不思議で初めての経験―常盤貴子インタビュー『向日葵の丘 1983年・夏』
――そんなロケ現場にご自身の撮影がある前に入られていましたが
事前に現場を見たかったので。それは作品の内容にもよるんですけど、舞台となる町を知っていた方がいい場合と、そうじゃない場合もあるし、現場でどんな風にこの作品が作りあげられて私の撮影の日があるのか、見ておけると安心できますし。
写真:常磐貴子さん演じる多香子の、高校時代時代を演じた芳根京子さん
今回は私の若い頃の役(芳根京子)の雰囲気も見ておきたかったんです。彼女がどんな風に笑うのか、どんな癖を持っているのか、特徴を私が演じる未来に繋げていきたいと思っていたので。幸い彼女には特徴がハッキリあったので、自分へどう反映させていくか掴めたような気がしました。あとは映画を観た観客のみなさんに感じてていただきたいです(笑)
――他の俳優さんたちも、自分の撮影がない日に現場にいらしている姿を拝見しました
そういう姿を見ると、役者として「こうありたいなあ」と刺激を受けるし、共演する者としてとても誇りに思いますね。田中美里さんも藤田朋子さんもそう。今、そういう風に役作りのために、撮影日より前に現場に入ってくる役者さんって少なくなってるような気がするんですよね。すごく重要なことだと私は思うんです。
私は2人が自分と同じタイプの役者さんだと知れただけで信頼してしまいます。今回そんな3人が同級生役だったということも、映画の中での号泣シーンに繋がるんでしょうね。今考えるとなんであんなに泣いたのかさっぱり分からない(笑)何かの力が働いたとしか思えない時間でした(笑)それが映画の持つ力なんだなあと。
多分、それぞれの俳優たちが自分の役の過去を埋めて現場に入っているから、それを3人が共有していることでしっかりと同じ過去、同じ時間を見ていられたんでしょうね。すごく不思議で、初めての経験でした。
――田中美里さん、藤田朋子さん、別所哲也さんらとのコミュニケーションは?
今回みなさん初めての共演だったんですけど、周波数が合うというんでしょうか。それが私には一番大きかったので撮影現場で不思議な化学反応が起きたんだと思うんです。
撮影していて「なんだ、これは?」って、自分でも驚いてしまうこともあったし。俳優としての在り方、現場でのみなさんの居住まいが「好きっ!」て思ったんですね(笑)そこには太田監督がそういう周波数を持つ俳優たちをキャスティングしているということも大きいと思うんです。
こういう映画のこういうお話、こういう役どころならノッてくるであろうというね(笑)そこに私たちはまんまと乗せられてしまったんじゃないでしょうか(笑)
2015年8月22日より全国公開
大林宣彦監督に師事した太田隆文監督が脚本・監督をつとめる本作。今回インタビューを受けた、常盤貴子さんが演じるヒロイン・多香子を取り囲む友情と映画を描いた感動作となっています。映画『向日葵の丘 1983年・夏』は2015年8月22日から東京・品川プリンスシネマほか全国で公開。
http://himawarinooka.net/img/himawari.mp4
(C)2015 IPSエンタテインメント
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