました。」と、ずっと役に入り込んで頑張ってくれた杉咲花さんに感謝の気持ちを伝える場面もありました。

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『トイレのピエタ』を超えなきゃいけない


完成した作品を見た杉咲花さんは

「完成したのを見る前に監督から、この映画は僕から洋次郎と花へのプレゼントだからと言われたんですね。映画を観終わったら、あぁ、最高のプレゼントだなと思いました。こんなすごいものに出会ってしまったから、これから私は(この作品を)超えるようなものを作らないといけないんだなと思いました。」

と、『トイレのピエタ』が作品として素晴らしい仕上がりになったこと、今後はこれ以上の演技でさらに女優として成長したい気持ちを口にしていました。
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杉咲花の一番いい瞬間を撮ることができた


最後に、本作でメガホンをとるだけでなく脚本も手掛けた松永大司監督はご自身の原作本に関する話の中で、

「やっぱり映画を観てもらいたいです。僕は杉咲花のあどけない顔がどんどん女の子に変わっていく過程の一番いい瞬間を映画に撮らせてもらいました。こうやって(今回のトークショーで生で)見たお客さんがあとでスクリーンで見たら、もしかしたら昨日よりもちょっと若い、あどけない、と思うかもしれない。それはある意味、彼女と野田洋次郎のドキュメンタリーであると思います。物語とは別のところでもこの作品は価値を持っているなと思っています。それが映画館のスクリーンで伝わるように撮っていますし、とにかく本当にいい人たちが映画に参加しているのでぜひ観に行ってほしいです。」

と、原作本も読んでほしいけど、映画館で大きなスクリーンで観てほしいことをおっしゃっていました。

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今までたくさん受けた質問の中ではっきり答えていなかったこととして、この『トイレのピエタ』を楽しむ方法は、まず映画を観て、原作本を読んで、また映画を観るのが一番いい、と教えていただきました。杉咲花さんも「私もそう思います!」と、お二人の意見が一致。なるほど、これならどっぷりと『トイレのピエタ』に浸かることができますし、細部まで楽しめそうですね!

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今回初めて二人きりでイベントに登場した松永大司監督と杉咲花さんでしたが、息がピッタリでまるで親子のような兄妹のような仲の良さをずっと感じられました。取材を通じ、杉咲花さんは17歳にもかかわらず、落ち着いた雰囲気を持ちながらも感じたことはハッキリ言葉にする強さを併せ持つ素晴らしい女優さんだな〜と思いました。笑顔がとても可愛かったですし、今後のご活躍にもぜひ期待したいです!

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そうそう、先に試写したシネマズ公式ライターの大場ミミコさんが『トイレのピエタ』を大好きになったそうで、松永大司監督へその想いを伝えたそうです!そのときのレポートはこちら

2015年6月6日(土)に公開となった『トイレのピエタ』。まずは劇場でチェックしましょう!

(文・写真/アスカ)



(C) 2015「トイレのピエタ」製作委員会

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