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2016年06月10日

世界で最も優れた10本の政治映画―『チリの闘い』劇場公開決定

世界で最も優れた10本の政治映画―『チリの闘い』劇場公開決定

チリの闘い



1970年代のチリにおける政治的緊張と、社会主義政権の終焉を記録したドキュメンタリー映画『チリの闘い』の劇場公開が決定した。

パトリシオ・グスマン監督『チリの闘い』劇場公開決定!


東西冷戦期の1970年、チリでは選挙によって選ばれた世界初の社会主義政権が誕生し、サルバドール・アジェンデが大統領に就任した。「反帝国主義」「平和革命」を掲げて世界的な注目を集め、民衆の支持を得ていたが、その改革政策は国内の保守層、多国籍企業、そしてアメリカ合衆国政府との間に激しい軋轢を生んだ。やがて民衆の生活は困窮。チリの社会・経済は混乱に至った。1973年9月11日、陸軍のアウグスト・ピノチェト将軍ら軍部が米国CIAの支援を受け、軍事クーデターを起こす。アジェンデは自殺。以後、チリはピノチェトを中心にした軍事独裁政権下に置かれた――

チリの闘い ポスター

映画『チリの闘い』は、第1部・ブルジョワジーの叛乱(1975)第2部・反乱(1976)第三部・民衆の力(1978)の全3部構成で、全編4時間23分にわたってチリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を記録したドキュメンタリー作品。メガホンを取ったのは『光のノスタルジア』『真珠のボタン』のパトリシオ・グスマン監督。
 
本作は、1975〜78年とおよそ半世紀前に撮られた映画であるが、パトリシオ・グスマン監督自身が、1973年9月11日のクーデターを契機に逮捕、キューバ、スペインを経てフランスに亡命したことで映画の完成がままならない状態になったが、映画監督クリス・マルケルやキューバ映画芸術産業庁(ICAIC)の支援を得て完成。今ではラテンアメリカのドキュメンタリー映画を代表する名作として知られ、アメリカのシネアスト誌では「世界で最も優れた10本の政治映画の1本」として紹介されている。
 
このたび『チリの闘い』の劇場公開を記念し、2016年8月24日(水)から8月27日(土)東京水道橋・アテネ・フランセ文化センターで「パトリシオ・グスマン監督特集」が行われることも決定。過去作『ピノチェト・ケース』『サルバトーレ・アジェンデ』などの上映や「政治と詩が出会うところ グスマンの魅力」などのトークショーが開催される。また、最終日の8月27日には『チリの闘い』の特別先行上映が予定されいる。
 
映画『チリの闘い』は、2016年9月、ユーロスペースにて劇場公開。



(C)1975, 1976, 1978 Patricio Guzmán

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