映画コラム

REGULAR

2016年08月26日

果たして子どもたちは、事件を解決できるのか・・・!?

果たして子どもたちは、事件を解決できるのか・・・!?

ソロモンの偽証 後篇・裁判


(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会



もう一度、事件を調べてください。
刑事を父に持つある生徒は、死の真相を知るため「学校内裁判」を思いついた・・・。


宮部みゆき原作の映画『ソロモンの偽証前篇・事件』『ソロモンの偽証後篇・裁判』を本日はご紹介致します!

クラスメートの死から始まる『前篇・事件』


 江東区城東第三中学校で生徒・柏木の死体がを藤野涼子が見つかったことから物語は始まります。事件性はなく遺書もないことから自殺と断定。さらに、生徒の松子が交通事故に遭い死亡してしまう。はじめは告発状や報道などで騒がれていたものの時が過ぎていき事件が風化していくのを感じた涼子は自分たちで事件を解決しよと「学校で裁判をする」と決めるのだった。

前篇の見どころは、クラスメートとの人間関係。


ソロモンの偽証 前篇・事件


(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会


いじめっ子やいじめられっ子、容姿にコンプレックスのある子などなど。どこにでもいそうな子たちばかり。自らと照らし合わせて感情移入してしまうことも。

普遍的でどこにでもある環境、そういうものを土台にしたミステリーこそ宮部みゆきの真骨頂といえるでしょう。また告発状を出した人間。これに関するエピソードは後篇でも大きな影響があるので注目してみてください。

 前篇は学校内外でのいろいろな出来事を面白く見せてくれます。後篇の謎解きのために、前篇で人物関係をしっかり把握しましょう。それがより物語を楽しむために必要なのです。

[ソロモンの偽証 前篇・事件](2016年8月26日現在配信中)
b_dtv

b_hulu

b_geo.jpg

b_hikari

b_netflix

b_amazon

b_jcom

b_auvideo

b_itunes

b_googleplay

b_bonobo




全てが明らかになる『後篇・裁判』


ソロモンの偽証 前篇・事件


(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会



 学校裁判の準備のため、関係者たちに出廷のお願いをして回る涼子たち。そしていよいよ始まる裁判。次々と明らかになる真実。

 こちらの見どころは、その生徒たちの裁判でしょう。事実を突き付けられて白熱するやりとり、責任を取りやめていった教職員の心情。そして最後まで本当のことを明かさない生徒。また裁判を開くきっかけとなった他校の生徒・神原が思いを告白するシーン。重要なシーンですが、とても共感できる内容となっています。どんな気持ちで裁判を開いてもらいたかったか……。とても気持ちが伝わってくるシーンです。そしてそれに対する主人公たちはどんな答えを出すのか。

  生徒たちだけでなく、保護者や学校関係者のサポートも見どころ。特に永作博美が素晴らしく見せてくれました。生徒たちが始めた裁判と真相、どちらも注目してください。

[ソロモンの偽証 後篇・裁判](2016年8月26日現在配信中)
b_dtv

b_hulu

b_geo.jpg

b_hikari

b_netflix

b_amazon

b_jcom

b_auvideo

b_itunes

b_googleplay

b_bonobo



『ソロモンの偽証』は少年少女の成長物語


 前篇・後篇を通して主人公たちの成長がわかります。この作品はミステリーですが思春期の少年少女の成長ものでもあります。両方見た後、改めて重要なシーンを見直したくなると思います。

個人的には神原と不良少年・大出のやりとりが前篇・後篇共に好きなので何回も見直しています。

 最重要人物である柏木。彼がどんな人間だったかだんだん明らかになっていくのも面白いです。全部見終わった後、柏木というキャラクターについて考えてしまうことでしょう。

映画に興味持たれたら原作を読んでみるのもいいかもしれません。ちなみに原作は最近続編が発売されました。それには彼らのその後が書かれています。

(文:波江智)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!