映画コラム
ヒーローだけが主役じゃない?みんなの持ち味が活かされる学園コメディ「スカイ・ハイ」
ヒーローだけが主役じゃない?みんなの持ち味が活かされる学園コメディ「スカイ・ハイ」
スーパーヒーローだと期待されている少年が、ただの平凡な高校生だったというわかりやすい展開のディズニー映画があります。でも実はこの作品、そのわかりやすい展開の中に「みんな違って、みんないい」という素晴らしいメッセージが込められているのです。
そこで今回は、『スカイ・ハイ』をご紹介したいと思います。
ゆうせいの「あっちじゃない方の気持ちいい映画」
スーパーヒーローの両親から生まれた平凡な少年
怪力の父親と空が飛べる母親から生まれ、絶対の将来を期待された息子のウィル。誰もがそんな彼のスーパーパワーに注目している中、実は何の能力も持たないただの少年という設定です。
物語は、ヒーローの子どもだけが通う天空の高校『スカイ・ハイ』に、彼が入学するところからスタートします。
医者の両親の息子ってだけでもプレッシャーが半端ないと思いますが、スーパーヒーローの両親ってどんだけ?と思ってしまいます。
自分は医者になれるほど勉強が得意じゃない。みたいな感じで、彼にはスーパーパワーが無いわけです。
無いなら無いで他の道を模索すればいいわけですが、それにすぐ気がつけるわけもなく、友達のことや、目の前のこと、そして女の子のことで頭がいっぱいなので、なんとなく進むしかないわけです。
私はアメリカの高校に通ったことはありませんが、向こうの学園ドラマなどを見ていると、かなり強烈なヒエラルキーが存在し、冴えない男女はかなりキツイ仕打ちを受けたりするじゃないですか?
これって、ヒーローの学校でもやっぱり同じで、やはりスーパーパワーを持つ者が偉くて、大したパワーではない者、またはパワーを持っていない者は、ヒーロー活動においてもサブ、つまりサポート側に回されてしまうのです。
なんだかとっても切なくなる展開が続くのですが、さすがスーパーヒーローの両親から生まれただけあって、ボロは着てても心は錦。たとえパワーを持っていなくても、気持ちでは負けないところが何とも健気であったりします。
と思っていたら突然の覚醒!しかし…
そんな健気な彼に同情しようと思っていたら、突然パワーが覚醒し、なんだやっぱりスーパーヒーローじゃんっていう実に気持ちのいい展開になります。
今までよくもやってくれたな!
俺様のスーパーパワーを喰らえ的な展開です。
とは言え、貧しい家の子どもが突然お金持ちになって、今まで仲良くしていた友達を見捨てて金持ちチームに入る感じとそっくりでもあって…
ただのヒーロー映画ではなく、手を変え品を変えての青春学園ドラマそのものなのですが、使い古された手法である純情からの青春そして恋愛みたいな展開に、スーパーヒーロー要素が加わったことで、最後まで気持よく鑑賞できるようになっています。
パワーを得たウィルが、増長から招く失敗とは?
覚醒前からウィルを想っている幼なじみレイラの恋は?
そこにお決まりのように起こる学園パニック!
除け者のされていたサポート組のパワーが大活躍?
果たして学園の危機を救うのは誰なのか!?
もうハッピーエンド濃厚というか、むしろ確実なわけですが、それでもやっぱりヒーローとサポートが一丸となって成長しながら解決するところを見てしまうのが、この映画の魅力とも言えます。
ヒーローにも、サポートにも、それぞれの持ち味があって「みんな違って、みんないい」を教えてくれますよ。
それではまた。
ご存知、ゆうせいでした。
(文:ゆうせい)
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