映画コラム
『殿、利息でござる!』をいまの日本人すべてに観て欲しい5つの理由
『殿、利息でござる!』をいまの日本人すべてに観て欲しい5つの理由
『殿、利息でござる!』のブルーレイとDVDが、10月5日(水)より発売となります。ここでは本作の魅力と、全ての日本人に観てほしい理由を上げてみます!
1.実はヒューマニズムに溢れた感動作だった!
劇中では、“殿様に大金を貸し付け、利息を巻き上げる”という、一聞してムチャクチャな計画が持ち出されます。
この計画に様々な“正義”の思想が入り混んでいるというのが物語のミソ。
次々と登場人物の過去や心情が明らかになり、「この人物はこういうことを考えていたのか!」という驚きは、ミステリー映画のような面白さがあるだけでなく、“人を噂や見た目で判断してはならない”という大切なことを教えてくれます。
その問題解決までの過程は、多くの人の琴線に触れるでしょう。クスクス笑えるコメディシーンも多く、本質はヒューマニズムに溢れる人間ドラマという魅力的な作品なのです。
2.当時の事情がとってもわかりやすい!
本作では “江戸時代の庶民にまつわるうんちく”がたっぷり登場します。
例えば、当時は読み書きができる者が半分にも満たなかったため、“口頭での読み聞かせ”で法令を伝えることが重要になっているなど。こうした要素が映像で観られるというのも面白いのです。
嬉しいのは、濱田岳さんのナレーションにより、当時の用語がわかりやすく解説されていること。
しかも、当時の貨幣価値を現在のお金に概算してくれるので、この計画がいかに困難なものであったかを、より簡単に理解できるようになっています。
3.現代にも通じる問題が描かれている!
この映画で何よりも優れていることは、劇中で描かれた問題点が、今の時代にも当てはまるということです。
庶民には重税が課せられ、上の役職にいる者が甘い蜜を吸えるという社会的構図は、どの時代でも、どの場所でも起こりうる普遍的な問題です。人間ドラマを展開しつつ、確かな社会性もある物語なのです。
特に、“借金を背負う個人”ではなく“世の中のしくみの問題点”を指摘する過程、瑛太演じる知恵者が終盤に口にする“本当に偉い者は誰か”ということを聞いて、共感する人は多いでしょう。
また、お上にこの問題を訴えたのは、社会的な地位がある者ではなく、あくまで苦しんでいる仲間や家族を大切に思っている庶民でした。
この映画が訴えていることは、ここにあるのでしょう。世の中を変えることができるのは、政治家だけでなく、実際にその場所で生活をしている庶民その人たちであると—。
この映画を観れば、日本人の誰もが、現実にある社会的な問題を考えるきっかけになるはずです。
4.長く苦しい戦いであるからでこそ、意味がある!
本作で注意しておくことは、「一発大逆転!」な痛快な作品ではないということ。登場人物がやっているのは、“地べたを這いつくばってでも、殿様に大金を貸し付けるために銭を集める”という“我慢”がほとんどなのです。
この観る前のイメージとのギャップは、泥くさく地道に金にまつわる計画を立てていた『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を彷彿とさせました。
本作には“実際に政治を動かすためにはここまでの努力が必要である”という説得力があります。我慢に我慢を重ね、長い年月をかけないと、簡単には世の中の問題を解決できない。そのような“重み”を感じるのです。
5.豪華な俳優陣、とくに羽生結弦選手を見逃すな!
本作は豪華な出演者も魅力のひとつ。阿部サダヲ、瑛太、山崎努、妻夫木聡、松田龍平、千葉雄大など、ベテランから人気若手俳優までがたっぷり登場するので、多くの方に訴求できるでしょう。
個人的に特にハマっていたと感じたのは、軽薄すぎるキャラ遠藤寿内を演じた西村雅彦さん。このキャラクターは笑わずには、そして愛さずにはいられません。
そして、フィギュアスケーターの羽生結弦選手の俳優デビューという話題性もあります。実際、しかも、劇中での羽生選手の演技はとても匠で上手。特別な存在感を見せています。彼のファンは、これだけでも必見でしょう。
参考記事:羽生選手の登場シーンの俳優陣の驚きは素だった!?『殿、利息でござる!』ブルーレイ&DVDの特典映像はこれだ!!
まとめ.原作のあとがきも必読!
本作は“実話”ということも重要な意味を持つ作品です。そのことは、磯田道史さんによる原作『無私の日本人』のあとがきを読んでもわかります。
そこには、磯田さんがとある手紙をきっかけとして資料を集めたこと、日本という国の“これから”を危惧していること、尊い人物たちの生涯を今でこそ書かなくてはならないという心情、そして日本という国にある素晴らしい“哲学”などが書かれています。
このあとがきを読んで、自分は資本主義のこの国において、お金を稼ぐことや社会的地位がいかに重要視されても、本当の“大きな人間”は決してそういう人間ではない、ということを改めて思い知らされました。
『殿、利息でござる!』の劇中でも、その“大きな人間”がかつての日本にいて、いかに尊い存在であったかを、たっぷりと描いています。
このような人が多くなれば、この国はもっともっと豊かな国になり、多くの人が幸せになれる……そう思わせてくれるからこそ、この映画は今の日本人すべてに観て欲しいのです。
『殿、利息でござる!』のブルーレイとDVDは、10月5日(水)より発売。
どなたでもご応募頂ける「3億円が当たるかも!?プレゼントキャンペーン」も実施中!
http://tono-gozaru.jp/cp/
お見逃しなく!!
http://tono-gozaru.jp/dvd/
■このライターの記事をもっと読みたい方は、こちら
(文:ヒナタカ)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。