映画コラム
夏こそ、自然に触れ、己を知る3つの映画
夏こそ、自然に触れ、己を知る3つの映画
Photo via VisualHunt
夏、夏、夏ですね!暑いからこそ熱く、沢山楽しむ夏にしたいですね。みなさんも色んなところに行く機会があると思います。夏本番の今だからこそ、たまには涼しく、でも目頭は熱くなるような豊かな自然溢れる映画をご紹介します。
自然のなかで育つ
『リバー・ランズ・スルー・イット』
兄弟の存在って人生において、とても大きい。幼いころから互いに尊敬し合い、時には良き友のように、そして時には良きライバルとして。牧師である父の説教、日々の教育、そしてフライ・フィッシングを通して兄弟は生きることの素晴らしさ、厳しさを学んだのだと思います。フライ・フィッシングはとても優美で、しなやかでありながら獲物が食いついた瞬間の力強さ、粘り強さは見ていて息を呑みます。
吸い込まれていくような青さ
『グラン・ブルー』
映画のほとんどがブルー。それは海が舞台だから。登場人物たちはフリー・ダイビングをしているのですが、とても危険だそうです。ボンベもつけずに一息で深く、暗い、海の底を目指し、自分を追い込んでいきます。しかし、なぜ彼らは潜るのだろうか。それは、自分の、人間の限界を求めているというよりは真の自由になれる限界を目指しているからだと思います。映画で主人公はイルカが唯一の心の拠り所なのですが、心の内にはイルカのように自由には泳げないもどかしさ、不自由さ、いつかイルカのように泳ぎたいという希望など複雑な思いを秘めているそんなどこか哀しげな目をしていました。
山に帰ろう
『ブロークバック・マウンテン』
あの、ひと夏の出来事が、その後の人生の何年、何十年も語られるようなそんな濃密な時間を過ごせたらどんなに素晴らしいだろうか。そんな特別なことではない。ただ共に笑って、寝て、ご飯を食べて、とかそんなこと。映画では、羊の放牧を行う季節労働者の雇われで、たまたま出会った男二人が、日々を共にし、ある日、一線を越えてしまう。時代も違えば、今ほど同性の愛の理解は乏しかった、それでも二人の愛は深く、ひと夏の出会いだったにも関わらず続いていきます。何歳になっても出会える関係を築いていきたいものです。
梅雨も明け夏も本番。色んなところに赴く機会があると思います。いつもとは違った場所、いつもと違う時間の流れ方、いつもと違う空気、初めて出会う人、初めて見る景色……。何をするにしても新鮮で、特別なことです。今は今しかないです。色んな冒険を楽しんで、新しい自分を発見できるそんな夏を過ごしたいものですね。
(文:よしかわあやの)
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