“生と死の三部作”の誕生―名匠ガス・ヴァン・サントの最新作『追憶の森』

追憶の森 ガス・ヴァン・サント監督1



アカデミー俳優マシュー・マコノヒーと日本を代表する国際派スターとして活躍を続ける渡辺謙。演技力と存在感で映画界に確固たる地位を築いた2人が初めてタッグを組み、ガス・ヴァン・サント監督と共に生み出した映画『追憶の森』が公開中だ。

生と死を描く監督、ガス・ヴァン・サントの新作『追憶の森』


追憶の森



映画『追憶の森』は、自殺するために日本の青木ヶ原樹海へ入ったアメリカ人男性が、出口を探してさまよう日本人男性との出会いによって、生きる目的を取り戻す様を描く感動のミステリー作品。主人公アーサーをマシュー・マコノヒーが、樹海で出会う日本人タクミを渡辺謙が演じる。

追憶の森 ガス・ヴァン・サント監督2



本作でメガホンをとった名匠・ガス・ヴァン・サント監督の生まれはアメリカ、ケンタッキー州のルイヴィル。彼は幼少期にオレゴン州ポートランドへ移る。

映画製作やその他のアート作品制作などの多くは、ポートランドで創っており、ポーランドを舞台にした作品『マラノーチェ』(1985)『ドラッグストア・カウボーイ』(1989)『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)はファンの間で“ポートランド3部作”と呼ばれている。

また、“死”をテーマにした作品も数多く送り出しており、『GERRY ジェリー』(2002)、『エレファント』(2003)、『ラストデイズ』(2005)は、“死の三部作”と呼ばれている。

現在公開中『追憶の森』は、”死”と同時に“生”がテーマとなっており、同様に“死”と“生”についても描かれたガス・ヴァン・サント作品が、『パラノイドパーク』(2007)と『永遠の僕たち』(2011)だ。




パラノイドパーク

『パラノイドパーク』
16歳の少年アレックスは始めたばかりのスケボーに夢中。その日も、スケボー少年の聖地・パラノイドパークで遊んでいる最中、ふとした偶然から鉄道警備員を死なせてしまう。おびえ、悩み、不安に駆られながらも、何事もなかったかのように日常生活を送るアレックスだったが……。思春期の少年の揺れ動く内面をリリカルに見つめた青春ドラマ。
 
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(C)2007 mk2

永遠の僕たち DVD

『永遠の僕たち』
交通事故で両親を失い、臨死体験をした少年・イーノック。話し相手は、彼だけが見える死の世界から来た青年・ヒロシだけだった。他人の葬式をのぞいて歩くことを日常とする死にとらわれた少年は、そこで余命3か月と告げられた少女・アナベルと出会う。死にとらわれた少年を主人公に描く奇妙で切ないピュア・ラブストーリー。
 
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(C) 2011 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.




映画『追憶の森』でアーサー役のマシュー・マコノヒーは、「このストーリーだと、暗くて陰気な映画になってもおかしくなかった。何しろ"自殺の話"だからね。」と語る。

しかし、ヴァン・サント監督は、これを暗い話にではなく、このドラマの中に明るい面を見つけようとしたとのこと。タクミ役の渡辺謙は「どうやって死というものを受け止めるのか。どうやって大切な人を自分の中に生かし続けさせるのか、この映画は、​一旦​立ち止まって​、今自分の周りには誰がいるのか​、​誰が支えてくれるのかを確認し、ゆっくりと歩みを進めていただける作品となっていると思います​」と語っている。

『パラノイドパーク』『永遠の僕たち』とあわせて“生と死の三部作”の誕生となった映画『追憶の森』は、現在大ヒット公開中。

追憶の森


(C)2015 Grand Experiment, LLC.

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