同世代に向けたエロスと情緒―映画『赤い玉、』奥田瑛二・単独インタビュー
(C)「赤い玉、」製作委員会
―奥田さんが演じた主人公・時田は、映画監督の役で、奥田さん自身も映画監督でいらっしゃいますよね?
監督にしてみれば鬼に金棒ですよね。絵かきで俳優の人に絵かきの役をさせたら、指導の人が来て「その筆はこういう時使いません」なんて言わなくて済むし、何をやってもそこにリアリティがある。大学で教えた経験もあるし、僕が映画監督で大学の講師役をすれば、それは安心できる。
―そして、なによりもエロスですね。
エロスに関していえば、エロスの俳優としては十二分にやってきましたし、僕は制限なく、肉体をさらけ出すということで臨みましたよ。
(C)「赤い玉、」製作委員会
―本作で奥田さんと濡れ場を演じた不二子さんと村上由規乃さんの2人は、エロスに関してどうでしたでしょうか?
2人とも僕だからある程度覚悟して臨んだんじゃないですかね?主演の僕がさらけ出せば、女優さんもさらけ出さないわけにいかない。それは暗黙のうちにお互いが理解し合えることなので。
―濡れ場を演じる上で苦労される点は?
何もないですね。濡れ場は普通の生活のことだから。気にしてどうするって話です。時田はこういう暮らしなんだなと思ったら、時田として自然に演じるだけです。
(C)「赤い玉、」製作委員会
―今回の現場には若い学生のスタッフたちもいらっしゃったそうですね?若い学生スタッフさんにはなにか“エロス”について教えたのでしょうか?
例えば風呂から出てきてビールを飲むシーンなんて、当然風呂あがりだからすっぽんぽんですよね?そういうのを最初から見せておけば、現場の若いスタッフも、俳優が身を挺してやっていることで、そこに尊厳、つまり演じる人へのリスペクトが生まれるんだよね。
少しだけ教えたのは、濡れ場が終わって2人ともすっぽんぽんだから、カットがかかったらすっと来てタオルをかけてあげるんだと。そういったことが彼らにとってはいい経験だったと思います。
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